思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2008/5/24 『遠くへ行きたい……って訳でもないんだが 海を眺めてハワイア〜ン』
 今月は飲みに行く機会が何となく多かったり、ジーパンに穴が空いて急遽購入したり、半年一回の通院があったり、母の日があったり、行き付けの古本屋が閉店セールだったのでちるみさんを4冊とおこしやすの2巻を買ったり、と、何だか出費が多かった。
 フリーのゲームばかりやっていたせいでゲームを買う分の金は浮かせているのだが、それにしても若干財布は心許なくなっている。

 で、こういう時にはあまり思い切った遠出が出来ないもの。
 何か近場でないかなぁ、と、お馴染みの横浜イベントカレンダーを確認。ちなみにタイプミスで「かれんだーっ」と打ってしまったのを変換したら、「可憐ダーッ」になった。妹界を牛耳る計算カレンちゃん、何だか、懐かしい名前だな。
 海老名から横浜は往復で600円だし、どこに行くにせよ大抵横浜駅からみなとみらい辺りにまとまっているので、東京に比べて安上がりなのだ。
 さて、どこが良いやら。
 確か氷川丸がリニューアルオープンしたんだよな。
 行っても良いけど、それだけが目的というのはちょっと弱いよなー。
 開港150年祭ってのもヒットするけど、どうも来年の話だな。忘れないようにはしておこう。
 んー、面白そうなもの面白そうなもの――。
 あ?
 シルク博物館で「アロハ・デザイン展」?
 シルク博物館か。
 関内から山下公園へ行く時に、いつも目に付いていたアレだ。
 自分は横浜は瀬谷の生まれなので、何かてぇと親に横浜に連れて行かれる事があったが、あの建物の前もよく通った覚えがある。
 前を通った。
 通り過ぎた。
 30年以上もずっと素通りですよ、奥さん!
 あるもんだよなぁ、そういう場所。当企画に打って付けと言って、これ程打って付けのネタもあるまいて、あるまいと、アルマイトとはッ! アルミニウムの陽極酸化皮膜処理の総称! 弁当箱やヤカンなどに用いられるッ! アルマイトの弁当箱とはつまりドカベン! がんばれがんばれドカベン、がんばれがんばれドカベン、さーんかひーまくーー(ただの駄洒落を、添え物の物量で焦点をずらす事でオヤジギャグ化を防ごうとしてみる実験)。

 アロハシャツが日本発の商品で、何だかんだでデザイン的に面白いというような話はどこかで聞いた気もするし、入場料は700円でまあお手頃だし、行ってみましょー。

 バイトを早退して午後だけで、というのも考えたが、何となく機会がないのとどうせなら有給を使おうという事で、休みを取る事にする。
 そして当日。
 FF11の経験値稼ぎのせいで夜更かしした影響もあり、目覚めは10時頃だったが、まあ許容範囲、出発する。
 先に図書館に行き、駐輪場に自転車を置きっぱなしで駅へ。駐輪場代が惜しいんじゃ! 実際は100円が出せない程ギリギリでもないけどな!
 しかし文字通りの五月晴れだ。半袖で来て正解だな。
 相鉄線に乗り、一路横浜へ。
 横浜からみなとみらい線だと日本大通りというかなり間近な駅に出られるが、こちらの乗るは当然JRで関内。みなとみらい線は細かく停まる代わりに高いんだよなー。JRだと130円の区間が200円。たかが70円とは言え、5割増と考えるとね。

 関内駅から山下公園は、スタジアムまで来たらそのまま大桟橋、つまり海方向へずどんと真っ直ぐ進み、後は右へ道なりに行くだけ。
 「大桟橋」は「大さん橋」と表記されている事があるので注意。尚、常用漢字だか何だか知らんが、熟語の一部を平仮名化するのは、新ぶん社か馬かのやる事なので、良い子は真ねをしないように。別にしん聞社がば鹿だなんて言ってませんよほ? 熟語は熟語だろう、常用でない漢字が含まれるならその熟語を使わなければ良いだけだし、どうしても使わなきゃいけないなら平仮名で表記しろって。大さんなんて言ったら、人を呼んでるみたいにしか見えないじゃないか。
 出来るだけ日影を選び、つらつらと歩く。
 あ、税関あるな。資料館的なものがある筈だ。以前の追加取材の時には写真撮らなかった気がするし、ちょっと撮っておくか。
 入り口を撮影して、中に入る。
「ここは横浜税関資料展示室ではありません」
 へ?
 よく読めば、向かいの建物に移転したとの事。
 道路を渡ってクイーンの塔の横浜税関へ行くと、なるほど横浜税関資料展示室の表示が。
 ここは入場無料。役所のプロパガンダ施設という性質上、金を取られたらかなり文句を言いたくなろうが。
 中に入ると、随分小綺麗で広々としている。
 以前の、建物の中に間に合わせに用意しました、という感じではない。ちゃんと資料館っぽい。
 最初の展示は――覚醒剤の見本色々。こういうのちゃんと見られる機会があると良いよなー。色とか形とか、分からん事多いもんね。
 そりゃ良いのだが、なんでこんなに暗くしてあるんだろう。

