思い立ったが随筆
日々思う由無事を書き連ねています。
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2013/5/25 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第49回 お前のようなネコがいるか、資本主義の手下だな:登別伊達時代村
にゃんまげに飛びつこうっ。
時代村である。
日光ではない時代村である。
日光のそれとは、同一会社の事業という事になるようだ。
東京ディズニーランドと上海ディズニーランドみたいなもんか(そこまでの差はないんじゃないか)。
毎度のことで、どこに行くかと探していたのだが、水族館やらクマ牧場やらにゃんまげやら、ポロポロと登別のイベントが目についた。
土地勘のない人の為に言っておくと、北海道の形状はしばしば「◇」で表現されるが、下の頂点が室蘭、真ん中の左上の方が札幌、で、登別は室蘭のちょっと右になる(いい加減極まりない)。
割と距離があるので、微妙に二の足を踏んでいたが、ふと、JRのお得な切符情報を見ると、一日散歩切符の圏内である事に気付いた。
なるほど、2,200円で往復できるのか。本来の交通費の約半額ぐらいだな。
乗車時間は片道で二時間超になるが、まあ朝イチで行けば二箇所ぐらい回れなくはない。土日連休だから、土曜に行って日曜ひと休みしつつ社福の通信講座のレポート書いたりとかね。
等と考えていたのだが。
出発の前々日、かねてからトラブルのあった自室の設備のいくつか(バルコニーの隣りとの仕切り、電灯、ウォシュレット)について、管理会社に電話をした。
そして、修理点検が18日の午前9時半ぐらい。
……んー、始発は無理かー。
業者さんは9時過ぎぐらいに来て、さっと終了。
んー。
ぢっとYahoo!路線案内を見る。
苫小牧より先は運行数が激減するのが北海道JRのお約束。
今すぐ出ても苫小牧で待たされるだけ。
一番早くて10時46分発で、13時13分着。
どの施設も17時には終わるから、二箇所は無理かぁ。
仕切り直して明日行くか? でも翌日も休みというのんびり感が観光の品質を上げると思うのだよ。
それとも、今日、特急使ってガーッと行くか? 往復で2時間ぐらい早くなるし。でも、何だかんだで二箇所は無理な気がする。2,200円とS切符使って特急自由席4,440円というのは差がそこそこ大きいし、この何というか、安上がり感が嬉しいんだよなぁ
迷うこと暫し。
まあいいや、行こう。
10時半ぐらいまで家で時間を潰してから出発ー。
一日散歩切符を買って、JRに揺られる。
北広島乗り換えで、苫小牧に11時59分に到着ー。
さて、室蘭行きの列車は12時28分。30分ばかりあるから軽く昼飯をとろう。登別に行ってからは時間があまりないし、やや時間も遅くなって、結局食いっぱぐれるいつものパターンだ。
朝にかなり多めに食べたから、さらりと済ませるのが利口だな。改札脇のコーヒーショップのホッキカレーってのも気になるんだけど、店内が狭そうでしかも先客の影が見えたのでスルーして、と。
向かいのデパートに行ってみる。
……って、改装中か。
一応レストラン階は開いているが、ガラガラ感が著しい。
目を惹く店もない。そもそもデパートのレストラン街って、どうも「付属品感」が強くて損をした気分になる。つまり買い物で疲れたファミリーが入って「ぼくハンバーグ!」「わたしはスパゲティ!」「よーし、パパはビフテキ食べちゃうぞ!」「あらあら、パパ。お小遣い大丈夫?」「うへぇ、僕の小遣いから払うのかい?」みたいな感じのオーダーに対応する、ファミレス感覚。場の提供がメインテーマで、「お薦め」とか「売り」の存在しない無個性店の集合体。それが分かるような鋭敏な味覚はないし、言いがかりといえば言いがかりなのだが、でも何となくそういう気がする訳だ。
てことで、1階の「三星」でパンを買った。ちなみにサムスンでも三星食品でもなく、日本一食べにくいお菓子「よいとまけ」で有名な三星である。
