思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2015/9/25 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第77回 人間は水だから、人道は水道:札幌市水道記念館

 水道記念館である。
 下水道ではなく、水道である。
 下水道がアンパンマンであるならば、水道はバイキンマン。下水道がアムロ・レイならば、水道はクワトロ・バジーナ。下水道が孫悟空であるならば、水道は二郎真君。そういう対になる存在である。
 いつもの水道料金のお知らせと一緒に付いているパンフレットに、水道記念館の紹介が載っていた。
 ふむ。
 下水道博物館と似たようなコンセプトだろうな。無料だし手近だし、行ってもいいなぁ。最近会社が無駄に忙しくなっているので、こういうお手軽なところは悪くない。場所は藻岩山のふもと。以前に行ったロープウェイの乗り口から徒歩圏内だ。

 当日、土日の振替の平日休み。
 雨降り。
 本社に用事があるので、地下鉄でちょっと立ち寄って片付けた後、水道記念館へ向かう事にする。
 本社との距離は、徒歩で行けるぐらいなので丁度良い。
 路面電車の藻岩山ロープウェイ駅から、ロープウェイ方面に歩き、手前のところで分かれ道を右に進む。少し歩いたところで、水道記念館の敷地に辿り着いた。
 ええと入り口は……ああ違う、これはただの駐車場だ。もう少し上がったところだな。
 斜面に作られているので、結構の急坂を上る。
 見えて来た。
 門をくぐると、左手に水道記念館と、右側にある建物は水道局か何かか。
 観光用のバスが一台停車している。
 んー、先客か?
 団体客が来るとは、結構メジャーな観光スポットなのかしらん。
 水道記念館の前は、公園風に開けていて、オブジェというか、水道の管やバルブが少し飾られている。
 で、建物の中は、と。
 ロビーの左手にカウンターがあり、係員の人がいるが、別にチケットが必要な訳でもないので、スルー。

 お、早速、水道記念室なる展示スペースがある。
 札幌市の水道の歴史をメインに据えた展示で、開業当初からのメーター類や、業務に使っていた自転車やオートバイが展示されている。自転車に道具を収納して街の中を走るという光景は、格好良い感じだ。よく考えると、高校の部活の先輩が水道関係の役人だった気がするが、曖昧にしか覚えてないな。
 オートバイは歴史を感じさせるが、原付なのかオートバイなのかは不明。
 しかし色んなメーターがあるな。
 浄化に関わる塩素の量とかもメーターで計られる訳だ。こんだけの大量の水は扱いに苦労するんだろうなぁ。
 見ていると、何やら壁向こうで子供の声が聞こえ始めた。
 ああ……あのバスは学校の遠足か何かなのか?
 これは面倒だな。

 子供と大人が並ぶと、自動的に大人が不審者扱いになるからなぁ。
 あんまり接触をしないようにビクビクしながら、順路を進む事にする。
 ロビーから正面に繋がるエスカレーターを進み、順路に沿って進むと、また展示スペースになった。
 水工場なる展示で、資料展示というよりも、青少年科学館風の水道に関する知識が付くものが並んでいる。
 ガラス張りで水道管が通る様子が見える床がある。ほう、水漏れの時の補修器具というのは、挟んでボルト締めするのか。隙間からこぼれそうだが、案外どうにかなるのか実際には多少洩れても大丈夫なのか。
 水の豆知識もあるな。とある日の水道の使用量が、深夜なのに一気に増えた理由とは? と。答えは、ワールドカップの試合が終わったタイミングだそうな。なるほど。みんながトイレに行くだけで、変わるものなのだな。だとすると、エンジェルハイロゥのような洗脳兵器を使って、同一の時間に便意を催させたとしたら、水道が枯渇してインフラが一時的に麻痺するかも知れない。恐るべし、ザンスカール帝国。洗脳兵器があるならば、もっと有効な使い方で世界を滅ぼせるだろうと考えるかも知れないが、そういう傍目八目なツッコミは、当事者は意外と気付かないもの。
 例えば、ディオの館にアブドゥルが火を放てば良かった、というのは、火災に対する備えが特になかったと分かったからこそ言える話である。そもそもディオは、全焼したジョースター邸や、爆発した客船から生還しているし、波紋が完全に入った状態でも目を離したら首だけで逃げ延びるような、ラスボス補正の塊のような存在である。スタンド能力も分からないのに、火を点けたら勝手に焼け死んでくれるだろうと考えるのは甘すぎる。目の前で、それが影武者でも肉体の一部でもない事をはっきり確認した上で、細胞一つ残さず消滅させてようやく倒し切ったと考えなければならない。実際、他の世界へ移動する能力であるとか、冷却する能力であるとか、相手の能力を暴走させる能力であるとか、放火では裏目に出る能力も充分存在し得るのだ。

 階段を一つ降りると、街の通りっぽい作りのアクアタウン。なのだが、ここで小学校グループと遭遇した。
 色んな客がいる中での小学校グループなら良いんだが、社会見学グループの中に大人が一人か二人な状況ではなぁ。面倒にならないうちに立ち去ろう。
 ふむ、マンホールの位置を表す標識はそんな風になってるのか。コンビニみたいなのがあるな。体験学習みたいなのらしいが、どういうものだかよく分からないな。
 あまり広い印象はないが、色々と詰まっているな。
 こうして、後半急ぎ足で、水道記念館を出た。

 その後、記念館の前の広場の展示を眺める。
 ほう、でっかい水道管の輪切りだ。
 滑るので入るな、と書いてある通り、ツルツルだ。
 デコボコしていると水圧に負けるって事なのかな。
 こっちは水道管を――なんだ、組み合わせて作ったオブジェで実際に使われてる何かではないのか。

 それから、山を少し通る道を抜けて、ロープウェイ乗り場まで歩いてから帰った。


<出費>
交通費:520円(地下鉄 琴似――幌平橋――琴似:ドニチカきっぷ)
計:520円


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