思い立ったが随筆


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2015/4/25 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第72回 遠目で尋常で無いもふもふと見抜いたよ:白熊の赤ちゃん公開 円山動物園

 今回は円山動物園です。
 またかよ、初めてでもなんでもないじゃないか、と思うのは早計。初めては場所のみに非ずである。
 世界に初めて姿を表した、白熊の赤ちゃんを見に行くのだ!
 何しろ、白熊好きの自分である。何となれば、アイスの売り場でしろくまを見かけた時には、目が留まるぐらいしろくま好きである。買うのはハーゲンダッツのラムレーズンとかだけど。しかし、京子やゆずこみたいな、計算ずくのボケキャラというのは、一つのカテゴリとして存在するけれど、初出は誰だろうなぁ。このキャラ設定は、天然のボケキャラにおける「ツッコミ役に過大な不利益を与える」という、天地無用の美星の時に抱いたような不快感が良い具合に払拭されるので大変宜しい。

 そもそも、天然という属性は、ともすると作者の恣意の塊になってしまうので、行動に不自然さが現れ、一種病的にも見えてしまう事がある。例えば悪気無く料理下手なキャラが、それを指摘されながらも改めない――料理の修業をしないのみならず、そのマズい状態にある料理を人に食べさせようとする事も控えない――という場合、もうこれは悪意と呼ぶべき状態であって、無邪気や愚かで済む話ではなく、そのキャラクタに対して好感を持つ事は出来ない。
 ボケの描写やネタを入れたいというストーリー上の都合で話を展開させようと思うから、人格と行動の整合性が取れなくなるのだ。迷惑をかけて嫌われるキャラと、視聴者に愛されるキャラクタ、という矛盾した要素は、ただ並べただけでは共存するワケがないのだ。
 対して、そのボケがキャラクタ自体の恣意によるウケ狙いであるならば、まず、キャラクタ自体に何の破綻も発生しない。そして、これが大事だが、ボケ自体が不快のレベルまでエスカレートし難い。何となれば、キャラクタ側も超えちゃいけないラインを把握しているからだ。で、時折、うっかり超えてしまった時に、ガチで反省や落ち込み、照れなどの描写があると良い感じのリアリティになる。
 これは、京子と櫻子の描き分けでもはっきり表れていて、櫻子に関してはツッコミの強度、姉妹からの扱われ方、割を食うことの多いシチュエーションなどで、読者が向けるべき負の感情を中和しており、許容出来る状態になっている。ここらのキャラクタの扱い方は、キャラを動かす事に長けたくらげの巧みな技術によるものと言える。

 円山動物園のホッキョクグマ「ララ」が、子供を生み、4月から公開になったとのポスターを地下鉄駅で見かけた。
 年間パスポートがまだ有効期間中なので、これは丁度都合が良い。
 当日、愛車ぽす太にて円山動物園へ向かう。
 公開の時間は、負担を考えて午前十時から午後三時、更に、ストレスへの対応として、観客の目のある屋外スペースと屋内の仕切り戸を開いた状態にして、出入り可能にしているとか。つまり、運が悪いと姿が全く見えない可能性があるという事だ。
 さて、運はいかほどか。
 正門には「ホッキョクグマ赤ちゃん展示」の文字が掲示されており、今一番の売りって感じになっている。
 チケットを買わずにパスポートで中に入る。
 他に何か特別展があるかと思ったが、別にないので、そのままホッキョクグマのスペースに向かう。
 雪はもうほとんどないが、工事中の区画もあるから結局狭くなっている。
 猿山も工事中のせいで、いつもと違う檻の中で猿たちが窮屈そうにしている。
 進んでいくと、ホッキョクグマの模型が置かれた記念撮影スペースがあった。
 現物を背景に撮らなくては意味が無い気もするが、距離を詰められないジレンマを解消するにはこの手しかないか。
 もう少し進むと、ホッキョクグマ見えて来た。
 おお、白いな!
 壕が一つあって、距離感が分かり難いけど、でかいな!
 んー、一頭だな。
 いないのか?
 ……いや、別のホッキョクグマか。
 向こうに人だかりがしてる。
 その後ろには見学用の足場が組まれている。混む時には混むんだろうか。今は全然必要ない感じだけど。
 どやどや、ホッキョクグマは、ベイビーは!?

 いたああああ!
 大きいなぁ! 母さんそっくり!
 ……なに? それは母熊の方?
 でも、他に何もいない。
 んー、屋内か?
 いや、それにしては客が立ち去らずに見てるし――!
 あ。
 母熊の後ろに僅かに毛の塊が見える。
 毛繕いして吐いた毛玉とかでないなら、あれだ!
 毛玉だな。
 顔、顔、顔は……見えない。
 手も、見えない。
 足も見えない。
 ただ、毛玉だ。
 ケサランパサランだ。
 それよりはかなり大きいから、ゲルザランバルズランぐらいか(意味はない)。
 なるほど、敵の目に触れないように、母熊が子供を守っているの図だな、これは。
 微笑ましい。
 微笑ましいと言えばそうだが、まあ、小熊、見えないね。
 ううむ。
 その後も、特に状況が動く様子もなかったので、ホッキョクグマのスペースを後にした。
 毛玉部分でも見られたから良しとしよう。
 年間パスポートがあるんだから、何度か来たら一回ぐらいは見れそうな気もするが、別にそこまで見たい訳ではないしなぁ。
 ああ、ホッキョクグマが嫌いなワケじゃない。好き好き、柵や壕があれば、天気予報ぐらいには好き。なかったら蛇蝎よりも嫌い。怖い。


<出費>
入場料:0円(大人600円のところ、年間パスポート使用) 計:0円


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