思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2016/1/25 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第81回 ガールズ&ヴァーゲン:札幌モーターショー

 乗用車が三度の飯よりも好きな自分にとって、モーターショーは何を置いても行くべきイベントである。金がなければ女房を質に起き、時間がなければキャンセル出来る限りの用事をキャンセルして行かねばならないものである。
 さて、今回の別名「ごんぱちが今までの人生の中で、一度も行った事がなかったり、やった事がなかったりするものを行う企画」は、札幌モーターショーである(二行目にして矛盾)。

 地下鉄の中吊り広告で、札幌モーターショーの情報を見かけた。
 んー、時折目にしていて行ってないイベントだな。多分、合唱をやっていた関係で、丁度この時期は二月のステージ(札幌ヴォーカル・アンサンブルコンテスト)に向けた練習が入る事が多くて行けなかったのだと思われる。同様の理由で行けてなかったものに、ボディビルダー大会がある。今度は行ってみたいものだ。
 モーターショーと言えば、おねーちゃんである。
 自動車には興味は薄いが、おねーちゃん目当てという目的も合成すれば、多少は行く甲斐もありそうだ。0.5と0.5を足せば、1になるの道理(掛けると逆に小さくなるのは内緒だ)。

 当日。
 前日にFALLOUT4を延々と5時ぐらいまでやっていた為、起きたのが午前10時だった。
 いつぞやに見切り品で買った素で作った桜エビご飯を食べる。まずくはないが、見切り品で四〇〇円もしたのに、さほど旨くないな。オキアミじゃなくて本物の桜エビを使ってるからだろうか。
 それから、一風呂浴びて、区民センターの図書室で本を借りて、ケアマネ資格証の更新の為に近所の写真屋で証明写真撮って……と、やるうちに地下鉄に乗ったのは14時頃だった。
 ドニチカきっぷでフリーパス。大通りから東豊線に乗り換えて、福住へ到着ー。

 ん、何となく混んでる。
 通路の仕切りも機能している状態で、警備の人やら何やら交通整理をしている。
 そんなに客が呼べるイベントだったのか、札幌モーターショー。
 イトーヨーカドー出口から札幌ドームへ向かう。
 勝手知ったる道だが、人通りが多く、雪も氷の上のシャーベット状になっているので歩き難い。
 主観的に微妙に遠い道を歩くと、作り終わったアルミ箔製のポップコーンフライパンみたいな銀色で膨らんだ物体が見えて来る。
 札幌ドーム到着ー。
 おうおう、結構人がいるなぁ。
 通路はこっちで、案内図を(チラ見)――え、当日券売り場、南ゲートだけ(勘違い)? 南ゲート行くか。
 南ゲートを向かう途中で、連絡通路を通ると、子供達の描いた未来の車の絵が飾られていた。
 通り過ぎつつ眺めると、まん丸い自動車(?)の絵があって、「障害者でも乗れる。命令すると走る」みたいな説明が付いていた。
 まん丸い物体の中に入ったらミンチになりそうだが、二重構造にしたらそこは解決するだろうな。その発想自体は既に存在する気はするが、ほとんどが四輪車ばかりなので、目の付け所はシャープかも知れない。ああそれから、絵を見ていた人が「バイクがない」とぼやいていた。オートバイの人気の低迷もあるだろうけれど、札幌だと余計に影が薄いだろうな。冬場に走ってるのは郵便配達のカブだけだし。

 当日券売り場にたどり着いて、ようやくチケットを購入する。一般1300円也。この手の見本市としてはそこそこぐらいの値段か。
 中に入る前に、手荷物検査という事で、バッグの中身を見られる。
 ペットボトル類がないか、との事。
 人が集まるところだとそういうのあるんだな。
 他の客がチェックの後で「『危険物じゃない』って、中身を飲んで見せたら良いのかな?」というような話を連れとしていた。
 どうなんだろう。地下鉄サリン事件のように、毒ガスを封入される心配もあるけれど、何らかの機械的なギミック(つまり爆弾)も想定されているのではなかろうか。その場合、ラベルで半分かくしてダミー用の飲み物を入れるという手も可能だろう。
 仕切られた通路を道なりに進むと、観客席の上の方まで登らされようやくスタジアム内に入る事が出来た。
 おお。
 芝生の外された球場のグラウンドに、各社のブースが作られ自動車が展示されている。その周囲は人だらけ、なのが、観客席の高い位置なので、見下ろす事ができる。
 なんかもうお腹いっぱいの感じだが、一応下界に降りるとしよう。
 観客席は休憩スペースとして一部が使われているようだが、グラウンドには飲食物の販売所もないから、あまりここに座る意味もないような気がする。家族内で温度差がある場合は「オレが見ている間、お前達は弁当をそこで食べてて」てな感じで役に立ちそうだが。
 急な階段をそろりそろりと降りきった。
 おおう、人だかりに自動車、そしてコンパニオンのおねーちゃん。
 人だかりが特に多いところは、おねーちゃんがいるところ。
 わかりやすく綺麗どころを揃えている。大半がロングヘアなのも、それっぽいと言えばぽい。何となく水着のイメージだったが、そこまでのものはなかった。へそ出しはあったが。後からネットで調べてみると、中国のはなんか過激らしい。ボディペイントとか。
 おねーちゃんが必要であるかどうかについては毎度議論が成されるところであるが、生物が最も注意を払うのは生物だから、人間を添えておいた方が商品に目を留める率も上がるだろうし、全く無意味という事もないのだろう。
 髪型やら化粧やらの方向性が何となく似通っているのは、ゲームショーのコンパニオンのおねーちゃんのヘソ出しやらツインテだったりするのと同じように、購買層の好みなのだろう。具体的に言えば、バブル期のワンレンボディコンからの正当進化という感じがする。
 綺麗だったり露出が多かったりすると長いカメラ持った人がたかりやすいというのは、まあ当たり前の動きではあるな。別に否定はしない。何となくそういうのは目は惹かれるしな。

 しかし、これだけ混雑していると、足を止めて展示を見る事が難しい。
 見本市というのは、最先端の商品の凄いところをプレゼンするものというイメージなのだが、動かない自動車におねーちゃん、詳細はカタログと職員から直接、というのはな。
 何というか、おねーちゃんで集客も正義なんだけれど、性能を見せて欲しい。直感的な方法で見せて欲しい。衝突安全機能でどんな感じに止まるか、とか、バック時のモニタとナビゲーションがどんな風に機能するかとか、そういうのがふらりと通りかかる程度でも分かるような展示にして欲しい。
 福祉用具展なんかだと、ベッドが身体に合わせる形で複雑に起き上がったりとか、パワーアシストスーツの実演だとか、自動で閉まるドアを動かすであるとか、ワンタッチで調整可能な手すりであるとか、見せる事が出来ていた。
 自動車は動かすにはスペースがいる上に、排気ガスも出るから難しいには違いないが、何とかならんのだろうか。そこらを解決しないと結局、おねーちゃんを見に来るだけのイベントになってしまい、それであるならば、Japan adult Expoが頂点になるだけの事である。
 斯様に見本市業界に対する未来を憂いながら、札幌ドームを後にした。
 その後、どこかで食事をしようかと思いながら、特に思いつくものもなく、家に帰って昨日の残りのニラと豚バラの炒め物を食べた。
 ニラは優秀。


<出費>
交通費:520円(琴似――福住――琴似 ドニチカきっぷ)
入場料:1,300円(札幌モーターショー)
計:1,820円


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