思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



 月記帳 バックナンバー

2006  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2007  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2008  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2009  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2010  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2011  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2012  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月
2012/8/19 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第40回 これでゴジラも大丈夫:千歳基地航空祭
 当方、ミリタリー系の趣味はないが、兵器の姿に美しさや格好の良さを感じるタイプの感性はある。
 平和を愛するとか戦争を許容するとかそういう次元ではなく、強大な力を備えたモノを神として崇める、人間の文化の割と深いところに根付いている感情だと思われる。

 そんな訳で、兵器を生で見られる機会である千歳基地の航空祭に興味を惹かれた。
 ふむ、航空祭か。
 ブルーインパルスとかそういうのが変態機動をするアレだな。
 たまに落ちて来て、客席が炎上するアレだな(偏見)。
 丁度良さそうだから行くべし。
 場所は……JR千歳駅からシャトルバス運行、運賃200円。
 千歳駅は新千歳空港の手前の駅で、この前千歳サケのふるさと館に行った時にも降りた駅だ。
 琴似からだと電車代が割とかかるけど、休日は「一日散歩きっぷ(2,100円)」が使えるな。琴似と千歳の往復だけじゃ足が出るけど、今転勤で札幌から離れてるから、そっちの移動にも絡めれば、まあまあ安くなる。
 よし、これで行こう。

 当日。
 混雑しそうな予感があったので、9時の開会式の30分前ぐらいに到着するイメージで琴似駅にやって来た。
 えーと、切符切符、Kitakaで買えるんだよなー、千歳まで810円っと――一日乗車券を買う予定だったんやないかーい(多分古い)!
 みどりの窓口で差額を払って事なきを得る。
 何とはなしに混雑している列車に乗ること暫し。
 千歳駅に到着すると結構な人数の人が降りた。
 ここってこんなに人が降りる駅じゃなかった筈だ。
 駅のアナウンスでも、航空祭で混雑するので帰りの切符を買っておけ、みたいな事を言っていた。
 シャトルバスはこちら、との貼り紙に沿って歩く。
 あ、臨時の帰り切符売り場が出てる。
 一日乗車券を持つ身だし、そんなに遅くまでいる気がないから、ちっとも必要ないぜ!
 人の流れと、職員の誘導で、迷う事もなくシャトルバス乗り場へ。次々とシャトルバスが来るので、5分と待たずに乗ることが出来た。
 なかなかに人の集まるイベントなんだな。
 バスは5分かそこら走ってから、千歳基地のゲートをくぐってシャトルバス用の駐車場に到着した。

 よし、基地だ基地だ。
 人が結構多いなー。
 おっ!
 電柱の根元に土嚢が積まれてる。
 『戦場のヴァルキュリア』で重宝したのと大体同じ形だ。あのゲームは割と面白いのだけれど、一本道のシナリオとか装備の選択幅の狭さとか、微妙にボリュームが少なくて食い足りなかった気がする。シナリオ分岐があるとか、戦い方次第で名有りの敵キャラが自軍に入るとか、戦略レベルで進軍先も決められるとかあると……まあ、なんかもうそれは別のゲームか。PS3初期のゲームだし、及第点ではあるか。
 基地内は、巨大な格納庫がいくつか並び、格納庫前、滑走路手前の部分に飛行機、ヘリコプターなどがずらりと展示されていた。
 おー。
 これは壮観だな。
 パッと見で名前が分かるのはないけど、色々あるな。
 ふむ、これがF15でこっちがF16。写真では見た事があるから、言われてみればそうだな、って感じだ。やっぱりF15の方がエンジンが双発で強そうな感じ。自分のイメージにある「戦闘機」の形だ。
 輸送機に偵察機に戦闘ヘリ。以前陸自広報センター「りっくんランド」で見た戦闘ヘリのコブラよりもやや厚みがあるような気がするけど、どうだったかな。
 会場は格納庫前に航空機が展示されていて、その向こう、滑走路側に仕切りがされて演技用の航空機が用意されている。格納庫の一つ一つは、式典用だったり、来客の休憩用だったり分かれている。
 滑走路との仕切りの前には既に見物客がシートを敷いて占拠している。
 奥へ回ると、車両が展示されていた。
 牽引する機関砲から、滑走路の除雪、生活用の炊事やベッド、レーダー、火器管制、ミサイル、等々。部隊を動かすのは大変な事だよなぁ。
 展示スペースから外れると、芝生の広場に露店が並んで、土産物や食べ物が売られていた。あ、シシャモ売ってる。こういうところで扱うってのは、なんか珍しいねぇ。パッと見本物っぽかったな。
 会場を一回りした頃合いに、演技が始まった。
 スクランブルの実演という事で、F15にその場でミサイルの模擬弾が装備され、パイロットが乗り込み滑走路へ向かう。
 あー、なんかちょっと雨がぱらついて来たな。
 エンジン音は距離を感じさせない近さで耳に飛びこみ、方向転換の際やる気を出していないエンジンが観客の方を向いただけで、激しい突風が巻き起こる。つくづく日常とかけ離れた機械だよなぁ、これは。
 F15はエンジン音を上げ、滑走路を進んで――戻って来た。模擬離陸だそうで。
 本当に飛ぶ事はないのか、と、思っていたら次は飛んだ。
 雨がぱらついて雲が低いから、どうも編隊飛行とかやっても見えなさそうだな。雲からいきなり旅客機が出て来たりとかしてたし(千歳基地は新千歳空港隣接)。
 航空機だけではなく、対空機関砲の射撃も行われた。空砲ながらとんでもない連射速度が伺い知れる発砲音がする。っていうか、おならと近い音だ。連発銃の理念というのは、点の攻撃を擬似的な線にして命中しやすくするって事だが、弾丸の数にも搭載量にも限りがある。そう考えれば、文字通りの線を形成出来るグラディウス的レーザー砲はその到達点なのだろう。その時代においては、実弾兵器とレーザー兵器のどちらを選ぶか、なんてのは論ずるに値しない議題に違いない。誘導ミサイルや炸裂弾などの別の機能を持たない限り、レーザー兵器が上位互換になるであろうから。
 尚、レーザー兵器の鏡面反射による防御というのは、
1.鏡面は100パーセントの反射は出来ない
2.反射し切れなかったエネルギーは鏡面を傷つけ反射率を下げる
 この悪循環が瞬時に進行すると考えると、不可能という結論になる。
 鏡面の破壊前にレーザーの連続的照射を避ける事が出来る機動力があったとして、その機体がレーザーより遙かに低速でしかも断続的に飛んで来る実弾なんぞに当たるかという話になるだろう。この意味でも、レーザー兵器は実弾の上位互換と言える。

 昼にもなっていない時間だったが、概ね見るものは見る事が出来たので、ここらで引き上げる事にした。
 もっと晴れてたら色々見ごたえがあったかも知れないけど、照り返しと挟まれて両面焼きになりそうだし、このぐらいの天気がふらりと来てふらりと帰るにはベストだったな。


<出費>
交通費:2,100円(琴似――千歳――琴似 一日散歩きっぷ) 交通費:200円(シャトルバス) 計:2,300円


トップへ