琴似にはちくわパン発祥の「どんぐり」というパン屋の支店がある。おいしいという評判なので、何度か食べてみたのだが、まあおいしいかなぁ、でもこの手のパン屋ってでも大体ぐれぐらいじゃないのかな、うーん、どうだろうとか思っていたので、比較対象が欲しかったところなのである。
店内で食べる事は出来ないので、駅前の狭い広場(矛盾)で食べる。
まずはオニオンパン(レシートには「パン」としか書かれていないので、名前うろおぼえ)。
焼きたて表示が出ていたが、やや温かめぐらい。
ふむ。
玉ねぎの甘味とやや歯ごたえのあるパンの味わい、後から胡椒の辛味が上がって来る。
次は肉まんっぽいパン。これは結構熱い。中身は肉まん、外はパン。表面がややカリッとしていて脂っこい。
それからメロンパン。クッキー生地に万遍なくヒビが入る様がメロンに似ているところから付いた筈なのだが、これは部分的にクッキー生地が固まっていて、禿茶瓶系の頭みたいになっている。クッキー部分の歯ごたえはある。
そこそこ腹はふくれた。
味はどうだったか、というと。
まあまあ……いや、もう少し塩気があった方が? いや、チョイスにもよるだろうし、ううむ。
……と、まあこんな感じで判断が付きにくいんだよなぁ、パンって。
室蘭行きのワンマン列車に乗り込み、一路登別へ。
登別の語源はヌプル・ペッ。色の濃い川の意だそうな。女満別とか芦別とか江別とか紋別とか、北海道には「別」の付く地名が多いが、これは要するに川に由来する訳だ。そもそも日本語由来の地名にしてから「川」が付くものは県で3つ、細かい地名ならば無数にあるから、別におかしかぁない(駄洒落)。
地元の学生が乗る二両編成の列車にゴトゴト揺られながら、アシモフの『小悪魔アザゼル18の物語』を読みつつ進む。アシモフのエッセイに近い語り口で、ユーモア系。短編というよりもショートショート的ではある。口当たりは良いが、ストーリー展開が単調で、文体も一人称伝聞形なので臨場感や感情移入が出来ずに飽きやすい。
本作はファンタジーを志向して、編集の意向でやっぱりSFにして、でもやっぱりファンタジーにしたという変遷があったようで、そこらの練り込みの浅さも、自分が「ハードSFのアシモフ」に期待するところと違うのだろう。短編集に2本混じっていると丁度いいかも知れない。
尚、自分はSFはハードSFのみを指すという主義の人である。つまり、科学に関するほんの一つまみの嘘を加味し(光速を突破する方法が存在するであるとか、極度に偏向した政党が一回政権を取るであるとか)、それ以外の部分はあくまで現実の延長として当然行うべき反応しかない、一種の思考実験とも言える過程を経て出来上がった世界の中で展開される物語、それがSFと。
ここに嘘がなければドキュメンタリーであり、それ以外の部分が科学として正しくなければただのフィクションである。
物語に宇宙人が出て来たとして、彼らに進化の過程や宇宙進出への考証が成されていなければ、それはただのファンタジーであって、エルフが出て来るのと変わらない。宇宙人の概念が生まれる前は、未確認飛行物体は天使と呼ばれていた、それと同等である。
SF的描写を取り入れる事で面白くなる作品がある。それも良いと思う。でもそれはSFではない。着物に刀でチャンバラをする宇宙人が出て来る作品があったとして、それは時代小説とは呼ばれる事はない。そういう事だ。
ようやく登別駅に到着した。
時刻は……13時20分?
ナチュラルに遅れてる。
ワンマン列車、恐るべし。
バスが13時15分に出る予定だったのだが逃してしまった。一台停まっているが、目的の伊達時代村に行くかよく分からなかったのでスルー。
仕方がない。
3キロ程度の距離だし、歩くか。
駅で観光マップを貰い、伊達時代村へと歩く。
バス路線をそのまま上がれば良いんだな。
歩く感じではさほど遠くはない。
帰りはバス使っても良いかも知れない。
ド田舎という程でもないが、繁華街にもなっていない駅前から、10分も歩かないうちに山になっていく。
ツツジや桜、新芽も出ている。木々がうっすらと色づいていて、なかなかよろしい。
お?
