思い立ったが随筆
日々思う由無事を書き連ねています。
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2020/10/31『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第138回 パンだ、だ、ぱ、や!:ベーカリーベル発寒中央駅店
ある日の会社帰り道、雨が降り出した。
自転車通勤だと、こういう時厄介だ。4、50分かかる距離なので、いつもは雨の予報があると乗らないのだが、今日は帰り道という事もありあまり気にしていなかった。
家までもつかと思ったが、結構雨足が強い。
学生の頃なら濡れて帰ったものだが、もういい大人なので、公共交通機関に切り替える事にしよう。
何だかんだで札幌、都会の都合の良さで、ほらあんなところにJRの駅が。
自転車は駅の無料駐輪場に停めて、明日取りに来る事にしよう。明日休みで良かった。まあ、明日休みだからこそ、ちょっと無理して自転車を持って帰ろうとしたところもある。鶏が先か卵が先か――まあ、それは遺伝子的に考えれば卵が先で結論するけれども。ああ、生きている鶏の卵細胞を作る部位が癌化して、作られる卵細胞が確定的に変異した代物になる状況であるならば、鶏が先と言えるかも知れないけれど。
避難したJR発寒中央駅は、島形ホームの駅で、改札が上に集約されている。昔は両方の入り口に付いていそうな構造だけど、どうなんだろ。
階段を上がると、改札と……あ、ベーカリーベルがある。
ベーカリーベルは、JR北海道の札幌周辺の駅で見かけるパン屋である。新琴似駅と桑園駅と西区の本店は認識している。ネットで調べても、公式からの情報は、2018年のフェイスブックの投稿が最後っぽいので、現在の全容は不明。
そうか、この駅にもあるような情報を見かけたと思ったが、こんな風に入ってたのか。駅の横を素通りするだけでは気付かない訳だ。
ベーカリーベルの「イノセント」はお気に入りのパンである。一見パサパサしていて、焼いてる最中に腰砕けしたような形をしている、「よく噛んでたらおいしくなるかも」みたいな代物なのだが、その実、クルミとクランベリーとクリームチーズがたっぷり練り込まれていて、どこを齧ってもクリームチーズに当たる。しっとりとして甘味と酸味と旨味が良く釣り合い、おいしい。特に、クリームチーズ部分が、余計な甘味付けをしていないから、きちんとクリームチーズを食べている感じがして、緩急がある。
今日はもう閉店しているので、明日自転車回収ついでに寄ろうかしらん。
翌日。
当企画のネタにすべく、素通りしかしていなかったほっともっとに入ろうとしたら、いつの間にか別のワインの並ぶパン屋みたいなのになっていたり、床屋に行こうとしたけれど先客が多くて三密回避で行けなかったりした後、JR琴似駅に向かった。
JR琴似駅の来慣れた改札を抜け、エスカレーターを上ると高架の島形ホームが広がっている。ホームは全体が壁で防護され、外気は線路の通る前後からのみであるが、そこから吹き抜ける風は既に冷たい。
10月ともなると札幌は冬の気配が見え隠れして来る。紅葉と初雪が交差しつつ冬へ切り替わっていく。初雪の上に落ちる色づいたポプラの葉は、札幌の街でしばしば見かける光景である。
琴似は、函館本線の中で小樽と札幌の路線の途上に存在する。地下鉄駅については、かつては地下鉄東西線の西の終着であった事から、バスへの乗り継ぎ駅として栄え、今も北海道でも有数の繁華街としての賑わいを見せる。
また、最初に屯田兵が置かれた拠点であり、区役所の近隣の資料館には、屯田兵や開拓に関わる資料の展示がある。また、地下鉄駅の側には史跡の「屯田兵舎」が保存されており、彼らの生活を伺い知る事ができる。
列車は小樽方面に向けて走る。
左右住宅地であるが、左手にはすぐ先に山が見える。
北海道は広大な平地が存在するイメージが強く、それは決して間違いではないが、札幌においては山は身近である。
札幌の中心部、大通やすすきのから、ほんの数キロ進めば藻岩山に辿り着く。
山と一続きであり、雪という気象現象に大きく左右される、札幌という街が単なる都会という括りで語られない理由と言えよう。
列車は札幌酒精の工場を右手に見ながら走る。
札幌酒精は、焼酎を主なラインナップとする札幌に根ざした酒造メーカーである。サッポロビールとは関係がない。北海道大学においては、「飲める消毒」サッポロソフトで有名である。
サッポロソフトに対する北大生の思い入れは強く、新入生歓迎コンパ等、応援団が絡む何かがあると、大概出て来て皆をうんざりさせる。あれから二十余年の月日が過ぎ、未成年の飲酒について思い出したようにマスコミがタブー視し、成人にあっても意に沿わぬ酒の勧めはアルハラであると叫ばれ、コロナ禍におけるクラスター発生の元凶のうち、おっぱいでない方として扱われ、今や風前の灯火であるのか、それとも家で飲むから売れてはいるのか、そもそも、サッポロソフトを出す店なんか北大周辺の1500円で宴会出来る店ぐらいしかないんじゃないかとか、色々ひっくるめて、やっぱり思い入れが強い酒である。
受験の時、学生が作っている大学の案内の文面でよく言及されていたので、興味本位でセイコーマートで買ってみたが、消毒の臭いがして「これは酒と呼ぶべきではないのでは?」と思ったのは昔の話。もちろん、臭いだけで、父のおみやげにした。当時は、お使い物ならば未成年がお酒を買うことも許されていたのである(この文にはフィクションが含まれています)。
列車は発寒中央駅に到着した。
エコノミークラス症候群が危惧されたが、大丈夫だった。自転車通勤で多少身体を動かしている事と、乗車時間2分だった事に由来するのであろう。
階段を上り改札前のベーカリーベルに入る。
床面積が割と広く、窓があって明るい。反面、商品が少なく、テーブルの上に平で置かれている。
ややバザー感。
ええと……ああ、あった、イノセント。
ちょっと形が違うな。
桑園と新琴似もちょっと違ったし、店によって微妙な差があるのかしらん。それとも、日による出来映えの差かしらん。
その他、チーズ入りのパンと、食パンのラスクを買って帰った。
さて、皿に盛って紅茶を添えて、いただきます。
イノセントが……ん。
なんかパンが柔らかい。見た目もそうだったけど……クリームチーズの量もなんだか物足りない。
はて?
何だか別商品みたいだ。
理由は分からないが、一番おいしいと思ったイノセントは、今のところ新琴似駅だな。
尚、イノセントはショコラや芋のヴァージョンもあるが、オリジナルのクランベリーのものが一番バランスが取れている。酸味がね、足らんのですよ。
<出費>
食費 400円(内訳失念、イノセントは200円ぐらい)
交通費 200円(JR琴似―200―発寒中央)
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