思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2008/3/18 『遠くへ行きたい……って訳でもないんだが デンマーク王国だけにプリンスですか!』
 話は数日前に遡る。
 パスポートの有効期間が、3月の25日までになっていた。在日日本人の我が身としては、パスポートなしでは身分を明かす手だてがなく、「すわ! 不法滞在だ! 貴様日本人ではないな、日本人でないという事は非国民だ、非国民は人間ではないから、殺しても殺人にならないのだ!」と警官に射殺される可能性が平常時の50パーセント程度増加するかも知れないので、新規取得する事にした。
 市役所で住民票(300円)と戸籍抄本(450円)を取り、厚木のパスポートセンターに行き、そこに寄生している、規定のサイズに顔を収める事以外、客がどのような写真を撮られたがっているかについて全く興味も配慮もない写真屋の破滅を何かに祈ったり、住所的にはあり得ない表示になっている本籍地の番地に戸惑ったりしつつ、申請が終わった。
 やれやれ、と、日高屋で生ビール(350円)と和風つけ麺の大盛り(550円)で食事を済ませ、支払いを済ませた。
 その時に、レシートと一緒に、いつものように「モリモリサービス券」を貰った。
 これは、麺の大盛り分がサービスになるとか、玉子が半額になるとか、かなり地味で微妙に使い難い代物で、実際一度も使った事がなかった(そもそもそれほど頻繁に日高屋に行かないし)。どうせ捨てる事になるだろうな、と、思いつつ券を眺めてみると。

「Foodfest Denmark 2008」

 の文字が。

 この券、日高屋メニューの割引だけでなく、テーマパークというか施設というか、そういうものの割引が付いている事のある(確か前は、水族館系の何かを見かけた事がある)複合チケットみたいなものなのだが、今回のは一見しただけではよく分からなかった。

 改めて見てみると、ともかくデンマークの農業の何からしい。
 シンポジウムというか、セミナーというか、講演会というか、パネル展示というか、なんかそんなものが雑多に行われる様子。
 割と真面目な集まり?
 にしちゃあ、日高屋でばらまいてるし、「コーヒーとホットドック無料チケット」なんてのが付いている。
 しかも、場所が浜松町方面の東京プリンスホテル「鳳凰の間」だ。

 頭の中でイメージが固まらない。

 いや、ほら、産業祭り的なものを、何たら公園でやる、というのなら分かる。
 見本市的なものを、どこかのホールでやるなら分かる。
 でも、ホテルの宴会場を使って?
 デンマーク?
 「入場無料」とか「楽しいイベントもりだくさん」とか「食料自給率から見た食と農について」とか、なんかこう、同居する事が難しい言葉がグチャグチャに詰まっているのだ。
 こういう匂いのするイベントというと、悪徳商法とか自己啓発セミナーとか、随分怪しい印象が見え隠れしてしまうのだが、でも、日高屋で配っているチケット。

 まあ……行ってみるか。

 んな訳で、偶然と、それを逃さないニュートン的注意力&実行力を持つごんぱちは、日高屋で貰ったチケットに疑問を抱いた全ての人々の代理として、Foodfest Denmark 2008に行くことに決めたのであった。


 13日と、14日の2日開催という事だったので、バイトが休みの14日に行く事に決めた。
 バイト先にホワイトデーのお返しを届けた足で出発しようという、無駄のない計画を立て、当日。

 ――雨が。

 うわー。
 テンション弛むわー。
 なんかなぁ。
 雨は嫌いではないけれど、雨の日の外出はあまり好まない。
 ずらせる予定ならずらすんだが、ホワイトデーの方もあるので、10時過ぎ頃にえいやっと出発した。

 海老名から相鉄線で横浜、そこから――。
 ええと、浜松町までは450円なんだが、駅すぱーとで見たところ、京急線で品川まで行ってから乗り換えると440円で済むらしいんだな。
 よし、行ってみよう。
 えーと切符は290円――ん? 微かな違和感が。
 いや、まさかそんな訳ないよなー、と、京急に乗り、品川へ到着した。
 じゃ、JRで浜松町へ行こう。
 切符は150円。
 ただ、さっきから感じている違和感があるんだが。
 品川から、横浜は?