 展示は「税関は江戸時代の昔から頑張ってたZE! オレたち最高だZE!」という歴史資料館的な側面と「こんな形で密輸品や違法品は入って来ます、皆さんもこういう違法なものは買わないようにしましょう」という犯罪資料館的側面の二軸ある。
 歴史部分は、昔の制服や何かで、まあ正直どうでも良い。
 犯罪系だよねー。
 特許侵害しているバイクが丸ごと一つ置かれていて、「この辺は特許侵害です」みたいな事が書いてある。分かるけど、ややこしいもんだよなー、機械ってのは。
 他に、バドワイザーの缶を使った大麻密輸の手口。缶を二つに切って中に詰めて貼り合わせる、らしいのだが。
 いつも思うが、この手の貼り合わせって全然継ぎ目が分からないんだけど、そんなに簡単に貼り合わせ出来るもんなのかね。それともよく見ると結構分かる程度なのかなぁ。ナンバープレートの偽造でも、同じようにして数字を切り貼りするそうだけど。
 他にタケノコの缶に覚醒剤を入れて、重さ調整に重石を入れるとかの手口も。サイズが小さくて価格の高いものは、本当、色んな隠し方出来るから面白いよなぁ。大きな彫刻とかだと、やり方も限らせそうだけど。
 著作権侵害のコーナーでは、トトロと猫バスの石像が。展示ケースのガラスに「買ってはいけない」の文字が一杯書かれていて、ちょい気持ち悪い。
 それから、不法投棄について。これは廃棄物が入っているという設定の袋にメッセージが書いてあり、資料ではなくメッセージを伝える作品だった。
 前より広々しているとは言いながら、あくまで比較の問題なので、ぐるりと一回りしておしまい。
 ふむ、なかなか面白かった。

 さて、次はシルク博物館へ。
 えーと。
 あ、見えるわ、ちょっと歩いたらすぐ。
 前にでっかい看板があり、建物の壁には「アロハ・デザイン展」の垂れ幕も。
 入るべし入るべし。
 えーとシルク博物館は2階だな。
 一つ上がって、中二階で、もう一つ上がると――ああ、何か入り口が。
 ……あれ?
 なんか、ちょっと違うな。
 入場料云々とかないし。
 んー?
 ああ、なんだ、テナントの会社だ。
 だとしたら、こっち――は、トイレだな。
 じゃあこっち――も、女子トイレ。
 あれれ?
 建物の見取り図には確かにこの階にシルク博物館があるって書いてあるけど――。
 と、階段の方をふと見ると、もう半分上り階段があってシルク博物館入り口があった。
 なんだ、まだ上だったのか。階段昇るのに同じフロアみたいに描かないでくれないか、ややこしい。

