月記帳


 「良い文章は短い文章」……肝に銘じます。


2002/10/17
 PS2版『ワイルドアームズ・アドヴァンストサード』プレイ終了。
 ネットで情報を拾って、隠しモンスターを倒して回るうちに、レベルが90近くになった。
 このゲームはここまで。
 PS2版『BUSIN』プレイ開始。
 要するに、アトラス製ウィザードリィ。
 主人公が存在するのは「冒険者の無名性」を感じさせるこのシリーズの空気を破壊するものではあるが、まあそれはそれ。
 なんか懐かしい作り。このシリーズは1、2、3、4までしかやっていないけれど、種族のパラーメーターとか同じだ。途中の作品も、こんななのかな? もっとも、パラメーターの上がり方とかは随分景気良くなっているが。
 後、迷宮内のメッセージのセンスも、シリアスな状況のくせにジョークが混じるという伝統を踏襲している。
 オープニングでプレロールドキャラクタが、三人ばかし仲間になったが、即刻パーティから外し、全員自分で作ったキャラに置き換えた。クラスチェンジできない奴に用はない。
 編成は、魔法使い(リーダー)、戦士、僧侶、盗賊、僧侶、魔法使い。偏っているが、クラスチェンジ後はかなり強くなる予定。
 しかし、キャラメイク出来るゲームって、久し振りにやった気がする。ゲーム感強し。

<10月10日のつづき>
 食堂街が闇雲に広い。
 加えて、土地勘のなさは、体感距離を無限に広げる。
 空腹と、若干の寝不足で機動力の低下している身に、この探索は面倒。
 大阪駅(梅田駅)内のみでこれだけ多い。後で分かった事だが、その間近にあるアーケードもまたものすごい広さ&店舗の多さだった。
 この無数にある店の一つ一つに客が入り、商売が成り立つのかと思うと、なんだか経済の不思議を感じないでもない。
 同じところをグルグル回りつつ、うどん屋に入る。立ち喰いではないが、かけ二百円の看板の出ている店。こういう安うどん屋は、あっちこっちにある様子。底値は百五十円ぐらいだったか。
 大阪のうどんと言うと、やはりキツネであろう、ということで、キツネうどんを注文。
 頼んだ次の瞬間ぐらいに出てきた。早い。
 甘い味付けの揚げ。うどんつゆは――鼻が詰まっているせいかダシの素性は不明。多分、昆布か、あんまりきかせていないか。旨いか不味いかは、実際ピンと来ない。うどんってのは、家で喰うもんのイメージあるし。純粋な東京風うどんってのは食べた事がない。
 ところで、隣りのおっさんなんかは、うどんと稲荷寿司を注文していた。割とこれが定番らしいが、どうも不健康そうなメニューだ。まあ、栄養バランスの悪さは、松屋で牛丼喰うのと変わらないぐらいだけど。
 支払いの段になって、「何を注文しました?」って、自己申告制……?

 腹がふくれたので、街の散策に出発。
 目的地は、なんばグランド花月。例によって、場所はネットで調べておいた。
 大阪駅でJR線の料金表を見たが、花月のある難波駅は、妙な位置にあり、ぐるっと廻る必要がある。
 「うーん、どうせだから歩いてみよう」という事で、梅田駅から御堂筋沿いを南下した。
 信号無視率の高さや、歩道を駆け抜ける自転車の多さに辟易しつつ歩く。
 ところで、街路樹にイチョウを使うのはいいけど、実はどうにかすべきだと思う。
 しかし、ここに一つの誤算が。旅行の荷物一式を詰め込んだバッグは重く、難波への距離は意外に長い。
 足を引きずらんばかりになった私を出迎えたのは、グリコの看板。
 おお、アレだ。よくテレビとかに出るアレだ。ワールドカップ中は青かったアレだ。
 んなわけで、ようやく難波に到着した。

