思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2014/12/28 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第68回 ゴジラは出ないタイプのまちづくり:『都市計画マスタープランに係る まちづくりワークショップ』

 意識高い系の自分としては、休日も自分を磨く事を怠りたくはない。新たな事に出会い、考える機会を持つことは、今日の自分を昨日の自分より確実に成長させてくれる。成長しなければ見えない事は多く、そして見えた事が新たな成長にも繋がるのだ。この意識を持ち続ける事で、単なる日々の生活から、自己実現を目的とした質の高い人生を築くことができる。その成長の舞台となる生活の場、札幌市について、意見を募るワークショップを開催するとの話を耳にし、参加する事にした。
 ただ、たった一つ気になる事がある。
 意識高い系って、何?
 低いときはAED使用OK? それとも、通報が先?

 札幌市から、無作為送付で都市計画系のアンケートが届いて、その中でワークショップの参加者募集もしていた。
 丁度当企画のネタになりそうだったし、2000円分のクオカードが貰えるらしいし、近場だし、特に拒否する理由もないので参加希望として返送したところ、当選した。当選と言っても、七〇名応募の三〇名採用ぐらいで、年齢やら地域やらでばらけさせるようだから、参加する元気のなさそうな現役世代たる自分だと広き門であったろう。

 当選の知らせと一緒に、封書が一つ届いた。
 角形2号の大きな封筒の中に、「札幌市都市計画マスタープラン」と、その要約版、それから参加要項が入っていた。
 ふむふむ、これの修正の意見を集めるてな位置付けか。もう少しぶっちゃければ、都市計画の見直しに、市民の意見も反映されていますというアリバイ作りなんだろう。実施状況について、撮影して何かに載せる事もあるとの説明が付いていたので、ほぼ確定だろう。
 実施は土曜日……の前に、事前の勉強会が水曜にあるのか。昼間の部と夜の部でどちらかが選べる様子。
 水曜……どうでしょうね、わざわざ行ったものかな。必須ではないし、交通費が出るワケでもないしないぁ(どうでしょう言いたいだけ)。
 是非もなし、行くべし。

 水曜、仕事もそこそこに、地下鉄で事前勉強会会場の札幌市役所へ向かう。
 数日前の雪は大体融けているので、自転車でも行けそうだったけれど、駐輪場の有無やら日陰の雪の残り具合やら何やら少し気になったので、地下鉄で行く事にした。
 大通駅に到着し、隣接している市役所に入る。
 明かりは落ちていたけれど、一応正面玄関から入れたな。
 会場は地下の会議室……ああ、こっちだ。
 中に入ると、恐らく一番小さいサイズの会議室だった。
 3人掛けのテーブルが二列で三行、正面はプロジェクター、後ろは立ち見用の椅子が数脚並んでいる程度。
 参加人数は一〇人にならない程度。本番の参加者が三〇名ぐらいで、今回は参加任意と考えると、むしろ多いぐらいかも知れない。
 待つこと暫し、説明が始まった。
 それ程流暢ではない調子で、担当の職員の人がパワーポイント使ったマスタープランの説明や、当日はどんな流れなのか、みたいな事を話した。マスタープランというのは、都市計画の中で二番目ぐらいの位置づけの物で、それより下流の計画は、実務的で具体的な物になるという感じ。
 一時間という設定からも推測は出来たが、割と大掴みで、どうでも良い話だった。この分だと、どんな姿勢で参加しても、「あーたのような不勉強なヒトは、このワークショップに参加する資格はござーませんことよ!」とか言って、つまみ出される事はなさそうだ。

 そして当日。
 市役所の隣りの市民会館にやって来た。
 市民会館にはホールがあるが、今回はそこではなく会議室。
 会議室に入ったところの受付で、名札と、謝礼のクオカードを受け取り、班番号を教えられる。
 しかし、この謝礼、クオカードじゃなくて現金にしないのは何か理由があるのかな。管理しやすい? 業者と繋がりがある? 何かの法令に引っかかる? 分からんなぁ。
 班番号に従って、座席につく。
 座席は、6、7人づつのグループになるように、机が組まれていて、資料とペットボトルのお茶が置かれている。
 先に座っていた人に挨拶し、後から来た人に挨拶し、と、やっているうちに時間となった。
 担当の職員が挨拶と流れの説明をした後、本題の話し合いが始まった。
 話し合う内容は、札幌市の地域別の良いところと悪いところ、そしてそれらを踏まえた改善点について。
 話し合いは単なる雑談ではなくKJ法を用いる。
 KJ法というのは、川喜田二郎(本当)の作った手法で、話し合いの場で意見をまとめるのに役立つ。具体的には、各参加者が意見をカードに書いて複数列挙し、類似したものをグループ化していき、意見の方向性を明らかにし、解決法や傾向の把握に辿り着きやすくするものである。正直何度もやった事があるし、仕事柄グループワークはむしろ得意な部類だが、ファシリテーター(話し合いを促進させる役割の人)がびったり付くみたいなので、特に出しゃばらずに全部お任せでぼんやりと参加をするに留めた。
 時間が2時間程度と、かなり短い事もあってか、アイスブレイクの為の何かをやって和ませるでもなく、最初から最後の全体向けの発表まで、始終ファシリテーター主導で進んだ。まあ下手に活発になり過ぎてもまとまらないし、グループワークに慣れた人の集まりでないとこんなものだろう。
 無事にワークショップは終了し、市民会館を後にした。
 その後、家の近くのセブンイレブンで酒やら何やら金のハンバーグやら概ね2,000円分を買って、クオカードは使い果たした。
<出費>
交通費:500円(水曜 琴似―250―大通―250―琴似)
交通費:520円(土曜 ドニチカキップ)
計:1020円


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