思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2009/5/27 『転居しました』
 旅エッセイでもちょっと触れたけれど、文筆でイマイチ喰えないので、メインジョブの文筆業はそのままに、サポの方を非常勤から正社員にジョブチェンジして札幌に来た。別に札幌に支店がある会社、という訳ではなく、言うなれば転職。札幌を選んだのは、大学時代に住んでた街で、それなりに愛着があったから。こんないい加減な理由で出来る転居なんて、今を置いて他になかろう、と。
 ので、皆様、札幌にお立ち寄りの際はお気軽に声をかけて下さい。
 仕事が年中無休の施設のシフト制なので、休みに合わせて会う、みたいな事は出来ないだろうけど。

 ↓な訳で部屋代は大変安いけれど、給料自体が安い事もあり、差し当たりは緊縮財政という事で家計簿を細かく付けている。
 そんな訳で、もやし、納豆、卵の食卓に上がる日の多い事多い事。納豆4パックで78円とか言われると、流石に他を買えなくなる。何が違うんだろう。遺伝子組み替え大豆とか?



2009/5/15 『思えば遠くへ……来たのかなぁ』第1回 霊感ゼロから始める心霊スポット
 唐突ですが、タイトルを変更します。
 第二章みたいな扱いですな。
 まあ、前のタイトルの方が良ければ、それはそれ。

 ルールは何も変わらないです。
 5000円ぐらい、月イチ、初めての場所。
 んでは、ひゃいごー!

 私の大変親しい人間が、この度、金に目が眩み、
「事故物件」
 を借りたのだとか。

 事故物件というのは、水没したり、地震でヒビが入ったり、福知山線が突っ込んで来たり、部屋の中で死者が出たりして、借り手的にはかなり御免被りたい不動産物件の事である。
 考えようによっては、今まで行った事があるかも知れないが、それはそれ、知らぬが仏というヤツ(なんか上手いことを言ったっぽいが、さほどでもない)。
 で、今回は自殺のあった物件だそう。
 当人の許可の元、早速現地に向かった。
 場所は札幌市。詳細は敢えてぼかしておく琴似する。

 羽田からスカイマークの飛行機で一路、新千歳空港へ。
 行きがけに間に合わせで買ったおにぎりパック(2個入り)を食べる。
 ちょっとベータ化してないか、この米。まあ喰えるから違うのかも知れないけど。
 そこから、最寄りのJR駅で降り、彼と関わりのある不動産屋からカギを借り、問題の建物へ。
 ふむ。
 一階には居酒屋が入っており、一見したところ何の変哲もないマンションだ。
 築二〇年程経っているらしいが、まだまだ現役という感じ。
 では、中に入ってみる。
 件の部屋のポストには、びっしりチラシや郵便物が詰まっている。
 借り主の許可もあるので、これは回収して部屋に持って行く事にしておく。
 相当前から部屋は空いているらしく、古いカビたチラシも見受けられる。
 建物の入り口の自動ドアはオートロック。
 カギで開けるか、数字入力のインターホンで住人を呼び出す方式。
 かつて、バイトの最中、ホテル式の玄関ドアが自動で閉まるタイプと間違えた事があったっけなぁ。
 別な機能のものを同じ名前で呼ぶのはしかし、間違いの元だと思うけどなぁ。

 自動ドアの内側に入ると、右手にエレベータが。
 微妙に古さを感じるエレベーターに乗り込み、件の部屋のある階へ。

 到着ー。

 エレベーターから出て、すぐの部屋だ。
 ちなみに、隣の部屋は空き室。
 当時の遺体の状況が偲ばれるが、あまり深く考えない事にしておこう。
 では、カギを開け、部屋に入る。

 こざっぱりしている。

 あちこちに「清掃済み」の紙が置かれている。
 何となく、鎮魂のお札に見えるのは気のせいだろうか。
 床は張り替えたらしく、大変綺麗。
 フローリングだが、クッション素材らしく、ちょっと柔らかめ。
 壁紙も貼り替えたようで、かなり綺麗。

 と、その前に、ご挨拶に線香を焚いておく。
 線香は霊のご飯だった筈なので、お近づきの印に食事を振る舞うイメージで。
 霊の類を真っ向から信じ込むタイプではないけれど、霊の存在を意識する精神の反応については、心理学的に学んでいるので(注:行動科学科卒)。つまり、キツネ憑きはカウンセリングよりも、お祓いをした方が解決し易い、という理屈。
 しかし、線香を焚いてみたけれど、それらしい気配のようなものは別にない。
 借り主によると、流石に嫌なので細かいことは聞いていないそうなので、どこでどのような様子であったか、等も分からない。

 それじゃ、ただの綺麗な物件じゃん!

 しかも、事故物件という事で、家賃はずっと格安らしい。
 1LDK、風呂トイレ別キッチンありで管理費込みで20,000円って、北海道でも安いよなぁ?
 自分が大学時代でも、水道代、NHK受信料コミではあるものの、六畳一間の貸間(申し訳程度の流し台あり、トイレ、洗濯機共同、風呂なし)が20,000円だったし。

 押し入れの中も、ちょっと染みはあるけれど、あまり関係のあるものではない様子。
 アコーディオンカーテンのレールが割と頑丈そうだが、恐らく「それ」に使われたら、その時点で全取っ替え(少なくとも塗り替え)をしていると思うので、何か別のところなのだろう。
 トイレも小綺麗だし、風呂場もまあ小綺麗。窓とかないから閉塞感はあるけれど、これは一軒家住人の感覚に過ぎなかろう。
 キッチンはシステムキッチンというヤツで、一口のコンロと流し台が一体化している。大学時代よりは広々している筈なのだけれど、何となく狭苦しい印象があるのは何でだろうなぁ。
 ヒーターはガスヒーターが付いている。この辺は北海道だから当たり前になる感じだろう。当然、窓は二重になっている。キッチンの脇の窓は磨りガラスだったが、ベランダに面したサッシはスケスケで、向かいの建物から丸見えなので、近いうちにカーテンを買う様子。雨戸ないんだなー……まあ確かに雨戸閉めて雪で凍ったら悲惨かも知れない。

 つまらんなー、と思いつつ、郵便受けから回収した郵便物を処理する。
 ダイレクトメールばっかりだなー、と、思っていると。

 親展の葉書発見ー。
 免許書の更新とか何とか。

 うわぁ……。

 名前と、大体の時期も分かっちゃった……。

 線香も燃え尽き、件の葉書を郵便局に戻してから、ぼちぼち取材は終了した。
 今現在、換気扇がうるさいとか色々あるようだけれど、まあ何しろ広いし快適であると、借り主であり私の最も親しい人間であるところの……ごんぱちが申しておりました。


<出費>
交通費:14,750円(スカイマーク 海老名―300―横浜―470―羽田空港―12,800―新千歳空港―1,180―琴似)
昼食:600円 (おにぎり2個入り 300円×2パック)



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