思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2009/12/30 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第8回 はるばる来たぜ苫小牧
 丸一日休める日というのは案外少なく、結局30日になってしまった。
 まあ、何日であろうが、どこかに行けば良いのだ。
 良いのだ、が。
 12月の30日となると、仕事納めのその後。
 博物館とか資料館とかそういう入場料を取って人を入れるようなところは、大抵が今年の営業を終了している。
 こういう時は、土地そのものに行くのが一番。
 でも、地下鉄駅はどこに行ってもそれ程目新しくもないし、函館本線となると遠出をすると金がかなりかかるし。
 等と思いつつ、ぐーぐるまっぷをグリグリ動かしていたところ、ふと、苫小牧が目に留まった。
 苫小牧か。
 フェリーが出ている港町だ。
 自分が横浜生まれだから、というのが影響しているかどうかは分からないが、海は好きな方だ。小樽は何度か行った事があるけど、苫小牧は通過した事があるだけだった。
 よーし、行こう行こう。

 そして当日。
 準備を整えて家を出た。
 行きついでに、図書館の本を返そう。
 まずは図書館のある区民センターへ……あれ、休みか。
 無駄足、残念。
 つらつら歩いて、琴似駅へ到着。
 丁度来ていた快速エアポートに乗り込む。
 いつもは新千歳空港まで行くが、今回は千歳で乗り換え。そのまま太平洋側へ抜ける。
 千歳駅に到着して、下車する。
 ここで乗り換え待ちだな。
 今10時半えーと、次の列車は……。
 
 11時35分。

 少なっ、本数少なっ!

 丁度、前の列車が行った直後だったようだ。
 改札から出てどこかで時間を潰すには時間が少ないし、そもそも運賃が余分にかかってしまう。
 仕方がないので、駅の中で待つ事にした。
 どこかの椅子に座って……。
 ええっ、待合いの椅子、改札の外とホームにしかない。
 むぅ。
 結局、1時間壁に寄り掛かって過ごした。

 そして、やって来た列車に乗り込み、12時前に苫小牧駅に到着。
 じゃ、港まで行こう。
 歩いて行けるかな。
 案内図で大まかな方向を確認して、出発。
 南へ行けば海だし、そこから東へ行けばフェリー乗り場だから、まあ迷う要素はあまりない。
 進めや進め。
 進め……。
 うぉう!
 路面滑る、すっごい滑る!
 歩道の雪が溶けてツルツルの氷になっている。
 一番タチの悪い状態だな。
 全体が氷だとまだ歩きやすいのだが、一部道路が露出しているから余計に歩き難い。
 ああ、しかし、雪が結構強いな。
 風もあるせいか、かなり寒い。
 その割には、路面の雪は少ない。
 ロードヒーティングかと思ったが、全体的に雪が少ないので、降雪量そのものが少なく、溶けてもいるのだろう。海辺の気候って事か。
 歩くうちに、中心街から離れて建物がまばらになって来る。
 雪は止まず、寒さは続く。
 いや、これはかなわんな。
 セブンイレブンがあったので、店内で少し休んでから、再び出発。
 ぼちぼち海かな。
 南へずいと進むと、道を一つくぐった先に。

 おお、漁港だ。

 漁船がびっしり係留された漁港に辿り着いた。
 ひとけはさっぱりない。
 漁も、積み卸しもすっかり終わっている状態だ。
 既に初漁に向けた準備を完了しているのか、大漁旗が掲げられている。
 きちんと大漁旗が使われている光景は、初めて見たような気がする。

 港から通りに戻ると、観光客相手の市場でものが売られていた。
 ちらと覗いてみたが、スーパーと変わらないぐらいの値段だった。
 年末って、普通の野菜まで高くなってんだよなー。安くなってたら、ちょっと買いたい気もなくはなかったのに。
 更に進む。
 目的地としては、フェリーのターミナルなのだが、はて。
 もうぼちぼち着いても良いように思うのだけれど。
 倉庫街になってしまった。
 ひとまず道なりに歩いていると。

 おおっ。
 倉庫の陰からさんふらわぁが見えた。
 あれだあれだ、方向間違ってなかった。
 ホッとしつつ、倉庫街から海沿いの国道だか道道だかを進む。
 そのうちに、フェリーターミナルの案内表示が見えた。
 見えた。
 ……残り2キロ。
 うわぁ……結構あるな。
 でもまあ、間違ってないだけでも御の字だ。
 進むべし、進むべし。
 歩く、歩く、歩く。
 身体はかなり冷えて来た。
 それはまあ良いのだけれど、何となく頭がぼんやりして来た。
 凍死の前触れ、てな事もなかろうけれど、寒さで血圧が上がったりしてるとかかしらん。

