月記帳


 鶏が犬死にした月。



2004/2/24
「私はきちんとはらっているのに、年金を滞納するなんて許せない。奴らに罰則を」なんて投書が新聞に載ったりする訳だが。
 そんなに羨ましけりゃ、あんたも滞納なさいな。
 で、年金を運用した施設は、軒並み赤字だったりする訳で。
 負担額をあんまり変えない、受給額を現役世代の50パーセント水準を維持する。
 だったら、受給年齢が引き上げられるだけ。空白期間のある人間の受給額を加速度的に下げるだけ。受給時期を繰り延べにした人間のみ、50パーセント水準にするって手もある。
 全部税金だけでやりゃあ良いでしょうに。違うかね?
 少なくとも、赤字施設を作ったり(もう作りはしないだろうけど)、数年分の予備費を貯め込む分が、市場に還元されると思うけども。
 まあどうせ強制徴収されるんだろうけど。
 『年金なしの老後家計簿』とか考えてみるかなぁ。

 PS2版『三国志7』を借りたので、ひとまず『オペレーターズ・サイド』はお休みにしてプレイ。
 初級、最初のシナリオ、在野武将のサイボウで(字を出すのが面倒)。
 で、在野時代に、兄弟と黄忠と親交を深め、旗揚げ。
 君主と黄忠の強行移動を駆使し、ががんと攻め勝つ。
 現在、戦力を集中の一点突破戦法(戦法でも何でもない)で、孫の一族と南のもう一つを潰して、南部を平らげたところ。
 しかし、行動力制は辛いなぁ。
 国全体に神経が回らない。
 というか、移動させるだけで、なくなったりするし。自分が動くと激減するし……。
 太守を上手い具合に決めないと。でも、人が少ないしなぁ。



2004/2/20
 今回の『遠くへ行きたい……って訳でもないんだが』は、三鷹のジブリ美術館です。
 まあご存じの人はご存じの通り、私はジブリのアニメに傾倒しておりまして、天井にはナウシカのポスターなんぞがベタベタ貼ってある始末なんですな。
 ほら、ポスターにはジブリって……あれ、書いてない(注:ナウシカ作成時に、スタジオジブリはありませんでした)。
 まあ、M氏にも進められた事もあり、元々行ってみたかった場所でもありで、行く事に決定。
 ローソンのLoppiでチケットを買う。
 前に見た時、既に予約がいっぱいだったので、今回は早めに一月半ば頃。
 そーして、二月の七日の土曜日、十六時入場のチケットを千円で購入。
 思ったより安いけど、時間制なんだなぁ。入れ替え制ではないらしいけど。
 ま、チケットも用意できたので、後はのんびり待ちましょう、の構え。

 そして二月六日。
 母が。
「九州のお婆ちゃんが亡くなったから、明日お通夜、明後日お葬式だからね」
 ――三鷹行きが、急遽福岡行きに変更になったのでした。

 気を取り直して仕切り直し。

 完全に日時指定のジブリ美術館チケットは払い戻しも出来ずゴミ箱直行。なので、別の場所を探す。
 
 今書いている短編の舞台が、何とはなしに鎌倉になった。
 けれど、鎌倉の町並みやら海岸の様子やらが、今ひとつピンと来ない。
 まあ、そう遠い場所でもないし、取材行こうかなぁ、と思っていた矢先、バイト先の仕事も一区切りに(というより、翌週から凄く忙しそうな感じに)なった。
 ので、二時ぐらいに退けて鎌倉行きと相成った。
 鎌倉は別に初めての場所でもないし、大和を通るから帰り道にでも足を伸ばして相鉄線の辺境、いずみ野見物でもしようかなぁ、とか思いつつ電車に揺られる。
 相鉄線で大和、小田急で藤沢。
 なんだ、三十分もかからんのか。案外近いな、藤沢。
 ここから鎌倉へ、は、と。
 JRなら百九十円、江ノ電なら二百九十円か。
 別に江ノ電には乗った事あるし、思い入れもさしてないので、JRに決定。
 藤沢から大船で横須賀線に乗り換えて鎌倉ね、うんうん。一人で来たのは初めてだけど、それほど問題ないな。
 そして、JR線は、「停車ボタンを押したアホがいたので五分の遅れ」とかの、微かなハプニングはあったものの、つつがなく出発。
 大船へ到着。さーて、乗り換えるべえ……か、な……な、なんじゃありゃあああ!
○ヒント1 でかい
○ヒント2 白い
 はい、正解。大船観音でした。
 ここかどーかは分からんけど、よく列車の中からちらりとどでかい観音像の姿が見えた事があったわい。
 まあ、これは……見とかないといかんね。