 食堂の山ほどある商店街を歩き廻り、食品模型から看板まで並んだお店のお店屋さん街を歩く――って、花月はどこ?
 地図を確認しながら、同じ所をぐるぐる廻った挙げ句、何度か通り過ぎた場所に花月を発見。その日の演目は半ばを過ぎていたため、翌日の前売り券を買う事にする。
 売場の人によれば、二階席しか空いていないという話。演芸場の前売り段階でそこまで客が入るとは、恐るべし花月。末広亭とはえらい違いだ。で、いざ財布を取り出した辺りで、気になる一言が。
「テレビの収録がありますけど、よろしいですか?」
 それ自体は面白そう。ただ、時間は限られており、演目が減る恐れがあるのだ。
 だが、旅の身なれば時間の制約というものもあり、首肯せざるを得ないのであった(なんだその言い回しは)。
 なにはともあれ、無事目標を達成。前売り券三千五百円なり。
 向かいにある、演芸資料館とか何とかいうワッハ上方ものぞいてみた。何かやるらしいのだが、開始が十八時からでは、どうにも行き難い。そもそも、まだホテルのチェックインもしていない。ので、スルー決定。後から考えれば、この判断は非常に正しかった。待ち時間を無為に過ごせるほど、大阪の街の散策は容易ではなかったのである。
 十七時近くになり、そろそろホテルに向かう事にする。
 難波駅で、料金表を――あれ?
 先ほどは繋がっていなかった、梅田駅と難波駅が、真っ直ぐ繋がっている。
 ……地下鉄は繋がってたのね。
 地下鉄御堂筋線を利用すると、ホテルのある江坂まで一直線。しかし、難波、梅田、新大阪、江坂の並びか。随分外れの方ではないか。
 とはいえ、地下鉄の尺は短い。歩いて来た行きとは比べ物にならないスピードで、逆行。江坂へ到着。

 線路沿いに歩き、ホテルへ。駅に割と近い。
 ……最近のホテルってのは、カードキーなんだなぁ。しかも、滞在中は自分でずっと管理するんだ。へぇ。部屋の中に入ってみると、電気のキーにもなっていた。オートロックの閉じ込み防止に一役買っているってところか。
 部屋は狭いながらも機能的、これがビジネスホテルの良いところ。多分、あんまり広すぎたら落ち着かないに違いない。
 情報の生命線、テレビのスイッチを入れてみる。
 つかない。
 何度やっても付かない。
 はっ、上についたけったいな機械にカードスロットが。まさか有料テレビか? 大昔の旅館じゃあるまいし! と、傍らにリモコン発見。スイッチを入れたら、ちゃんとつきました。
 有料なのは有料チャンネルね。そーいやぁ、何の説明もないカードの自販機が、廊下にあったっけ。
 部屋の中をチェックし、荷物を整理した後、さて夕食とばかりに外へ繰り出す。
 江坂というのは、決して大きな駅ではないのだが、食堂の類は例に漏れずいっぱいあった。まあ、やはり都会だしねぇ。
 色々廻ったが、こう、一人でいる時に、相手の顔の見えるタイプの食堂には今一つ入り難い(小心者)。という事で、東京近辺では見かけない居酒屋チェーンに入る。そーいやぁ、こういう店に一人で入るのは初めてだ。
 関東関西の違い、というのを味わおうというのが、旅の目的の一つであるからして、ビールと、差異が有名なおでんとダシ巻き、関係ないけど沖漬けを頼む。
 おでんにはとろろ昆布が載っていた。これは関西の特徴か、それとも店独自のローカルルールか? 変わった食感。品はタマゴ、大根、牛スジ? ダシ巻きは当然、砂糖を使わないタイプ。自分の家がこっちだから、違和感とかはなし。旨い。ドライの大瓶は一人で呑むにはでかかった。本当は日本酒で食べようと思っていた沖漬けを、そのままわさわさと喰う。しょっぱ過ぎず、旨い。
 もう少し色々食べたかったが、一人だとこれで充分腹がふくれたので、会計。千五百円なり。それぐらいの値段にはなるのだなぁ。
 ほろ酔いにもならない状態だが、ぶらぶらと帰る途中でたこ焼きを買い、コンビニではテレビ雑誌を買って帰る。
 たこ焼きは旨い。旨いが、神奈川で食べられる味。評判の、とか、行列の、とかではないので、こんなところか。当然、一人で六個は多く、腹一杯。これは、二、三人でつつくのが正しい姿、という気がする。
 こうして、一日目が終了――は、せずに、一眠りした後に、何となく目が覚めてしまった。仕方がないので、原稿用紙を使って作品を執筆。適当なところでゴロゴロしつつ、深夜番組を眺めて眠った。
 明日は花月。その後に、水族館の「海遊館」にでも行こうかなぁ、等と考えつつ。
 続きは、次回。