 んでは、と、中に入る。
 通路を少し進んで土産物屋から受け付けへ。
 券売機とかは特になく、受付の人の手売り。700円で入場チケットを買う。
「順路2階からになってますのでー」
 言われるままに、2階へ。
 撮影禁止、とあるので、撮影は出来ない。
 で。
 おお、ガラスケースの中に、大量のアロハシャツが。
 カラフルで、竜とか虎とか城とか何とか、和柄ばっかしだ。
 日本人が着物をバラして作り始めたという話なので、むしろ正当か。
 しかし和柄のものは何となくチンピラファッションに見えて仕方がない。竜とか虎とか描いてあったら、そのまんま漫画のヤクザって感じだ。念のため、アロハには何の落ち度もない、悪いのは暴力団である。3億円事件に使われたからと言って、カローラに落ち度がある訳ではないの道理。
 それから、アロハシャツの出自について、展示資料がいくつか。
 その中に、サトウキビ刈りの装備もあった。
 目を傷つけない為の面なんてのもあるんだねぇ。んで、刈り取る為の鉈もあるな――ふーん、先にものを引っ掛けて引き寄せる用のカギがついてて……ひぐらしのレナの鉈っぽいな。後でネットで探してみたところ、もっと似たものがあった。なんだ、カギ付きの鉈って、案外メジャーなのか。
 色々な展示を眺めつつふと周りを見ると、アロハシャツを着た人が何人かいる。平日昼間にこんなとこに来る人は、やはりアロハ好きという事か。なるほどなっとく。
 ようやく、というか、洋物の柄の展示も出て来た。植物であるとか風景であるとか写真から起こしたものとか様々。パターンもいわゆるただの柄物から、こう、縫い合わせた時にしっかり合うように作ったものまで。写真風のものは、単に機械でプリントした訳ではなく、点描の多色刷りのような形で出来ているのだとか。
 アロハシャツだけではなく、ドレスも飾られていた。
 当初、腰にくびれがあったものが、途端に森久美子型に。もう一つ進んだヤツは、スペオペの女占い師風の袖付き。柄なんかは、アロハシャツと大体近い。
 最後に、有名人デザインのアロハシャツがいくつか。
 なぎら健一、作ってたのか。
 よく考えると、いーかげんなオヤジの一翼という位置づけは、日本におけるアロハの位置づけと近い感じはある。ちなみにもう一翼は高田純次だが、こっちはアロハって感じではないな。悪い意味でふんどしとかペニスキャップとかそんなんだ。無論、褒め言葉である。

 特別展示はこれで終了、常設展示を眺める。
 シルク博物館だけに、絹に関するものが様々。
 機織りの様子とか、糸紡ぎの様子とかのマネキン等を使った展示から、書物、カイコの一生、はたまた、生きたカイコの展示まで。
 実際に布に触り比べられるコーナーもあり、なかなか面白い。ポリエステルやナイロンは流石に触り心地が悪い。
 生きたカイコは、一見動いてないのだが、よーく見ると動いているのが分かって面白い。ペレット状の餌をもくもくもくもくもくもくもくもく食べ続けている。暫し見入った。
 カイコを見ていると、昔、山梨に住んでいた頃、友達の家だかで時期になると二階で養蚕をやっていたのを思い出す。桑畑も多かったので、桑の実をたらふく食ったりとかもした。あれは赤ではまだ熟れてなくて、濃い紫、ぱっと見黒にならないと極端にすっぱい。実は固い種はないけれど、中に茎が一筋通っているから、無闇に全部口に放り込まず、こう、茎の端を持ったままぎゅっと歯でこさげるように食べると良い。小さいぶどうを房ごと喰うイメージつーかね。舌が覿面に紫に染まるので、その後の予定にも注意だ。後、注意点としては、多分農薬付いてる。
 白いカイコは何となく見慣れているのでさほどでもないが、縞の入った海外のカイコは気持ち悪い感じがする。まあ、絹を作らなければ白かろうが黒かろうが気持ちの悪いイモムシなんだろうが。
 見学者の中に、学生服姿の恐らく中学生も何人かいた。近所の学生が学校帰りに遊びに来ている、という事でもなさそうだし、修学旅行かな。修学旅行に横浜に来て、みなとみらい近辺で自由行動、なんてのはありそうな話だし。
 いわゆるパネル展示的なものもあり、絹はアレルギーにもなりにくく、色が染まり易く抜け難く光沢は残る、肌触りも良いし、粉末にして食べる事も出来るし、最高の繊維であるというような宣伝も載っていた。うーむ、どんなもんかね。絹の服なんて持ってないけど、手触りだけで言うと木綿て結構サラッとしてて、TPOによっては絹を超えそうな気がするけど。
 常設展示も終えて、出口付近をふと見ると、ナンバーを付けたアロハシャツが並んでいた。
 販売ではなさそうだし、貸し出ししてた、のかな?