 というわけで、改めて仕切り直し『遠くへ行きたい……って訳でもないんだが』は、恒久平和を願って大船観音参拝です。
 なに、心にもないことを言うな?
 いやいや、何を仰る。あたしゃ、輪廻転生とか、宇宙の大いなる意思というタイプの事柄は信じる信心深い人間だし、世界平和はものぐさなスタンスで願っておりますよ。

 で、十円分無駄にはなったけれど、大船駅で途中下車決定。
 どうやって行けばいいのか――とか考える事も全くなく、駅の出口へ。
 だって、すぐそこに見えるんだもの。
 川を一つ渡ると、八百屋の脇に「大船観音→」の看板が。
 ふむ、こっちか。
 と、古い古い喫茶店や定食屋が一、二軒あって、その次の辺りに……おぅ、入り口だ。
 寺のイメージとはほど遠い、何か個人の家の門レベルの貧相さ。
 と、一方の門の辺りに、リスが。
 うわ。
 久し振りに見たなぁ。
 リスったら、昔、どこかで見たような。そうそう、佐助稲荷とかその辺で。
 同じ鎌倉市じゃん。
 まあ、リスは放っておいて、参道を歩く。
 えーと、参道というと聞こえが良いけど、斜度二十度ぐらいの狭い道。多分、車は通れない。
 これだけ高いとこにあるから、観音像が見えるんだな、うむ。
 まあ三分も歩かない高さなんだけど、結構上がる。
 一つぐいっと曲がった場所から、線路が見えた。もっとも「見晴らしが良い!」って程でもないが。この程度の高さなら仕方ないか。
 そして登り切ると、チケット売場が。
 参拝料大人三百円。
 金取るのか。
 別にいいけど。
 閑散としたチケット売場で万札を出すのははばかられたが、細かいのが丁度なくなっていたから仕方がない。
 そーして、チケットを貰って中へ入る。
 平日という事もあって、客なんて自分の他に一人しかいなかった。
 右上の方に、観音像の横顔が。
 参拝順路の立て札が立っていたので、それに従って歩く。
 おや、灯籠に名前が書かれている。
 ふむふむ、寄付をしてくれた人の名前なんだな。
 中には、アルファベットの名前もあるけど、どうやっても読めないような綴りのものもある。
 英語圏ばかりでもないらしい。
 ……って、観音に何か含むところでもあるのか。
 観音って、そんなにメジャーな神様なのか?
 いや、三大宗教の一つだから、メジャーには違いないだろうけどさ。
 順路に従い、整備された階段を上る。二十段もない階段。
 と。
 目の前に観音像! でかい! 白い!
 けど、ああ、胸から上だけなのね。
 列車の中からだと胴体の辺りに山があるせいで、立像かと思うけれど、胸像だった。
 とは言っても、このでかさ凄い。
 近場にある筈の長谷の大仏よりもでかいんでないかな?
 売店でお札やらお守りやらが売られていたが、気にせず順路を進む。
 観音像の前は菜の花が咲いていた。
 近くで見る観音像は、やっぱり白くて、額のアレは金色をしており、更に頭の上辺りに仏像がもう一つ。
 二つが一緒くたになっている姿が、どっかのRPGのラスボスみたいだなんて、罰当たりな事は言わない。
 順路は、観音像の周囲を右に(観音像から見れば左側から)回り込む方向に続く。
 いやしかし、本当でかいな。
 でかいものは、それだけで人を惹き付けるもんだ、まったく。