山陰から鬼の頭が出て来た。
どうも登別で温泉で地獄谷で鬼らしい。
自動車道の出口に位置しており、つまり、インターチェンジから入って来ると鬼がお出迎えの構図。
結構金掛けてるなぁ。
もう少し歩いたところで、「→ここより江戸時代」の看板が現れた。
よし、ここだここだ。
道を入って少し進むと、江戸の街並みが見えて来た。
到着ー!
駐車場、スカスカ!
大丈夫か。
営業してるのか、これ。
昼過ぎとは言え、土曜、休日だぞ。
まあ、親子連れだらけでカメラを出すと通報されそうな状況よりはマシなのだが。
まずは発券所に行き、チケットを買う事にする。
割引の方法はないか探したところ、Web割引券があったので印刷して持って来ている。
「割引手形のご利用で、2,700両になります」
両かー!
入り口のでっかい門の門番の侍の人に手形を見せて中に入る。
うむ、江戸の街並み。
最初は射的やら土産物屋やらがある。
余分な金を使うつもりはないのでスルー。
寺子屋があったり、茶屋があったり、忍者の資料が置かれていたり。
雰囲気は悪くない気がするが意外と小ぢんまりしているような。
他の客はというと、ぽつぽつという程度で、ガラガラ。後何年保つんだろうね。
あ、片倉家の説明もある。
そもそもここが「伊達」時代村というのは、伊達家重臣の片倉家が登別を発展させたからなのである。
片倉小十郎っていうと、良いポジションのキャラだったよな。大河の伊達政宗では。
少し歩くと、開けた場所に出た。
火の見櫓があって、池があって、忍者屋敷的な迷路と、劇場と、妖怪の見世物小屋、それからなんだこりゃ、おにゃんこ寺?
どれ、入ってみるか。
入り口には賽銭箱と招き猫。
いわゆるオバケ屋敷系か。
どや。
暗いな。
お、なんか上から出た。
猫の前肢?
化け猫屋敷というヤツだ。
これはアレだな。ゆっくり行かないと、ビックリさせられそうだ。
ということで、すり足で進む。
スニーキングミッション。ダンボールはどこだ!
と、どれもセンサーが先に感知するので、接触系は完全に空振りという状況に。
オバケ屋敷系としては最もライトな部類なんだろうな、これ。他に入った事がほとんどないから分からんけど。
次に忍者屋敷型迷路。
入ってみると……うわ、傾いた床だ。トリックアート美術館でこんなん見たなー。
う。
なんか、あっという間に頭がグラグラしてくる。なんだこれ、こんなだったか?
後は定番のどんでん返しや、引き戸みたいで引き戸じゃない壁、とか、忍者屋敷というよりも迷路風。迷うかと思ったけど、迷う要素はほとんどなく、さらりと外に出られた。
ここは長屋だな。狭い路地に部屋が並ぶ。井戸からお稲荷さんまで再現されていた。住人の人形も置かれて、なかなかリアルな感じ。本物の資料ではないが、一画を丸ごと再現しているので雰囲気が出ている気がする。
また広場に戻る。
他の客が少ないので、職員の人もやや手持ち無沙汰なのか、子供客の相手をしてチャンバラごっこをしている様子も見られた。
後、コスプレで写真撮ってた人もいた。街並みと上手く合わせれば良い感じになるのだろうが、同好の士の乏しい場でのコスプレは相当勇気がいりそうだ。
さて、ぼちぼち、劇場でショーが始まる頃合いだ。
同じ並びにある大江戸劇場で係員の人が、開場を告げ、呼び込んでいる。
入ろうとすると、入り口のところで小さな白い紙を渡された。
何でも、おひねり用だとか。
最初から要求するのも妙な話ではあるが、雰囲気を出すという事で、中身の指定はない。
劇場に入り、最前列に座る。
舞台が目の高さより高い。
もう少し後ろでも良かった気もするが、まあ、大丈夫だろう。
待つこと暫し。
芝居が始まった。
最初におひねりの紙の説明があって、本編突入。
細々と語るのも野暮だが、ちょっと泣きの入るコメディで、小さい子でも笑える内容。そして、主演の一人にはあのにゃんまげが!