2002/10/13
 大阪から無事帰還。
 「常々気になっていた所に行ってみようツアー 第四弾 特別大阪遠征編」
 そもそもの始まりはチャットだった。
 関西出身者がいた時に、「関西でオフってのもいいねえ」等という、まあありがちな社交辞令というか、ジョークは出る。
 大体「そーだねぇ、いつかやりたいねぇ」で終わるもの。それが大人の会話というもの。が、しかし。
 今の自分には時間がある。一応は金もある、なにより私はそういうタイプの大人ではない。
 「……マジでやっちゃいます?」

<10月10日>
 旅行におけるマーフィーズ・ロウ「荷物を半分にせよ、そして所持金を二倍にせよ」を忠実に、荷物を最低限に削り、いつも使っているショルダーバッグ一つに収める事に成功。そして、とても使い切れない程の金を用意。
 新横浜から新幹線で大阪へ向かう。
 イベント事がある時は、基本的に眠りが浅くなるのは人の常。
 何だか眠いまま、ビールを一本買っておく。
 ビールというやつは、気楽を絵に描いたような飲み物ではないかと思う。ウイスキーを呑む時や、日本酒を呑む時とは、根本的な違いがあるのだ。
 窓際の席だったお陰で、外をぼんやりと見る。が、何か乗り心地が悪い様な……。
 緩やかなカーブから来る遠心力が、絶えず身体を引っ張っていたのだ。昔の新幹線ってこんなに身体に力かかったっけか?
 カーブも終わり、一応落ち着いた所で自分の住む町の近くを通る。おらが町のランドマークタワーが見える。やはりあれだけでかいと見えるのだ。
 さて。
 実は、大阪行きに際し、一つの問題点があった。それは。
 作品の締切に間に合わない、という事。
 ノートパソコンなんて気の利いたものは持っていないし、パソコンがあるからといって漫画喫茶に入り浸るのも旅行の在り方としてどうかと思う。
 そこで、私は画期的な方法を思い付いた。
 原稿用紙に鉛筆で書くのだ!
 ……普通じゃん。
 しかし、よく考えると手書きで小説と呼べる物を書いたのは、十年以上も昔の話なのだ。
 キーを叩く事しか覚えなかった手が、原稿用紙五枚とか十枚とかをストレスなく書く事が出来るのか。
 執筆装置の違いは、作品内容にまで影響を与える事があるともいう。
 が、背に腹は代えられない。作品を仕上げないと、心おきなく楽しめない。
 そんなわけで、新幹線の座席のテーブル、学院時代にほとんど使わなかった原稿用紙、鉛筆を使い、執筆開始。
 書くべし、書くべし、書くべし、書くべし!
 ――特に問題なく書けちゃいました。
 小学校時代、たかだか二枚をのっそり書いていたのが信じられない様な速度。結構手書きでも早いな。字は読めないだろうけど(それでは意味がないのでは?)。
 一時間ほどでひと区切りを付け、買っておいたビールを呑む。
 景色を見ながらのんびりと進む。
 そういえば、浜松辺りで謎の作物を育てる畑が見えたが、あれは一体何だったのか。
 ビールを呑み終えてぼーーーっとしているうちに、新大阪駅に到着した。
 時間は午後一時、昼飯時である。
 だが、新幹線停車駅で、適正価格で食事が出来るとは思えない。
 駅の外に出るという手もあるが、折角乗車券が「大阪市内」なので、もう少しマシな場所で外に出たい。
「ベースになるのは大阪駅だろうし、まずは大阪で降りよう」
 至ってまともな理屈で、大阪駅に向かう。
 その時私は、自分の宿のある「江坂」が、大阪駅と正反対の場所にあった事にちっとも気付いてはいなかったのである。
 さて、大阪駅に到着し、昼食。
 まずは店をざっと見てから――から――から――から――から――多すぎる! ちょっと、なんかで廻れやしない。ウロウロする内に時間ばかりが過ぎて行くのであった。
 続きは、次回。



2002/10/10
 旅に出ます、探さないで下さい。
 ――ではなくて、土曜に大阪でオフ会。
 身軽な立場なので、今日から出発。
 つまり「常々気になっていた所に行ってみようツアー 第四弾」です(そんな名前だったか?)。
 そんなわけで、日曜まで帰りません、はい。



