思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2014/7/28 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第63回 アニマル、そして芸人。改名はしない:円山動物園大道芸人大集合

 円山動物園は、札幌市民憩いの場である円山公園の一角を占める動物園で、象がいないが、パンダもいないし、行動展示もさほど行われてはいないし、小田原城の天守閣も見られない。そういう意味では、見どころらしい見どころがないが、しかし、近くて行きやすいという途轍もないアドバンテージを持っている。
 遠くの親戚より近くの他人の理論であり、人間は半径五メートルにいる人間と結ばれるの理論であり、ものぐさな男が首にかけられた餅の口元のだけしか食べずに餓死するの理論である。
 円山動物園自体は行った事があるが、ここでの大道芸人イベントというのは初見である。
 こちとら大道芸評論家として七兆円の印税を稼いだ身であるから、これを見に行かない道理がない(注:この文章には事実と異なる記述があります)。

 そして当日。
 早めに行こうかとも思いながら、相変わらずのダラダラで昼前ぐらいに、愛車ぽす太でようやく出発した。
 雲はあるが晴れ。札幌も夏の陽射しになりつつある。日焼け止めだけでは心許ない時期だ。
 見知った道を走り、円山公園へ到着し、敷地を貫く道を走る。
 あ、グラウンドでなんか陸上の大会やってる。こういうのって、見学とか普通に出来るもんなのかね。基本、身内運営っぽいから、なんか不案内で分かり辛い。前にセパタクロー見た時も、入りづらい感強かったからなぁ。
 程なく、円山動物園に到着した。
 この前入ったのと違う正門側である。狙った訳ではなく、単にいい加減に走ったら辿り着いただけ。
 チケット売り場へ行く。
「あの、この、学生証使えますか?」
「大丈夫ですよ」
「じゃあ、年間パスポートを下さい」
 実は、来たる夏休みに合わせてか、円山動物園では年間パスポートの学割セールが行われているのだ!
 ――お前は学生ではない?
 実は、資格取得のために専門学校の通信講座を受講中の学生なのだ。
 通信なので、どれだけの効能があるかは分からなかったが、その辺、円山動物園は弛かったようだ。
 年間パスポートが半額だと、通常の大人料金よりも安くなるので、普通に得である。
 500円を支払い、年間パスポートを受け取る。
 デザインは氷に頬ずりするシロクマの写真。猫科好きの目にも大変可愛い。

 ゲートをくぐり中に入る。
 すると、早速、正面の開けたスペースに、人だかりが出来ていた。
 おお!
 大道芸の人だ。
 幕間らしく、何やら準備している。
 かぶりつきで見るのも少々気が進まないので、後ろの方で眺める。
 程なく、ステージが始まった。
 ステージと言っても大道芸なので、ただ、一角を何となく区切っている程度なのだが。
 その人の芸は、似顔絵。
 手始めに、マツコ・デラックスの似顔絵を描いた。札幌に転居してからテレビをほとんど観なくなっているが、この人は一応分かる。
 次に、書き置きしたもので、シルエットクイズをして、それから、観客の一人を選んで似顔絵を描き始める。BGMはアナと雪の女王のものらしい(よく知らない)。
 なんか、客いじり系のノリも含めてウザかったので、その場を後にする。
 いや、ノリが違うだけだから、あなたは悪くないから。
 まあ、そんな。

 西門の方に向かう。
 この大道芸人大集合というイベントは、大道芸人が三十分づつのステージを任されて順番に各々の演目を行うというもの。横の繋がりは特にないようで、一緒に何かをやるという事はない。
 西門へ向かいながら、動物もちらちらと見る。
 見るのは良いのだが、なんか工事中で大きく区画が切り取られている。
 大規模な改修を行うらしい。
 せっかく年間パスポートを買ったので、改修が終わったら一度覗いてみるのも良いな(動物園側の思うツボ)。
 西ゲート前にやって来ると、こちらでも大道芸が行われている最中だった。
 後ろの飾り物の風船が一つしぼんでいる。まさか演出(ちがう)?
 まずはジャグリング。
 クラブを使ったお手玉凄い。自分ならまずはできないなぁ。
 次、パントマイム。男女の二人組。そこそこ面白いような感じだが、ちょっとしたジャグリング系の技の成功率が低い。ネタではなく、リアルにミスしている様子。どうも今日は風が強いらしい。
 それから、ジャグリングやマジックなど、何人か見た。
 目の覚めるようなすごい技はなかったが、積極的に驚いておくことで、何か楽しかったような気分になれた(面倒臭い大人)。
 多分、大道芸というのは、それを狙って観に行くというより、街をぶらぶら歩いていたら、思いがけず目にして、何となく見入って、ちょっと得した気分になって、その勢いで幾許かの銭を投げる、というシステムになっている気がする。つまり、それを狙って行ったり、何本も見たりするのは、興を削ぐ行為なのかも知らんね。

 その後、結構疲れたので、ヒグマやエゾオオカミをちらりと見ただけで帰った。
 肌がヒリヒリするような日焼けにはならなかった。セーフ。
<出費>
入場料:500円(円山動物園年間パスポート)
計:500円


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