 土産物屋を少し覗いてみる。
 ハンカチやネクタイを買う気はないが、菓子類でもバイト先に――と、思って見るが、お財布事情もあり止めておく。
 でも、シルクパウダーはちょっと興味湧いたな。焼きたてじゃパンとかでも触れてたし。今度機会があったら買ってみるのも良いかも知れない。

 外に出て、1時を大きく回っているので、ともかく食事。
 行き慣れてない場所で店に入るのは敷居が高いし、金も節約したいので、コンビニで何か買って山下公園で食べよう。
 確か、マリンタワーに隣接してコンビニがあった筈。この前は、あそこで買ったんだ。
 歩いている。
 歩いている。
 歩いている。
 んー?
 道沿いに動物の形をしたオブジェが。
 アフリカ開発会議とやらが行われいる影響らしい。
 警備員の人とかもあちこちにいるな、意識して見ると。
 あー、横浜人形の家があるなー、今度行くのも良いかも知れないな。これもずっとスルーしてきたものだし。
 ……って、待て。
 こんなとこまで来た覚えないぞ。
 マリンタワーを見逃した?
 いやぁ、まっさかぁ。あんだけ目立つものを。
 振り返ってみると、白い塀に囲まれたマリンタワーが。

 目一杯見落としていた。

 工事中だったか。
 巻き添えを喰う形でコンビニもなし。
 仕方がないので、海から少し離れた方へ歩いていると、ファミリーマートが見つかったので、プレミアムモルツの黒と、おにぎりを――。
 うわぁい、おにぎりの棚がガラガラだぁ。
 辛うじて残っているのは3つ。ピザポテト風おむすびが1つと、コンソメパンチ風おむすびが2つ。
 ……こんな商品出てたのか。ポテトチップステイストか。
 物珍しさで買う事もあるかも知れないが、この商品だけが最後の一葉状態になっているという事実からしても、あんまり成功してなさそうだな。まあ、ポテチを砕いて細かく切ったチーズと一緒に卵でとじるタイプのオムレツは、そこそこうまいが。
 昼は、小腹落ち着けるだけで一応保つので、1つづつ買う事にする。全部合わせて505円也。ビールがちょい高い。
 それから山下公園へGO。
 氷川丸の見える海に面したベンチが適当なんだけど――誰かしら座ってて空いてないなー、と思っていたら、人が移動していい具合に空いたので座る。
 海を眺めてビールを開ける。
 うおう、泡がいっぱい出た。
 想定内想定内。
 ぐっと飲む。焦げた麦の香り。青い空と青い海、吹き抜ける風、んー、ビールの季節だなぁ。
 ……年中ビールだけどもな。他の飲むと、記憶がなくなるとか、二日酔いとか、嫌な感じに酔う事が多くてさ。
 それから、問題のおにぎりを。
 ピザポテト風から。
 ちょっと高いおにぎりにありがちな、袋を縦に切るタイプのパッケージ。しかし、このタイプは開けづらい。半分ぐらいしか切れなくて、落とさないように、手を汚さないように開けようとすると、狭い隙間をおにぎりを通す事になって、大体崩れてしまう。手巻きおにぎりみたいに、こう、ガバッと真っ二つになるようなシステムにはならないもんかね。それとも、自分が正しい開け方をしていないんだろうか。
 まずは一口。
 細かいチーズが入ってるのか。ピザのイメージだけに油は強め。再現度はどうなんだろう。問題は、ピザポテトという商品そのものを喰った記憶がない、という事だ(元も子もない)。まあ、まずくはない。
 基準言っておくと、明太子とか、鮭とか、ツナマヨとかは「うまい」ね。いくらとか筋子は「うまい+1」。わかめご飯とか鶏五目は「まずくはない」かな。おにぎり離れると、サーモンの握りが「うまい+3」、平録のホッキサラダの軍艦が「うまい+3」。天然の鰻丼が「超うまい」。圧力などをかけて適切に炊かれた飯が「超うまい+5」。松屋のメニューで言うと、一番のお気に入りであるところのビビン丼が「うまい+2」に量的なランクで「満足」。東秀の場合、炒飯が「うまい+2」「物足りない+7」、この場合のプラス補正はあくまでプラスであって、物足りない度合いが高いという意味ではない。よく言及するリオのポークカレーの場合「うまい+3」「満足」。カレーによる比較をするなら、松屋のカレーは「あんまりうまくない+7」「物足りない+6」、すき家のカレーで「あんまりうまくない+8」「物足りない+8」、ボンカレーで「うまい」「満足+1」、自分がカレー粉から作るカレーは「うまい+5」「大満足」、カレールーを使う場合「うまい」「大満足」。キャンプのカレーは「うまい」「物足りない+3」。甘い物で言うと、筆頭がとらやの羊羹で「うまい+7」、コージコーナーのチーズケーキは「うまい+3」、シュークリームは「うまい+2」、クランキーチョコは「うまい」、コカコーラは「まずくはない+7」、ペプシツイストは「うまい」、ウイスキーのペプシツイスト割りは「うまい+1」「満足」属性付き――って脱線し過ぎだ。 
 食べ進めてると、頭のすぐ上の辺りで羽音が。
 「うおん」ではなく羽根の音だ。
 カモメやら海猫やら知らん鳥類が、すぃっと飛んで行った。

