思い立ったが随筆


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2010/2/26 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第10回 卿の料理、番外編:千歳鶴 酒ミュージアム
 当方、別連載の「卿の料理」で、料理を曝している訳だが、この料理によく使われているのが日本酒である。
 で、何を使っているかというと、千歳鶴の純米酒(720l 1200円ぐらい)である。
 理由は非常に単純で、千歳鶴は札幌の地酒で、地産地消が良いなぁ、と思ったのが一つ。
 料理に使うので、高級品とまでは行かなくとも余分な添加物はない本物が良い、と思って純米を選んだのがもう一つ。
 実際に使った感じ、特に不満はない。
 不自然な味や香りがないのだから、充分及第点と言えよう。

 繰り返すが、千歳鶴は札幌の地酒である。
 当然、札幌に会社がある。
 そーして、販促の為の資料館のような場所が併設されている――らしい。
 そいつが、「千歳鶴 酒ミュージアム」である。
 存在は常々気になっていたが、今回思い切って行ってみる事に決定。
 酒の試飲とか出来るらしい。
 場所は、札幌大通りから少し離れたぐらいの場所。最寄り駅は、地下鉄「バスセンター前」駅。
 目星付けて、出発当日。

 10時過ぎに目が覚める。

 ……遅い。
 前日夜勤明けで、3時間ぐらいしか寝ていない状態で9時ぐらいから居酒屋で酒をかっくらって寝たからだろうか(それ以外の何だと)。
 せっかくの休みなので、他の用事も済ませようと考えている。
 何しろ、翌日から転勤で今までと別の職場なのだ。
 まず、床屋に行って身なりを整え、職場までの通勤時間を足で測って、久し振りに泳ぎに行って身体をほぐして、と。
 ――既に15時をまわっておりますが。
 気にしない気にしない! 確か、18時まで営業って、ウェブサイトに書いてあったさ!
 地下鉄に揺られて、バスセンター前駅へ。
 それから、徒歩でブロックを一つ、二つ進むと、日本建築を形だけ真似た建物が見えて来た。
 これだな、千歳鶴酒ミュージアム。
 千歳鶴のロゴが見えるから、すぐに見つかるな。

 それなりに敷居が高いけれど、こういう時は気にせず入るべし、入るべし!

 中に入ると、ワンフロアにパネル展示と資料展示と試飲カウンターと土産物売り場が入っている。
 何となく予感があったが、ミュージアムを名乗るのもおこがましい感じだ。
 その割には、他のお客さんがいた。
 寂れてそうなもんだが、観光都市だけの事はあるか。
 まず、パネル展示を見る、
 酒の作り方の説明と、千歳鶴の創始者の酒造りメモが展示されている。
 うわっ、字ちっちゃ!
 遺されたメモには、ポケット辞書のように小さい字が几帳面にびっしりと書かれている。
 コンピュータを必要とした人間、って感じだな。今の時代なら、絶対詳細なデータを取って、山ほどシミュレーションとかして、新開発を繰り返してそうだ。

 モニタで、酒造りの工程の説明がある。
 ふむふむ、大事に作ってるんだねぇ、という感じ。
 日本酒はそういうイメージがあるやね。
 何だかの本で読んだけれど、日本酒は葡萄のワインと違って、米の作柄で100パーセント決まるという訳ではなく、人間の力が介在する余地が非常に大きい、とか。

 次に、昔の酒造りの道具。
 桶とかそんなんが、一画にゴロゴロ並んでいるだけ。
 普通だ。

 次に酒。
 もう、この辺は、値札が付いている。
 ふむ。
 いつも買っている酒も置かれているな。
 この中では、安い方だ。
 あれ、一升でも売ってるのか。いつも、720ml瓶しか見かけてなかった。
 割安だしちょっと買いたい気もするけれど、開封後にそんなにすぐに使い切る訳ではないから、あまり大量に買うのも考え物か。
 持って帰るのも面倒だし(これが大きい)。

 仕込み水の試飲もやっていた。
 石の鉢に柄杓があって、なんか神社の手水鉢みたいだ。
 ふむ。
 よく分からない。
 微妙な味の違いとかはどうもなぁ。
 ――途中、他のお客さんが「ここで水を分けてくれるんですかー?」とか職員のお姉さんに尋ねていた。
 前まではやっていたらしい。
 そのまま追い返すのはあんまりだと思ったのかどうなのか、結局、小さいペットボトル一本分だけ汲んで帰れたようだ。

 それでは、本題の酒の試飲をば。
 試飲のカウンターに行こうとするが。

 ……他のお客さんゼロ。
 職員の人、4名。
 職員の人の方が人数多い。

 うわー、行き辛い。
 でも行く。

「試飲をさせて貰えるのかね?」(チョビヒゲを撫でながら)
「はい」
 ショットグラスより少し大きいぐらいの小さなプラコップに3ミリぐらい、職員のお姉さんが720ml瓶から日本酒を注いでくれる。
 特別吟醸、大吟醸、純米大吟醸とか、そういう感じで4種類、次々に飲む。
 うん。
 差があるのは分かるけれど、どっちがうまいかとか分からん。
 酒で、純粋に味がうめーな、とかいうもんでもない気がするしね。
 酔う時の高揚感みたいなものや、アルコールによる吸収のし易さなんかが、「あーー、うめーーー」みたいなのに繋がってる気がする。

 それから、土産とチップがてら酒を一本買ってから、地下鉄で少しウロウロして帰った。

<出費>
交通費:800円地下鉄1DAYパス(琴似―200―宮の沢―280―バスセンター前―280―宮の沢―200―琴似)
酒:1000円



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