 順路に沿って進むと、観音像の裏側へ来た。
 当然の事ながら――中に入れましたとさ。
 自分の他には誰もいないせいで、気楽。
 中には、スタンドとノートの置かれた机が一つ。
 いわゆる無人駅とか喫茶店とかゲーセンとかにあるアレだ。
 しかし明かりがスタンドというのが、何だか素朴だなぁ。
 スタンドを点けて、ノートを開く。
 いつぞやの靖国神社のそれとは、全くタイプの違う書き込みが並ぶ。
 おっ、これは中国語か。
 幾つか中国語の書き込みがあるなぁ、ええと、次のページは、子供も書いてる。
 ん? 何だかヒンドゥーだかペルシャだかの文字だ。
 ……幅広いな、観音。流石。
 靖国神社なんて、英語と日本語だけだったのに。
 それにしても、このヒンドゥーだか何だかの文字綺麗だなぁ。あっちでも字の上手い人っぽい。
 同じような全く識別不能の書き込みは、後二つ三つあった。
 最後の書き込みは、平和祈願であった。日付は昨日。
 この状況下だもんなぁ。
 外に神を設けない自分でも、ちょっと祈りたくなる気分だった。
 で、スタンドの明かりを消して、観音胎内巡り(巡るほど広くはない)。
 右と左に台座。
 本当は、仏像が一つづつ据えられるんだそうな。
 だから寄付を募っているとの事。
 観音の中に更に仏像入れる必要あんのかね?
 結構仏教って多神教だぁね。
 次に一室があって中には、観音像が出来るまでの写真。
 そもそもこの観音像は、鎮護国家とかそういう事で、昭和の初め頃に着工されたものだとか。
 でも、観音像に平和祈願をするというのは、今の国益(政府益)には反しておるので、観音さんもさぞかし困惑しておるこったろう。
 その写真についていた説明を見ると、この像は建造途中、戦争のせいで作業が長期中断したそうな。
 で、その時の写真もあったんだが、意図的かどうかは分からんけど、妙に悲しげな顔をしている。
 ――というより、全く別人じゃん。
 設計者の意図がどの辺にあったのか不明。
 写真の部屋の隣には、仏像。
 本尊っちゃあ本尊なのか。
 賽銭箱の前に、ひれ伏して礼をするためのマットみたいなものが置かれていた。
 それから前の方には、写経を奉納するための台があって、色々写経が置かれていた。
 後は、卒塔婆。
 どうしてこんなとこに――と思いつつ外に出ると、「多宝塔 関係者以外立入禁止」の階段があった。
 ああ、葬ってはあるのか。
 それから、ぐるりと観音像の背中を回り込む。と、観音像に手が届く場所まで順路が近づく。
 ので、ちょいと触ってみた。
 あの、コンクリートを加工して、表面に何か塗ってある凸凹加工。うん、家とかでよくやる。
 みんな触るらしく、その場所だけ、妙に綺麗になっていた。
 しっかし本当にでかいなぁ、などと思いつつ、順路通り売店の脇の階段を下りていく。
 斜めに切られた階段に感覚を惑わされつつ降りる。
 説明しにくいが、菱餅の脇みたいな階段なのだ。
 降りていくと、階段の途中に地蔵があった。
 水子供養とかそんなの。地蔵も菩薩だぁね。
 それから、右の方には神奈川県の原爆被害者を祭ったお堂。
 なんか、観音ってそういうイメージが強いなぁ。
 親しまれるも道理か。
 これで一回り、チケット売場に到着。
 側に、休憩所があったが、閑散極まりないので一ミリも入る気が起こらない。ただ、外の椅子にノドと口の白い黒にゃんこがおり、しばし見つめ合った。
 後は、大船駅に戻り、鎌倉へ向かったのであった。

 鎌倉からの帰り、ふとJR一本で帰れる事に気付く。
 相鉄、小田急、JRと乗り継ぐよりも、五十円ぐらい安いので乗ってみる。
 ――茅ヶ崎までは、あんまり変わらんかったんだけど。
 相模線が遅いのなんの。
 駅の度に、一分待ち二分待ちって。
 お前はボクサーか何かか?
 結局、二十分ぐらい余分にかかった。



