思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2011/9/29 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第29回 秋は鮭、ようよう焼けいく切り身は少し赤りて:千歳サケのふるさと館

 はーい、今回はサケの施設でーす。

 ――デジャヴ?

 いやいやいや、それは誤解です。
 この前は豊平川、今回は千歳川なのだ!

 以前から名前は目にしていた所だったが、今回、行き先があまり思い浮かばなかったので、行ってみる事にした。
 いわゆる「館」系は、やっぱり好きなんだよなぁ。

 当日、出発をダラダラと引っぱって、11時頃に家を出た。
 地下鉄で新さっぽろまで行くルートもあるが、どの割引を使ってもJRより安くはならないようなので、素直にJRに乗る。
 30分ばかり揺られて、千歳に到着ー。
 駅は千歳、南千歳、新千歳空港、の並びになっており、距離で言えば5キロぐらいしか離れていないのに、交通費が370円変わるという恐ろしさだ。

 千歳駅の改札を出て、案内図を軽く確認した後、大雑把に歩き始める。
 簡単に言うと、イオン方面と逆の寂れた感じの方だ。
 方向さえ合っていれば、道が間違っていても最終的には千歳川にぶつかる事が分かっていたので、いつも以上に地図把握がいい加減である。
 少し歩くと、「インディアン水車通り」というプレートの付いたが街灯が並んでいる通りと交わった。
 サケのふるさと館の案内表示もあり、これっぽっちの迷いもなく進む。
 商店街と呼ぶにはまばら過ぎる通りを進むうち、左手にミリタリーショップ、右手に道の駅「千歳サーモンパーク」が見えて来た。その奥に、「サケのふるさと館」の文字発見。
 徒歩十分前後って感じか。

 駐車場を横切り、いかにも観光客向けっぽい海鮮の丼をプッシュしたレストラン、軽食のスタンド、野菜売り場、と、色々店が並んでいるのをスルーして、真っ直ぐサケのふるさと館を目指す。
 結構人がいるなぁ……。
 何か、遠足の小学生みたいな団体来てるぞ、おい。
 更に、要介護者っぽい人たちの団体も来てるぞ。
 ……遠足スポットだったか。
 入り口からロビーに入る。
 ロビーで受付の人から直接入場券を買う。
 大人800円也。
 後から割引券がWebで入手出来る事を知ったが、まあ良い。
 口を開いたサケの絵の描かれたのれんをくぐり、中へ。

 おっ。
 サケの稚魚……というか、金魚ぐらいのサイズの小魚がいる水槽だ。
 豊平の方の放流前の大量の稚魚と比べると時期が時期だからか数は少ないけれど、これもまあなかなか良い景色。
 と、少し進むと、うわお。
 大水槽だ。
 いわゆるちゃんとした水族館の大水槽レベルの水槽。
 そこに、チョウザメとか鮭とかがぼこぼこ泳いでいる。
 うおあ、なんだろ、面白い光景だ。
 いわゆる水族館の大水槽の場合、色んな海水魚が雑多に泳いでいて、極論するならどこでも割と似た風景になるが、これはサケ特化型なせいで何とも言えない不思議さがある。死体しか見覚えのない魚が生きているという違和感もあるのかも知れない。
 ううむ、面白いな。
 サケの重さを体感できる模型もある。ちょっと持ってみよ――ぬわっ!
 ぷるぷるして気持ち悪い!
 樹脂素材が使われてるのか、ちょっと驚いた。
 キングサーモンの剥製? 模型? もあるな。
 モニタでゲームだかクイズだかもあるが、子供で塞がっているから手は出さず。
 サケの一生的なシアターもあるが、後で気が向いたら来よう。
 と、順路表示に従って進む。
 魚に触れるタッチ水槽もあるが、ここも子供ばっかりだな。
 アイヌ系の展示もある。
 サケにまつわるお伽噺の類とか、鮭の皮の靴とか。
 鮭の皮の靴はサンプルを触る事が出来たが、固くなっていて用に足りるようには感じられない。もっとも、本当のところはもっと巧みな技術で作られたりとか、使用感で感触が変わったりとか、あるかも知れないが。
 それから、サケの遡上を復活させた人の話が掲示されていた。戦後の事業じゃないんだ。豊平の方で「遡上の数は千歳川の方が断然上で」とか説明があったが、つまりそういう事か。

 「水中観察室」にやって来た。
 おー、水槽があるなぁ。割と魚がいて、ちょっと水が濁ってて……。
 って。
 これ、リアル川底なのか!
 色々感想を述べる前に……何でこんなに魚いるの?
 え、どうなの、普通、川の中ってこんな感じだっけ?
 本当に水槽っぽい数の魚だ。
 斜め上を見ると、水面が見え、奥は遠くて果てが見えない。
 本当に川なんだな。
 へぇ……。
 水族館とかで、リアルに海を見せるヤツはないよなぁ。
 パンフにも日本初とか書いてあるから、稀少な施設で間違いないらしい。
 なるほど、有料も道理か。これは、ちゃんと水族館って感じだもんなぁ。
 窓のガラスには、田螺だかカワニナだかがくっついている。窓のうちの一つは、冬場は敢えて磨かずに藻の育成が観察出来るのだとか。

 一通り見終わって、順路のままに進み、出口に到達した。
 んー、戻って何かを見直すのも億劫だし出よう。
 入って来た時と同じロビーで、改めて中を眺めると、土産物屋があり、それからシロクマの標本もあった。シロクマの標本は直立したポーズで、2メートルを超える巨体だ。
 これは死ねる。拳銃程度じゃ止められない感じだ。
 ノロイ程じゃないけど、かなり近いビジュアルで心底ゾッとする。シロクマ怖すぎ。

 外に出て、施設に隣接している橋から千歳川を見る。
 水中観察室の上も見られる。ライトが付いてるんだな。
 反対側では、インディアン水車が回っていて、何やら職員の人が作業をしている。
 インディアン水車というのは、魚を取る為の水車だそうだから、サンプルを獲っているのかな。
 しかし、水中観察室であれだけ魚が見えたって事は……。
 ああ、いる、確かにいる。
 橋の上からでも、川の中を泳ぐ魚の姿が何匹も確認出来る。
 何というか、まあ。
 豊かな川なのかなぁ。
 それとも、普通、川はこんなぐらいなのかな。
 用水路が川の名を冠している首都圏とは違って来るよなぁ、やっぱり。

 その後、駅に戻って反対側のイオンを覗いたら、廻転寿司のとっぴーがあったので遅い昼飯を食べて帰った。
 普通のサーモンを食べたかったが、高いハラスしか流れていなかったので、やむを得ずそちらで。やっぱりサーモンはうまいなぁ。スズキっぽい白身も良いなと思うけど。
 鯖でかいな。それとこれは、貝ヒモの軍艦か。この店だけだと思うのだが、軍艦のシャリが固く握られ過ぎて食べ難い。エンガワも良い感じ。
 概ね食べ応えがあって良いのだが、とっぴーは追加ワサビがデフォルトでないのがネックだなぁ。多分、頼めばくれるんだろうけど、それが億劫だから廻転寿司来てるんだよねぇ。廻転寿司で回っている事に価値を見出さないというのは、チキンラーメンを鍋で作る人のようなもんだ。そうなんだよ、鍋で煮た方が火の通り方にムラはないし、きちんとほぐれているし、明らかにうまいんだよ(お前か!)。

<出費>
交通費:1,620円(琴似―810―千歳―810―琴似)
入場料:800円
昼食:1,385円(廻転ずし とっぴ〜)



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