 ……狙われてる?

 多少ガードを固めつつ食べる。
 次は、コンソメパンチ風おにぎり。
 ふむ。
 より油が強いような。油気が多いせいで、米がまとまらずにボロボロとくずれやすい。
 まあ、まずくはない。
 が、コンソメパンチの風味には乏しい。
 鼻があまり利かないせいもあるかも知れない。

 食べおわってから、氷川丸の方へと歩く。
 いい加減疲れたし、財布事情もあるし、氷川丸は見たものか見ないものか、見学料が高かったら止めようかなー、等と考え、桟橋からタラップで氷川丸に入り、入場券の販売機の前へ。
 入場200円。

 安。

 見ておこう。
 券を買って中に入る。
 受付のお姉さんに券を渡し、パンフを貰う。
 入り口からすぐ入ったところで、30分ぐらいあるビデオを上映していたが、見る気はないのでさっさと先へ進む。
 氷川丸は改装前に来た事があるが、正直あまり覚えてないんだよなー。
 狭い通路を進む。
 客船なので、船室はつまり客室で、ナンバーがついた部屋が両脇にずらりと並んでいる。たまに中を見られる部屋があるという程度。
 氷川丸は豪華客船の部類だったようだが、やはり船は船で、部屋は広くない。ビジネスホテルレベル、三等だと二段ベッドのユースホステル造り。もっとも、当時の日本人の身体は小さかったので、広さ1割増ぐらいで考えた方が良いかも知れないのだが。
 客室の並ぶ通路を真っ直ぐ進み一等食堂に入る。テーブルの上に食事の模型があって、手が込んでいる。天井は磨りガラス張りで明かりも入り、広々とした印象だ。あの狭い客室を考えると、こういうスペースは単なる娯楽というだけでもないのだろう。
 高級感はあるのだが、床が微妙に傾いている。真ん中が高く、端が低い造り。なんだ、平らに出来なかったのか? と思ったが、よくよく考えると万一の浸水や床を洗う事などを考えて水はけの良い山型にしたのかも知れない。
 螺旋階段で上に上がり、特別室を見る。風呂が付いているが、船上で風呂って勝手に使って良いもんなのだろうか。ある程度の制限があったのか、それとも、金持ちは正義だったのか、或いは海水から真水を作るシステムがさほど負荷なく使えたのか。
 次に、甲板に出てから、船長室や操舵室へ行く。他の客も結構いるが、平日だけに年寄りが多い、かな。「懐かしいなぁ」的な会話が時折聞こえて興味深い。
 船長室は、操舵室の真下。『すいーとるーむ?』という、職場に住み着くOLの4コマがあったが、船の人は基本そんななんだな。職場に缶詰、逃げられないと思うと、人間関係とか辛そうだなー。カラッとした船乗り気質とかは、ひょっとしてこういう状況で問題を持ち越さない為に編み出された処世術かも知れん。
 ずいと昇って操舵室へ。
 おー、ここまで来るとビルのよーに高い。高所恐怖症の人は本当、船で働けないよな。
 操舵室は、舵輪や伝声管のような、アナログっぽいものもあるが、隔壁を操作する装置や、移動速度を差っ引いて風速を出す計器や、レーダー等、電気的な装備もかなりある。
 どうも戦前は全部手作業のイメージを持ってしまいがちだが、氷川丸が竣工したのが1930年、一般相対性理論だって発表された後。そりゃ、電気装備ぐらいあるわな。