2004/2/16
 ナージャの後番アニメ『二人はプリキュア』。
 凄えオープニングだ。
「キュアキュア」ってなんだ、「キュアキュア」って。
 キュートの訛りか、それとも癒しって意味のキュアか?
 どうなるんだ、化けるのか、それともあやしいままで終わるのか(あやしいままで終わった例:Dr.りん)。
 今後の動向を見守ろう。

 3000円ぐらいにまで下がっていたので、PS2版『オペレーターズ・サイド』を買ってしまった。マイク同梱。
 あの、声で指示を出すゲームね。
 色んなとこで書かれてたけど、音声認識の精度が高い。
 会話をしている感じ、とまではならないが、声をかけるせいで感情移入し易い。
 ……これは、ギャルゲー向きシステムだわい。
 トゥルーラブストーリーの下校会話なんて、まんま使えそう。
 もっとも、マイクが普及しないだろうから、そういうのが出るのは次世代機以降だろうけど。



2004/2/11
 大人げないツッコミを考える。
○家事労働は35万円
 かつて、どこぞの省が家政婦の給料辺りから出した試算であるが、これを見て「うちのダンナから35万円も貰ってないわ。主婦って損!」というのは、ちょこっと間違い。
 この数字を鵜呑みにしたとしても、純粋に「貰える額」は、この半額にしかならない。
 何となれば、夫会社員の専業主婦の世帯は、夫と妻の世帯である。
 そして、家事労働は世帯全体に大して行われる。
 だとするなら、35万円の家事労働を受けるのは、夫と妻の両方。
 受益者負担の原則に従って、夫婦は互いに175000円づつ折半して、家事を行う者に払わなければならない。
 こうして家事を行う者(妻)は、35万円を受け取る事が出来るが、その半分は自分で自分に渡した事になるので、結果的に受け取れる給料は175000円となる。
 35万という数字はショッキングだが、実際はそういうからくり。

○世界に一つだけの花
 花の種類、を区切りにするという事は、人間にしてみれば人間と猿、犬で分けるようなもの。
 そして同種に区切って言えば、花だって残酷とも言える生存競争をやっておる訳で、特に花屋の店先に並ぶほど成長した花は、その種の中ではかなりのナンバーワンと思われる。
 株に蕾が付きすぎると、間引いたりする訳だし。
「人間以外の生物はみんなピュアで、人間だけが特別に汚れている」
 という発想は、人間最高主義の裏返しで、そこから「地球にやさしく」なんて、思い上がったコピーが生まれたりする。
 何のことはない、人間もその他の生き物と全く変わらず、自分が生き延びる為には他の生物も必要だから保護したり環境保全したりするだけ。
 地球が、人間にやさしい環境であって欲しい、それだけの話なのだ(すっかり脱線)。



2004/2/6
 コミケ申し込み完了。
 これで、申し込みは二つとも終了。

 ちょっと前になるが、TVアニメ『明日のナージャ』終了。
 4クールでたっぷり描かれた話は、どっしりびっちり見応えがあった。
 コメディと泣きの割合、メリハリある展開、筋のはっきりした主人公、安直な敵の存在しない人物関係。
 これは傑作だ。
 それにしてもローズマリー。さんざん引っかき回したのに、去り際決めてくれちゃって。次代の先駆者という位置づけだった訳ね。
 ただこの話、玩具類って売れたんかいな?
 TVアニメ『マリア様がみてる』も観始めた。原作は読んだことなし。
 ――ううむ、あやしい。
 男女で受けるポイントがずれている気もするのだが。
 実際のとこ、どうなんだろ。



2004/2/1
 買っていないので、覚え書きではありますが、集英社『コバルト』2月号のベスト・ショートショートに、拙作『王様は裸』佳作で載っております。
 ご用とお急ぎでない方はどうぞ。

 そうさく畑の申し込み完了。
 後は、コミケの申し込みか。
 二月三日の火曜から受付なんだな。

 PS2で『ドルアーガの塔』が出るらしい。
 どういう形になるかと思えば、不思議のダンジョンとは。
 これは……なんか、興味湧くなぁ。
 ――はっ! もしやBGMもあの曲?
 買うかも。



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