 歩きながらふと考える。
 フェリーターミナルに着いて、そこからの帰りの足はどうしようか。
 同じ距離をまた歩いて帰るのは真っ平だ。
 バスで帰ろうと漠然と考えていたのだが……見かけたバス停に書かれていた時刻表には、数字が3つしか入ってなかったし。

 こんな時期だ、誰もいないがらんとしたターミナルで、バスも来ずに立ち往生なんて事は。
 いやいや、考え過ぎだ。
 タクシーぐらいは来てるだろう。
 来てなくても、電話で呼ぶぐらい出来るだろう。
 そうとも。
 ここで半端に引き返そうとか思う方が、ドツボにはまる。
 進んだ方が吉。
 ジョセフ・ジョースターの教えってヤツだ。
 ようやく、「ここを曲がればフェリーターミナルだぜ」の看板が見えて来た。
 曲がっても全然ターミナルの姿が見えないが、気にせず進む。
 歩いて歩くうちに、吹雪の中にうっすらとフェリーターミナルの文字が見えて来た。

 やった、ラピュタは本当にあったんだ!

 ……ラピュタ違う。
 ようやくターミナルに到着した。
 思ったより客がいるな。
 タクシーは客待ちしているし、バス停には今正にバスが停まっている。
 え、ちょっ。
 バスの乗り場に行って発車時間を確認する。
 うわ、もう出発時刻だ。
 苫小牧駅経由の、札幌駅行き。乗れば一発で帰れるが――。
 ターミナルの中を全然見ずに帰る訳には行かない。
 そして、トイレにも行きたい(こっち重要)。
 結局バスを見すごして、ターミナルの中に入った。
 何だかんだで、吹雪の中を2時間も彷徨っていた訳だ。

 1階がロビーで地下が各船会社のチケット売り場、2階が搭乗口や土産物屋やレストラン。
 規模は小さいけれど、空港と似たような感じだ……つか、空港が船の港を真似たんだろうけど。
 東京湾フェリーのように、ちょっと乗れるような航路はないようだ。
 二階に上がって、レストランをちらりと見る。
 丼物がセット仕立てで1400円するような店なので、当然入る気にはならず。
 待合い椅子の前にはモニタが置かれ、何かの映画が流れていた。
 船の本数が少ないから、かなり長めに時間を潰させる必要があるのかも知れない。

 全体をざっくり見終わったので、帰る事にする。
 14時のバスはさっき行ってしまったから……次のバスが17時……。
 流石にそこまでは待てない。
 他のバスがさっぱりないし、無料送迎バスのような気の利いた物もないし、また歩くのも辛いしで、観念して苫小牧駅までタクシーを使う事にした。
 運転手さんの話によると、何やら今年は船を使う人が増えているようだ、との事。一家で移動するには経済的かも知れない。でも、食事代だの時間だの疲労だの何だの勘案すると圧倒的に安いという訳でもないと思うけれど。
 タクシー代は、初乗り480円で結局1300円まで上がった。

 今、14時20分。
 列車の出発は――14時48分。
 また、長いな……そうだ。
 行きがけに見かけたが、長距離バスが14:30出発の筈。
 あれに乗ろう。
 急ぎ足で乗り場に行き、ギリギリで乗り込む事に成功。
 これでぼんやりしていれば札幌駅に到着だ。
 結局、食事をするタイミングがなかったなぁ。

 道路も氷だらけだった事もあり、バスが札幌駅に到着したのは16時20分頃だった。
 駅すぱーとで見ると、1時間30分ぐらいで着く計算なんだけどもね。これだと、1時間ちょいで着く鉄道の方が早かった。
 更に、よく考えてみると、バス運賃1270円の、札幌から琴似までJRで200円。JR一本だと1410円だ。
 運賃まで無駄払いしてるよ……。
 何となく色々な事が裏目に出た感じだが、実際に計算してみるとタクシー代とあとちょっぴりが余分だったのと、帰り時間が30分かそこら遅くなった程度か。それぐらい大丈夫大丈夫。
 何しろ、苫小牧港の場末感と、そこへ至る道はなかなか趣はあった。軽く命の危機は憶えたけれど。

<出費>
交通費:4180円(琴似―1410―苫小牧  フェリーターミナル―1300―苫小牧―1270―札幌―200―琴似)



2009/12/10 『うーむ、駄目か』
 ケアマネ試験の結果発表日。
 北海道社会福祉協議会のページで確認してみたが、自分の番号ナシ。
 自己採点してみたが、60問中の40問正解。介護支援分野が後3問合っていれば合格ライン。
 しばらく使わなかったせいで、死ぬほど錆び付いてやがんなぁ、テスト力。
 来年にご期待、か。
 うーむ。



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