思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2015/7/27 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第75回 茶レンガ、チャレンジャー、サリンジャー:北海道博物館

 道立自然公園野幌森林公園は、北海道開拓の村を有し、道民にはお馴染みの場所である。
 大学の頃にも、一応行った事があった気がする場所なので、微妙に当企画の対象にする気が起こらなかったのだが、この4月、新たに「北海道博物館(愛称、森のちゃれんが)」なる言った者勝ちな名前の施設が出来た。
 ミュージアム関係は手軽なので丁度良い。
 行ってみよう。
 土地勘のない人の為に言っておくと、野幌森林公園は札幌の東側にあり、もう少し正確には札幌、江別、北広島各市にかぶる。
 野幌は「のっぽろ」と読ませ、アイヌ語で「ヌプ・オル・オペッ」(野中を流れる川)が元らしい。ちなみに札幌などの「幌」は、「ポロ」という「大きい」を意味する語句のようだが、野幌の「幌」にはその意味が含まれておらず、ただ音が一緒なだけのようだ。ザンスカール帝国と、イヤミの口癖のザンスに共通点がないようなものだ。

 当日。
 午前に出発し、まずは地下鉄で新さっぽろへ。新さっぽろに到着した後、バスに乗り換えて進む。
 JRを使うルートもあるが、地下鉄だとドニチカきっぷが使えるし、直通のバスも新さっぽろから出ているのだ。
 バスは、市街を抜け、森林公園に入っていく。数分したところで、煉瓦色の建物が見えて来た。
 北海道博物館に到着である。
 森の中に巨大なミュージアムという風景は、ある種の定番のような気がする。航空科学館もそうだったし、上野の国立博物館も公園の末端だったし。
 するとむしろ、みなとみらいの美術館のように、緑の少ない方が貴重で感心すべきと思うがどうだろう。

 博物館の中に入る。
 ロビーがあり、ミュージアムショップとカウンターがある。
 カウンターでチケットを買い、展示スペースへ。
 お出迎えのナウマン象とマンモスの骨格標本2体。
 でかいなぁ。
 マンモスの牙はやっぱりくるくるしていて何の意味があるのか良く分からない。真っ直ぐだったら刺さっちゃうからか。
 一つ入ると、アイヌ文化のものが色々と並んでいる。
 元々、北海道(にある)博物館ではなくて、北海道(についての)博物館、な訳だ。
 交通博物館の色が強い小樽市総合博物館と言い何と言い、名前をもう少しはっきりさせた方が良いと思うが、宗旨替えをした時にも対応出来るような配慮だろうか。
 アイヌ文化の文物が展示されている。
 日本との交流もあったので、斬新極まりない物がある訳ではないかなー。
 お、弦楽器。
 三味線っぽいけど、胴は舟形で首がない。
 弾いても良いらしい。
 どれ……。
 んー。
 弦が弛すぎて音が出ない。
 少し締めてみるが、なんか弦が軟らかくて危なかしい。
 家のレプリカもある。
 建物の中に丸ごと一軒入っていると豪華感はある。
 やっぱり鮭とか鰊がぶら下がってるな。
 住環境的にどうなんだろう。魚臭いとかないのか。それ以前に囲炉裏の煙で煙たいのか。待てよ? だとすると、煤煙で肺をやったりしなかったのか、昔の人は?
 少し調べてみると、COPD(慢性閉塞性肺疾患)なり、肺結核なりになった人がいたようないないような。煙草の無害性を説く論調の中に、肺癌だけを引っぱり出す例があるが、ヤバイのはCOPDなのだそうですよ、奥さん。生活習慣病は、直ちに進行が自覚出来ないのが、面倒の元だよなぁ。
 他に、アイヌの交易品のレプリカもある。
 ふむ、鮭にニシンに棒鱈に、毛皮の類。鮭は珍重されたようだが、格の高い魚、低い魚という概念があったせいで、庶民の魚が大名の口に入らず、メニュー幅が少なくなっていたというような話を読んだ。
 展示はフロアを移って近代になる。列車の車内の情景展示がある。マネキンが並び、台詞が流れて、ちょっとギョッとさせられる。
 現代に移ると、昔の乗用車やら何やら展示されている。この自動車はなんだ? スバル360ではないっぽいが、国産車のようだ。よく分からん。
 こっちは、森の生態系についての展示か。
 どんぐりが転がって行ってどこの動物に喰われるか、みたいなギミックがある。
 ふむふむ、進んで行くと、動物が死んで分解される様子の展示もあるが、分解されかけの動物の死体がやけにリアルだな。肉が分解されて肋が露出している。作り物なのか剥製なのか分からないが、グロ注意。
 常設展示の後に特別展示も見る。特別展示は、鶴をモチーフにした企画展示だった。鶴の標本から、鶴の描かれた着物や器、酒瓶なんかが並んでいる。頭の赤いところは皮膚が露出しているんだそうだ。その赤さ、炎症起こしてねえ?

 一通り見終えて、外に出た。
 帰りのバスが来るまで、まだ時間があるな。
 ちょっとぶらぶら歩こう。
 丁度、森の向こうに開拓記念塔が見えるからあっちまで。
 森の道を数分歩くと、視界が開けた。
 開拓記念塔、正式名は「北海道百年記念塔」だ。
 周囲を池に囲まれた曲線で出来た塔で、ロケットっぽい。高さは百年記念に合わせてきっちり百メートル。
 展望室があるらしいが、今日は入れないらしい。
 周囲をぐるりと一回りする。それなりに見晴らしの良い箇所に立っているが、手前が森なので眺望はそれほどよろしくない。
 周囲の芝生に、タンポポが生えている。この生え方が関東とは相当違って、細い茎がひょろひょろ伸びて小さめな花が付く。それが、一面にニョキニョキ生えている状態。種類はただのセイヨウタンポポなんだろうけれどもね。

 その後、時間潰しがてら姉妹都市提携の碑なんか見た後帰った。
 バスの乗り場、森林公園入り口だったらもっと本数多かったかな。バスはちょっと分かり難いな。


<出費>
交通費:940円(地下鉄 琴似―520―新さっぽろ:ドニチカ JRバス 新さっぽろ―210―北海道博物館)
入場料:600円(北海道博物館)
計:1,540円


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