 280円。

 って、え?
 JRをただ途中下車した方が安いのか?
 知らんかった。
 というより、知ってる人は気づいてそうな話だな。
 ぐぐってみる。

> 途中下車した方が安い の検索結果 約 15,800 件

 ふうむ、鉄道好きや、通勤でそういう区間を使っている人には常識らしい。定期の買い方とかでかなり影響が出るとか。
 でも、知らない人を見つけたからって、「そんなの常識だぞ」みたいな言い方をすると嫌われるから忘れるなよ(ここで歯が光る)。
 距離と運賃は単純に比例している訳ではないので、こういう現象が起きる場所があり得るのは何となく知っていたが、それがどのポイントで途中下車すれば使えるか、なんてのをそらで言えるのはやっぱり常識ではないと思うし。

 有料の検索ソフトなら、そこらも折り込んで調べてくれるようだが、そんなん持ってないしなぁ。
 あー、自分よく「駅すぱーと」って言ってるけど、本当はヤフーの路線情報だから。それは老人が全部「ファミコン」って言うのと一緒なんで、そこんとこ宜敷。

 帰りには品川で途中下車をしようと固く心に誓い、浜松町に到着した。
 雨は止んでおり、一安心。
 件のチケットに小さいながら割と分かり易い地図が描いてあるので、当てにして進む。
 あー、しかし、東京プリンスホテルか。
 敷居が高そうだなぁ。
 しかも、得体の知れないイベント、下手をしたら羽毛布団を売り付けられる可能性だってあるのだ。何だか心配だなぁ。
 歩くうちに、芝公園に到着した。
 と。

 おっ、真正面に東京タワーが。

 ほー。
 ほぼ全体が見える。
 こういうサイズで東京タワーを見るのは、何だか新鮮だな。
 自分も色んな塔に上って来たけれど、やっぱり東京タワーはでかいなぁ。

 東京タワーを左手に見ながら進む。
 10分も歩かないうちに、駐車場が見えて来た。
 看板には「TOKYO PRINCE HOTEL」と。
 よし、入ってみよう。
 ……ドレスコードとかないだろうな。
 って、そもそも、株主総会でこういう感じのホテルにカジュアル極まりない格好で来た事はあるだろう。
 入り口付近まで来ると、Foodfest Denmark 2008の看板が出ていた。
 よし、間違えてない、大丈夫だ。

 中に入ると、エスカレーター近くの案内に鳳凰の間だけが、極端に大きく表示されていた。
 案内の通りに進んで見ると、それっぽい入り口があり、女の人が二人、パンフレットを渡しているので、それを受け取り、中に入った。

 日本とデンマークの国旗が飾られている前を通り過ぎ、エスカレーターを上ると、入り口からパネル展示がされていた。
 デンマークが農業輸出国として成功している理由は、国として力を入れて色々な先端技術やら何やらを使い、衛生管理や品質管理を上手く行っているんだぜ、凄いんだぜ、というような内容。
 その先へ進み中に入ると、意外と人がいる。コミケ比で3割ぐらい。
 壁沿いにホットドックスタンドや、チーズの試食、食べ物の販売、食器の販売、展示などを行っているブースが周囲に並び、真ん中の辺りは食事用のテーブルがいくつか並び、イベント用のステージと観客席があり、奥の方はセミナー用に仕切られていて良く見えない、というような構造。
 正直、どこでも足を止め難く、どうして欲しいのかイマイチ分からない。買えばいいの? それとも、パンフ貰って説明聞けばいいの? 楽しむところ? それとも売り込まれるところ? 勉強するところ? そういう意味では、国際水素展の方がまだ分かり易かったような……あれは見本市だし。
 ステージは、丁度何もやっていない時間なので、端で聞いて面白がる事も出来ず。