2002/10/7
 PS2版『ワイルドアームズ・アドヴァンストサード』クリア。
 ラスボスがちょいと余分に出てきた様な感触。そりゃ伏線はあったけど、なんかこう「倒したいッ!」ってな盛り上げ方が欲しかったなぁ。倒したくなるラスボスの見本としては、幻想水滸伝のバルバロッサとか、アーマード・コアのコンピュータとか、ラプラスの魔のハスターとか、そんなの。
 ともあれ、ゲーム感覚の強い良いゲームであった。自分の操作率が高い、とでも言えば良かろうか。
 二周目は……どうするか。レベル引き継ぎは、なんか無茶苦茶になりそうだけど。裏ボスとかちょこっと倒してから、暇があれば、にするか。
 娘のアームを徹底改造して、十連発ガトリングを初めからやる、というのも手だなぁ。メガネ君もその線でやると楽しげ。
 テレパスタワーとミレニアムパズル、そうやって行くのか。ネットで調べてやっと分かった。
 テレポートオーブばっかりで、列車なんて使わなかったからなぁ。いや、疑いはしたんだけど、ヒントがトニーの台詞じゃあなかなか気付かないって。
 結局ミレニアムパズルは、つつがなく全部クリア。二十番目は妙に簡単だった。十九番目の方が難しい。

 劇場アニメ『人狼』を観る。
 ケーブルでやってたので。
 うーむ、騙し合い。ヒロインは病人か。でもラストにカタルシスがあったからいいや。怖がられる主人公、というのは定番だが心地よい。
 かつて、実写で同シリーズの話があった様だが、実写にするとやはり浮くだろうなぁ、あの戦闘服は。
 気付いたこと。
「世界に通用する」アニメの定石:メカや美少女なのにバッドエンド



2002/10/3
 PS2版『ワイルドアームズ・アドヴァンストサード』プレイ中。
 主人公のキャラクタとか何とかは今ひとつだが、なんかこう、ちょっとしたやり込み要素とかが楽しい。
 フィールドを飛び回るのが良い。
 現在、高台にある敵隠れ家を目指し、トンネルを探索中(つまり、さっぱり進んでない)。
 テレパスタワーをどんどこ破壊して、ようやく14番目まで破壊。多分その先はストーリーを進めなければダメ。
 レベルも結構上がったので、闘技場のマスターリーグに挑戦。
 第一回目。
 倒せる事は倒せるが、ターンオーバー。
 よく考えると、十五ターンで五連戦行うという事は、一戦闘当たり三ターンで戦わなければならない。
 一応一撃殺出来る相手はいるにしても、HPの高い敵だとやはり時間が掛かってしまう。
 第二回目。
 一撃殺させられる相手はきちんとやっつけたものの、致死攻撃を喰らって足を止める馬鹿が一人。
 結局ターンオーバー。リセット。
 三回目。
 単体の敵に対しては、魔法で弱点属性を付け、アタッチメントで武器にその属性を付け、弱点補正でダメージ増加させる、と。
 しかし、開閉ヒトデは開閉の度に弱点属性が消失するという特徴を持っていた。結局、弱点攻撃が今ひとつ決まらず、無駄にターンを重ねる。リセット。
 四度目の正直。
 ともかくターン数を減らす事を考える。攻撃順をいじり、弱点をターンの最初に付ける。娘がFPを使い切る時には、誰かがその後に人参を使ってやる。また、致死攻撃に際しては、ステータスガードと致死防御スキルで対応。
 もっぱら、メガネ君の狙撃、狙撃、狙撃、ガトリング。弱点補正。一撃のダメージが最後の相手で一発14000ぐらい。
 見事ターン内に撃破。
 ……賞品がこれ? 何となく予測はしてたけど……1ギミルコインだって、50枚位持ってるぞ。
 何となく虫が知らせたので、主催者に話しかけてみる。
 うわ、戦闘かよ!
 とはいえ、これこそ隠しボス。残り少なくなったフォースキャロットとミニキャロットをガンガン使う。ポーションベリーも使う。とっときのミラクルベリーも使う。
 かなり消耗しつつ、辛うじて勝利。
 やれやれ、と戻る。いつもの宿屋な人に何となく話しかけ――あれ? 何か今君妙な事言った。
 もう一度聞いて――げげげっ、有無を言わさず戦闘か。選択肢は?
 ポーションベリー、残り十個。フォースキャロット三本だったか。ミニキャロットだってそんなにない。ミラクルベリーなんか一個。まず使えない。
 マテリアルだって、幾つか使ってるし、しかもこいつ何となく強そう。
 変な技も使ってくるし、攻撃力も高い。
 考える。考える。考える。長期戦に強いフォーメーション。効果的なガーディアンの組み合わせ。
 状態異常が起こらずに、手持ちのアイテムだけで回復が間に合って、相手の回復速度よりも多くダメージを与えられる――。
 結果、みんなでフォースパワーをいっぱいに貯めて、力を合わせた無属性攻撃。
 攻撃担当の魔法少(?)年にはフォースチャージ。イザとなったらエクステンション・ヒール。他のみんなはガード。
 10000ダメージを与えて、3000回復される様な、地味な戦いが続く。
 しかし、いい加減に回復アイテムが底をつき、ヒールだけでは回復力不足。と言って、人参切れの今、フォースを使い切ってしまう愛の女神のマテリアルも使い難い。
 いや待て、復活アイテムのリヴァイブフルーツで、体力が回復した筈。
 使ってみたところ、HPによってはポーションベリーよりも多く回復する。
 しかもこれは四十個もまだ残っている。
 こうして地味な攻撃を繰り返し、敵も敵で決定打に欠ける攻撃ばかりを繰り返し、ついに撃破となった。
 闘技場で最強となり、レベルは大体73、4といった所。
 ――さーて、いい加減ライバル女を助けに行ってやろうかねぇ。