 上は大体見たので、次は下の機関室へ。
 ずらりと並ぶディーゼルエンジン動力。
 迫力だねぇ。
 この辺りは前に見たような覚えもあるが。
 階段を3層ぐらい降りていくと、機械類を見上げる形になる。
 この感じは、何だか潜水艦ものの映画っぽい。
 ラストでこういうとこで撃ち合いとかするような。
 一番底に来ると、水面を意味する部分が色分けされている。つまり、穴がこの境界線より上に空いた場合は、一応どうにかなりますが、下になら問答無用で水が入り込んで沈みますよ、と。
 でも、その線から更に4メートルも下が底だというから、水に浮くってのは本当一苦労なんだなぁ。
 機関室も見終わって、出口付近の展示室で氷川丸の歴史とか、乗った人の思い出を読む。
 戦時中は、病院船としても使ってたんだなぁ、うんうん。武器の輸送を命じられたけど、拒否したか、うんうん(後になって調べてみたところ、燃料とかは運んでいたらしい)。生の声というのは、やっぱり感慨深いねぇ。
 見るものはすっかり見たので、これで外に出た。
 氷川丸は、まあ、山下公園のシンボルだよなー。こういうのは、残しといた方が良い感じするわな。

 何だかんだで歩きづめ、大分疲れたので、真っ直ぐ中華街を抜けて石川町から帰った。

<出費>
交通費:880円(海老名―300―横浜―130―関内 石川町―150―横浜―300―海老名)
食費:505円(プレミアムモルツ黒 249円、ピザポテト風おむすび 128円、コンソメパンチ風おむすび 128円)
シルク博物館入場料:700円
氷川丸入館料:200円
計:2,285円



2008/5/14 『ようやく一区切り』
 ディアボロの大冒険は0.12にヴァージョンアップした後に、一巡後の世界に突入、100階まで到達。ヒロヒコの色紙も手に入れた。
 敵は相当強くなって、ちょっと危険と思う局面もあったりしたが、がっちり装備やアイテムを持っていたので大体想定内で進められた。厄介だったのは、究極生物カーズで、壁に潜って来られると攻撃手段が極端に減ってしまう。発動で壁もろとも破壊出来るクリームのディスクか、時間制限なしで動きを封じてしまうクラフトワークが潤沢に必要だな。
 で、この行程でホルマジオの瓶2本分に敵を吸い込ませておいた。
 つまり、レクイエムの迷宮の素潜り用として。

 レクイエムの迷宮は、持ち込みなしでクリアするとちょっとした特典が付くのだが、当然難しい。
 しかし、ホテル(開始地点)で、アイテムやレベルアップでディアボロ本人をドーピングした分は、持ち込めるのだ。
 非常用のランドセル(固定ダメージを当てられる)やときのがくぼうを用意し、それなりに慎重に瓶から敵を出しては倒し出しては倒しで、倒しも倒したり20体。レベルは40。
 適正な探索レベルは階+2ぐらいというから、30階のレクイエムの迷宮なら楽勝の筈。
 で、潜ってみると。
 始めのうちは楽々進んでいたのだが、意外と喰らうダメージが大きい。ディスクの引きも極端に良いという訳でもなく、アレッシーにレベルを下げられたり、アブドゥルさんの消し炭攻撃に怯えたりしつつ、どうにか30階に到達した。ダイバーダウン(壁に隣接している相手に攻撃出来る)を攻撃に装備し、サンドマンのディスク(速さ2倍)も幾らか残せた。
 ボスのレクイエムジョルノに勝てるかいな、と思いつつ対決。
 丁度良い具合に、壁越しになり、一方的にハメ殺す事に成功した。ダイバーダウン、サンドマンと合わせると極端に強いんだな……話には聞いていたが。
 さて、持ち込み無しでクリアがハイスコアにも載り、新たにディアボロの大冒険を起動してみると――おお、最初の画面に現れる石仮面が、赤石付きに!
 これで、本編はやることやったなー。

 本編は。
 このゲームのシステムを使ったパズルであるところの「魔少年の問題」が、0.12では追加されているのだ。
 トルネコでもシレンでもあったようなヤツ。
 デフォルトの問題を解き、配布サイト経由で他プレイヤーの作った問題を一つ二つ解いてみた後、自分でも作ってみる。
 んー、詰め将棋のような感じで、なかなか面白い。
 面白いが。
 原作の状況を再現しようとすると、原作を読み直してみたくなってくる。
 ネットで問題のやり取りが活発な時期だったら、アマゾン辺りで即買いしているところだなぁ。
 流行も終わった時期なので、あんまりやる人もいなさそうだが、気が向いたらアップしよう。



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