 ひとまず、ホットドックスタンドで、日高屋で貰った券を出し、作り置きのホットドックとコーヒーを貰った。
 本当に使えるんだ、これ……なんか意外だ。
 12時過ぎという真っ向昼飯のため、テーブルはほぼいっぱいだったが、丁度一つ空いたのでそこを使う――というか、いわゆる立食パーティー形式で、直径30センチか40センチかという小さい丸テーブルを3人ぐらいで分け合って使う感じ。その一人分が空いたという意味。
 なので写真に撮る、という事が出来なかった。他の人の入ると何かトラブルになりそうだし。
 まずはコーヒーを一口。普通。「おお、うまい!」と思うコーヒーを飲んだという記憶は一度きりなので、そもそも自分に特にコーヒーに対するこだわりがないのだろう。
 ホットドックは、バターロール大のパンに、その2倍以上ある長さの親指程度の太さのソーセージが挟んであるもの。要するに、はみ出まくっている。
 これを「ソーセージが大きくて贅沢」と見るか、「パンがちっちゃくてバランスが悪い」と見るかに分かれそうだ。こちとら後者だねぇ。寿司とかでもさ、シャリが申し訳程度で刺身がやたらでかい、なんてのをテレビとかで見るとふざけるなと言いたくなる。それは、ネタの方が値段が高いから嬉しがっているのであって、旨いから嬉しがっているのではない。ネタだけ食べたければ刺身を頼めてなもんだが、そもそも刺身を頼むにしても、刺身単体で食べるヤツはいない、酒なり飯なりを頼む訳で、結局バランスが大事なのだ。
 さてさて、まずははみ出たところのソーセージをかじる。
 む。
 作り置きに見えたが、なかなかどうして、パリッとした食感。うまい。なんか普通より旨い気がする。デンマーク産? デンマークパワー?
 ……とはいえ、そもそも自分にそんなにホットドックを食べる機会なんてのはないのだが。
 記憶を辿ると、一番最近に食べたのがコメダ、その前はファーストキッチン……だったかなぁ。しかもそいつらは、店側で既にケチャップが大量に付けられていた気がするから、味は悪くなる訳で。
 食べ進める。
 パンは甘くて合わない。砂糖でも入っているような甘さ。ここで甘いパンを使う意味が分からんけど。総じて言うなら、ソーセージが旨いので、まあまあ。

 ホットドックを食べ終えて、またやる事がなくなった。
 ステージで何か始まったら、人の視線がそっちに向くので、撮影もし易くなるだろうと思うのだが、後20分もある。
 パネル展示をもう一度読み直し、説明ビデオをずっと観続ける。意外と長いな、このビデオ。立って観る長さじゃないぞ。
 ステージイベントが始まる時間が近付くに連れ、何となく人が増えて来た。客層としては、スーツ姿の人から、乳母車を押している主婦っぽい人まで雑多。子連れで来て何が面白いのかと思うが、キッズスペースのようなものも設けられている以上、想定はしているらしい。
 程なく、ステージイベントが始まったので、この隙に撮影して、さっさか会場を後にした。
 何となく「タダ券貰ったので、タダ飯だけ喰いに来ました」という感じに見えたかもなぁ、とは思うけれど、まあ、気にするほどの事もなし。

 その後、運賃を下げる為だけに品川で途中下車し、横浜でアニメイトを覗いてから帰った。
 海老名で買い物して帰ろうと思っていたのだが、雨が結構激しくなっていたので、諦めてそのまま帰った。

<出費>
交通費:1470円(海老名―300―横浜―290―品川―150―浜松町―150―品川―280―横浜―300―海老名)



『準児童ポルノというテロリズム』

 意味が分からない。

 児童ポルノの実写の規制は納得出来る。単純所持を罰するのは冤罪を生むだけの暴論とは思うが、ある程度理解出来る部分はある。

 しかし、実際に被害に遭ってる人間がいない、空想の産物である二次元キャラクタ(3Dとか活字媒体とかあるが、それらひっくるめて便宜上)を、児童ポルノと同列に並べて規制すべきだ、という要求を出来る神経が分からない。
 貴様らの愛する子供とやらに、「子供の裸の絵を想像で描いた」もしくは「それを持っていた」というだけで犯罪者扱いされるような、思春期に、絵心のある人間が、意中のアイドルか同級生の痴態を空想で描たら逮捕されるような国を用意するのが、大人の使命か?
 我らは大人だ。空想と現実の区別は付いている。付かなければ、それは疾病に類するものだ。基準にするラインではない。
 そもそも、二次元キャラクタが子供の「代替物」である等と、本当に思っているのか?
 二次元キャラクタは、創作者達が全身全霊込めて生み出し、理想を追求し、影響され合い、洗練させていった表現の結果として今の形がある。ただの他人の生身の子供に、これら作品に匹敵するような魅力が、同ベクトルで存在すると?