 日本北朝鮮正常化交渉続く。
 この問題で、庶民というのは怒らないと人非人扱いかな。
 義憤の風潮に乗らないと流行遅れ?
 そうじゃなかろう。
「北朝鮮は酷い、滅茶苦茶な国だ!」
 そこで思考停止したら、次に来るのは「正義の戦い」しかないじゃないか。
 拉致された人間が工作員にされ、任務中の失敗や、口封じの為に殺された、位の予測は誰でも出来る筈。
 でも、北朝鮮が困窮して国交正常化を求めているのも間違いない話。
 この状況で敢えて拉致被害者の死因を隠そうとする北朝鮮。
「北朝鮮は日本を馬鹿にしてるんだ。本当は死んだって人たちも生きてて、まだ人質外交をする気だ」
 そうかな?
 何だか、原発のトラブル隠しとダブって見えるんだけど。
 日本人の国民性か、人間共通な物かは知らないが、ミスを全く許さない風潮というのがないか。
 その風潮の中では、ミスを正直に申告する事によるダメージと、隠して発覚するダメージとはさほど変わらない。
「ここで本当の事を話したら、どんな無理難題を突き付けられるか分からない」
 北朝鮮にあるのは、多分そういう警戒心。
 そして実際問題、世論が「北朝鮮憎し」で固まるかも知れない。交渉の第一報で見せたマスコミの悲劇性ばかりを煽る報道は、それを危惧させる。
 ――もしも拉致されたのが自分の家族だったら?
 そういう個人の感情を越えて、全国民の為に動かなければならんのが国家。そして、その国家を支えるのが、当事者以外の傍観者的立場の有権者。
 北朝鮮はさっさと真相を話し、日本はそれに動揺しない、これがこの先の道というものだろう。

 西友払い戻しの乱。
 口コミで広がった全く無関係な者たちまで来たのが、混乱を助長した、と。
 買ってもいないのに、金を受け取りに行った奴は犯罪者だ。それは間違いない。
「だって、取れるとこに置いてあるから」
 万引きという名の窃盗犯と変わらん。
 但し、西友にも浅くあざとい魂胆が見え隠れする。
「分かった、俺を好きなだけ殴れ!」
 びしびしっ、げしっ、げし!
「痛い痛い、本気で殴るなよぉ……」
 これだ、正にこういうコントだ。
 どこかに「うむ、誠意は見せて貰った、金は結構!」みたいな展開を期待していた部分があったのではなかろうか。
「お借りした金、お返し出来ぬ」
「なんですって!?」
「かくなる上はこの腹かっさばいてお詫び申す!」
「そうですか。じゃ、それで」
「ええっ、と、止めないの?」
 相手の慈悲や手加減は期待するものではない。



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