思い立ったが随筆


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2014/2/28 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第58回 捕食者との再開:サンピアザ水族館 特別企画

 サンピアザ水族館は、特徴的な大水槽があるでもなく、特に珍しい魚がいるでもない、地味な前世代型都会型水族館である。
 が、このままではいけないと、たまに企画をぶち上げる事がある。
 その努力の程は、札幌市営地下鉄に乗っていれば、中吊り広告で何となく気付くようなもので、何か面白げなものがあれば行く用意はあったが、この度ようやく思い切られるような企画を目にした。

 当日。
 十時過ぎ頃にダラダラと地下鉄に乗り、出発した。
 勝手知ったる東西線、終点の新さっぽろなので迷う事もない。
 新さっぽろ駅に到着して、隣接のショッピングモールを抜けると、サンピアザ水族館に到着である。
 印刷したネット割引券を使い、入場した。
 カニやクリオネ、ヒトデを触る事が出来る水槽など、一通り有り触れた展示を見た後、二階へ。
 カワウソや、鮭の稚魚、イトウなどのこの辺ならではのものを見た後。

 突如設えられたベンチ!
 そして、それに隣接する水槽!
 水槽の中には、無数の魚!
 そう。
 これこそ、特別企画「お魚の足湯」だったのである!

 ガラ・ルファいわゆるドクターフィッシュが入った水槽に、足を入れてついばんで貰おうという企画である。
 何たらセラピーだの、エステだのにありそうなものだ。
 この水族館はそもそも、手だけを入れる事が出来る水槽があるのだが、足を丸ごと入れられるとなると、これは初めてのものと言って良い。
 興味を持った見物客で一杯、という事は全くない。
 具体的には、誰もやっていない。
 もう少し言うと、客自体がほとんどいない。
 言うまでもないが、係員が付いてもいない。
 投げっぱなしだな……いいけど。
 よし、傍目を気にせずにできるぞ。
 やってみよう。
 傍らのカゴに荷物を置いて、靴と靴下を脱ぎ、足元の水槽へ。
 ……最初に洗ったりしなくて良いんだろうか、という疑問はあるが、ないものは仕方がない。
 踏んづけては大変と、そろりそろりと足を入れると、寄って来る寄って来る、ドクターフィッシュが足にぞわぞわ集まって、プチプチと古い角質をついばみ始めた。
 痛い、という程でもなく、くすぐったいという程弱くもない。
 魚が自分に近づいてくる感じが何だか嬉しいような面白いような。
 長時間やると何かしら問題が出るのか、単に回転率を良くしたいのか、キッチンタイマーが置かれていて、数分であがれ、という説明書きがしてあった。
 んー、不思議な感触だよな、これ。
 ちなみに、足湯、と言っているが、ひんやり冷たいワケではない水、という感触で、体温よりやや低いぐらいの温度設定に感じた。まあ、あんまり熱いと煮えてしまうとかあるんだろう。
 ドクターフィッシュは角質をついばむけれど、毛を食べるワケではないんだな。
 ガラ・ルファがドクターフィッシュであるが、別の種類の魚をドクターフィッシュとして使用して肌を傷つけてしまうトラブルがあるらしい。
 それから、エイズ感染の危険があるとの情報も。まあ、これは可能性はゼロではないという程度のものではないかと思うが。
 ぼんやりと足にたかるドクターフィッシュを眺め続け、所定の時間は終了したのであった。

 ペーパータオルで足を拭き、靴を履き直してもう一つの特別展を見る。
 バレンタイン特集という事で、チョコレートや恋人を連想させる魚が展示されていた。
 一緒にチョコレートのオブジェが入っていたりするからそれっぽいけれど、ほとんどが普通の魚、って感じだな。

 昼頃には水族館を出て、大通り近辺をぶらついて帰った。
 家で改めて足を見てみたが、特にツルツルになってるみたいなのはなかった。
 本当に何かの効果があるんかな、これ。
 いや、まあ、あんなところで、効果が出るまでやらせるとは思えないけども。
<出費>
交通費:500円(ドニチカキップ:500円)
入場料:810円(定価900円、ウェブクーポン使用)
計:1,310円


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