 違うだろう。

 結局、そう言ってヲタク叩きをした方が、金の余ってるバカな年寄りから寄付金が集まり易くなる、そのパフォーマンスだろう。
 対象の価値を一片も理解していない人間が、それを規制しよう等と発言するのは下劣極まりない行為だ。
 反抗される可能性の低い相手を叩くパフォーマンスで金を集める、何の事はない、人命を極端に尊重する日本の調査捕鯨に「攻撃」して見せる環境テロリストと、軍事拠点でも何でもないビルをぶっ壊して支持者を喜ばせるただのテロリストと同じだ。

 そこらに一矢報いる作品を、何とかこさえたいものだ。



『アーバンエステートCM』

 住宅屋のアーバンエステートの宣伝で、「モデルルームはなく、実際の家に案内し、担当者は席を外し、そこに住んでいる人から直接話を聞く事が出来る」と言っている。
 それって、本当に買う側に有利なやり方か?
 まず一つ。
 見学対象になる家の住人は、会社側から謝礼なり何なり利益を受け取っているであろう。さもなければ、わざわざ自分の家を他人に見せる理由がない。万一謝礼がなかったとしても、その後の客の反応を統計して「効果のある」住人の家に見学先が集中するのは当然である。どこでも客が好きなように選べるとしたら、そんなプライバシーが危うい家なんか買いたくない。
 従って、住人はこの家に対して悪口を言う可能性が極端に低く、立ち位置は営業担当者と全然変わらない。
 もう一つ。
 そしてそこで、担当者が席を外す。
 さて。
 その実際に住んでいる人が、誇大広告に当たるような情報が提供したとしたら?
「買う時にこう言ったじゃないか!」
「はあ、お客様同士の間でどのような話をされたかは、こちらは把握出来ませんので……」
 と。
 つまりこれは。
「○○を食べて癌が治ったって言ってたのに!」
「はあそれはあくまでお一人のお客様の体験談であって、当社として薬効をうたっている訳ではありませんので」
 健康食品系等で悪名高い「体験談」と同一の構造だ。
 実際の品質がどうかは知らない。だが、このやり方は人を騙す事がとても簡単である事は確かである。



2008/3/4 『マッシュルーム・ハンター』
 特に言っていなかったが、「少年のうた」というサイト(注:ムスカにスク水を着せたりするサイト)で知った「ゴールデンロア」なるネットゲームを始めている。
 ゲームと言っても、RPG的なキャラを作ったら、後は装備と称号を付け替える以外(ベータ版だから余計機能が少ないが)にやる事はなく、毎日冒険結果が送られて来るという代物で、基本的に放置しか出来ない。しかも、死んだらそのままゲームオーバーで、救済云々はない。
 吉田戦車の『はまり道』で言うところの「ゲームをやりたいんだ、でもやるのが億劫なんだ。だから、ゲームを買ったぞ、でも買わなくても良いから安心だなぁ、というようなゲームはないかなぁ」(うろおぼえ)、を地で行くゲームである。
 で、何をどう楽しむかというと、ウィザードリィのように、色々物語を考えて面白がるというのが基本スタイルである。
 とはいえ、当方、そういうのはゲームとかなくても作れるので、正直始めたもののどーでも良い感じだったのだが。
 この度ヴァージョンアップした際、称号が増えていた。
 その中の一つに、茸探しクエストを何度かクリアすると付く「マッシュルーム・ハンター」というのが。

 マッシュルーム・ハンター、よりによって。
 いやさ、キャラ名に、自作「松茸狩り」のシリーズの登場人物を使っていたのだ。
 んー、あつらえたような称号だわい。
 こういうのは面白いんぁ。
 ……まあ、明日死んでるかも知れないけど。



『ヴォーカロイド新作』

 いつも通り、メールをチェックしていたら、クリプトンからのDMが届いていた。
 む、新しいヴォーカロイド!
 噂に聞く3月発売予定だった何かか!
 よく見ると。
 「伸びやかに歌い上げる、英語女性ソプラノ・シンガー。 Prima」

 ……英語?

 よく見ると、キャラクター・ボーカルシリーズではない様子。
 ああ、初音ミクとは別シリーズの商品か。
 基本システムにヴォーカロイド2は使っているけれど、と。
 だとして、キャラクター・ボーカルシリーズの3作目はどうなってるのかな。
 今の時点で何の情報も出てないところをみると、発売延期したかな。



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