思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2016/10/30 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第90回 たんたんたたん、たん:チャリティ展 夕張美術館コレクション』

 今月、どうも行き先がしっくり来なかった。
 休日、起きると昼ぐらいになっているし。

 Q:何でだろう
 A:ペルソナとかやって夜更かしするから。後、シヴィライゼーションとかも。

 何となく行ってみて空振りだったりしながら月末間近、午後に半休を取った日。
 会社帰りの足でヨドバシカメラの札幌店に来ていた。ネットがここ数日妙に遅く、ぼちぼちジェイコムから光に乗り換えるかなぁと思っていたのだ。しかし、電話屋の窓口はネットの相談を受けているのかがよく分からず、ヨドバシカメラ独自の「インターネット相談窓口」も先客かいて待たされそうだったので、またの機会又はネットで注文とかにする事にした。

 さて……昼は何にしよう。
 札幌駅は物価の高い場所であるし、味のさして分からない身で金を使うのもアホらしい事だが。
 回転寿司のとっぴーは最近ご無沙汰だが、せっかくなら新しいものが良い。
 曖昧なまま、札幌駅直結のビル「エスタ」のレストラン街へ向かう。
 ん、チャリティ展の夕張の美術館コレクション? ふうん、上のホールでやってるのか。後で行ってみても良いかな。

 んー、とっぴーはそれほど混雑してない様子だけど……中華、韓国料理屋、それから……こっちの区画はラーメン共和国。

 ラーメン共和国。

 ラーメン横丁ではない。札幌名所ミスリーディング三傑の一つ(残りの二つは、羊ヶ丘のクラーク像と、北大メインストリート沿い偽ポプラ並木)のラーメン街。

 んー、この手のフードテーマパークってのは、割りが悪い感じやら何やら微妙な入り難さがあるが、一度も入った事がないのも何なので、覗いてみるか。
 昭和をイメージした薄暗く曲がった通路沿いに、神社っぽい飾りや鉄道っぽい飾りがあり、それから土産物屋が一つと、北海道各地のラーメン店の八店が並ぶ。屋台村とかフードコートの形式ではなくて、一つ一つが店舗として独立しているようだ。別に妙な独自ルールもなさそうで良かった。
 これがチケット買うだとか、共通食事券がどうとかだと嫌になっているところだ。ちなみに、公式サイトをみると、店長がほとんど全員がタオルはちまきに腕組みという……先に見ていたら行かなかった可能性がかなり高いビジュアルだった。
 見覚えがあるような店とないような店が混じり合っている感じだが、実際に食べた事のある店はないな。つか、入った事のあるラーメン屋がそもそも少ない。
 えーと、正直どれがどうというイメージも湧かないので、ひとまず店の前にたまに掲げられているメニュー写真を見ながら店を選ぶ事にする。ふむ、無闇に混雑していなくて座りやすそうだし、エスタ限定のメニューもあるというのが見えた「白樺山荘」に入る事にする。
 尚、店はしばしば「卒業」して入れ替わるらしいので、諸兄が後日来た時に同じ店に入られるかどうかは運やらなにやらにかかっているので、悪しからず。
「いらっしゃいませ、お一人様ですか? カウンター席へどうぞ」
 カウンターという名の、一人がけ席を並べたものに座り、足下の布製の箱にバッグを入れる。あくまで、ビルの一区画に仮設したものなので、本物のカウンターはないのだ。
「ご注文は何になさいますか?」
 メニューを手に取る。入り口で目に付いたヤツがないが、裏返すと……あった。
「――この炙りチャーシューメンってのをお願いします」

 注文を出して少し落ち着いたので、改めてメニューを見る。
 定番のメニューの他に丸い餃子や、焼きシュウマイなんてのもある。ご飯の一つも頼んだら良さそうだけど、まあいいか。
「エプロンお使いですか?」
 店員さんに声をかけられる。
 エプロン?
 焼き肉はともかく、ラーメンでそんなに汁が飛んだりするもんかな? ふとお隣さんを見ると紙製のエプロンを着けていたので、貰っておく事にする(日本人的)。
 さて、それから。
 目の前に、カゴに入ったゆで卵があるのだが。
 ゆで卵無料がこの店の特徴らしい。
 って、そんなにラーメンの時にゆで卵って食べるのかな? まあ調理例には大体入ってたりするけど。
 んー、そんなに山ほど食べたい気分でもないので、一つぐらいにしておくが、さて、いつ剥いたものか。殻入れはあるけれど、剥き終わった卵入れがない。剥いた後に、殻の破片の上に置くのもなんだかなぁと思うし、手に持ち続けるのも嫌だ。迷ううちにラーメンが来た。
 控えめサイズのチャーシュー5、6枚と、白髪ネギ、メンマと、海苔と、キクラゲと。
 まずはスープを一口。
 味噌ラーメンだが、いわゆる辛味噌ラーメンとは異なり、マイルドで濃厚な感じ(別メニューで辛味噌はある。トッピングでバターとかはある)。
 チャーシューは、ふむ、小ささもあって、さっと融けてしまう感じ。
 麺は太麺。
 うん、ずずっ、うむ、ずずずっぞっ。
 なかなかうまい感じはする。
 剥きかけのゆで卵は、ラーメンを食べる合間に剥いて、囓ってはラーメンをすする。
 ラーメンが脂っこいので、卵があっさりに感じるな。
 うんうむ、ごちそうさま。
 エプロンを見ると、あちこちに飛び散った跡があった。遠慮せずに啜っていたのも確かだが、こんなに飛んでるもんか。

 支払いを済ませてラーメン共和国を出た後、階段を上がり、先ほど目に付いた夕張市美術館コレクションとやらを行っているプラニスホールに向かう。
 受付のお姉さんが、カウンターから声をかけて来る。
「美術展をごらんになるのでしたら、入場券はこちらです」
 ああ、有料なのか。
 この前、新幹線絡みの写真展が無料だったから、あんまり金を払う意識がなかった。
 五百円払って中に入る。
 展示されているのは、炭鉱関係の絵画……だけでなく、色々な作品がある。チャリティ展という事で、夕張に縁のある人やら作品やらが集まっている訳だ。
 この前、夕張の石炭博物館に行ったせいか、炭鉱に降りていく労働者の図やら何やら、そこはかとなく既視感がある。
 炭鉱の風景で、ボタ山を描いたものもある。空の色が鮮やかな感じがあるな。絵の善し悪しの直感的な見方として、「部屋に飾るならどれを選ぶか」というものがあるが、それで言えばこの辺が一番かな。人物画は落ち着かないだろうし。
 一通り見終えて、会場を後にした。


<出費>
食費:1,150円(道産豚の炙りチャーシューメン:白樺山荘)
交通費:830円(札幌市営地下鉄一日乗車券)
計:1,980円


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