おお、にゃんまげ!
本物を初めて見たぜ!
凄いぜにゃんまげ!
猫なのにちょんまげがあるぜ!
代わりに耳がないぜ!
正直キモいぜ!
という事でつつがなくハッピーエンドとなり、お辞儀をする出演者におひねりが飛び交うのであった。
なるほど、おひねりがあるとなかなか感じがでる。
自分は一応100円ひねっておいた。
出口のところで出演者の出迎えがあり、にゃんまげも子供と一緒に撮影なんかされていた。
話は全体的に笑えたが、ストーリーが甘いというか大穴が開いているのが気になった。
簡単に言えば、ドロボウの足抜けの話なのだが、その際に主人公がやらかした裏切り行為が非常に軽く扱われてしまっている。葛藤が薄すぎる。自分なら、こういう風にはしないなぁ、等と思うことしきりだった。子供も違和感を抱いたりしなかったかな。
出ると同時に、忍者の出る劇の呼び込みが始まっていた。
屋外のものは既に終わっていたから、屋内だけど、まあ観ておこう。
今度は忍者ものだけに、忍者屋敷風の仕掛が色々ある舞台で所狭しとアクションが行われる。ほんの20分程の演目なのでストーリーはオマケに付いているようなもので、後は殺陣のアクションばかり。これはこれでなかなかよろしい。
たちまち終了して、またおひねりが舞う。
ここまでで16時過ぎになっていた。
ええと、帰りの列車が……17時13分発。
今から行けば間に合う時間だな。
一通り見られたから帰ろう。
思ったより小さかったけど、舞台があって、楽しめた感はある。
値段は少しまとまった額出てしまうけれど。
江戸村から出て、最寄りのバス停で待つ事暫し。
バスに乗る事10分程で登別駅に到着した。
ちょっとした土産物屋でもあれば時間も潰せるんだけど、そういうものは温泉街に集中している様子でJRの駅前は閑散としている。
何かないかブラブラ歩いていたら、生協があったので、地のモノでもないかな、と入ってみた。
が。
……店内に流れる「ポイント10倍の歌」……否、歌と呼べないレベルの不快極まりない雑音が流れていたので、リアルに耳を塞いで20秒で外に出た。
何だあれ、なんで平気でいられるの、他の客。それとも土着の伝統的な音程を用いてるとか? だったらゴメン。でもそれなら注意書きぐらいするべきだと思うの。
あー、恐ろしい、脳の聴覚野が腐ってしまうところだ。
ほしのゆめの歌に次ぐブラックリスト入りだ。
その後、登別駅に戻り、駅猫と少し戯れたりしながら時間を潰す。
と、何の気なしに眺めた駅内ポスターに「JR利用の方限定で、観光地の割引チケット引換券を販売します」とある。
……伊達時代村、400円引き。
ぐぬぬ、Web割引よりもまだ安い手があったか。
不覚。
でもまあ違いは所詮200円だし、と、自らを慰めつつ列車に乗って帰った。
のだが。
苫小牧から札幌へ移動する途中、トラクターとの接触事故が発生していたとかで、合計1時間を越える遅延を余儀なくされ、家に着いたのは20時をぐっと回った後だったとさ。
でもまあ、何だかんだで面白かったし、土曜のうちに行って来られたし、良かったんではなかろうか。
<出費>
交通費:2,380円(一日散歩切符とバス代 本来:札幌―2,100―登別 三愛病院登別伊達時代村前―180―登別―2,100―札幌)
入場料:2,700円(登別伊達時代村、Web割引手形使用)
おひねり:200円(100×公演2回)
昼食:425円(パン×3)
計:5,705円
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