思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2016/11/29 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第91回 デーモン族の勇者アンモ:特別展示「北海道アンモナイト化石の美と魅力」札幌市博物館活動センター』

 今日も今日とて、行き先を求めてサイト「大通り情報ステーション」を眺める。
 六花亭ファイルとか、出展募集とかまであんまり載っけないで欲しいが、まあ全部で百件前後しかヒットしないから別に良いか。
 情報を見るうちに「アンモナイト」の文字が目に留まった。
 博物館系か。お手頃だな。
 丁度文化の日なので、文化っぽい見学もしたいところだ。
 で、どこの博物館だ?

「札幌市博物館活動センター」

 ……何これ?

 少し調べてみると、札幌市に博物館を作ろうというプロジェクトがあり、これが中断したり何たりでまだ完成に至ってないのだが、その準備組織? 施設? のようなもののようだ。
 ふうん、そういうのもあるのか。
 いきなり箱を作って中身が沸いて出る訳でもないので、研究を途切れさせず人の居場所を作っておくという感じか。

 場所は……澄川、と、大通り近くにもgoogleマップではマーカーが出るが、これは澄川の方か。
 澄川は、札幌市営地下鉄の南北線真駒内行きの、自衛隊前駅の一つ札幌寄りにある。
 地図で見る限り、少し歩くかな? ちょっと入り組んだ道っぽいので、ストリートビューでルート確認してから、更に少しぐだぐだして昼前ぐらいに出発した。
 多少頑張れば自転車で行けない事もない距離だが、時間が結構かかるし、雨模様だし、祝日でドニチカキップが使えるしで、地下鉄使用に決定。

 地下鉄東西線から大通駅乗り換えで一路澄川へ。

 道中『小公女』など読みつつ。
 この話、結構前に読んだ事があったと思うが、記憶はイマイチ微妙だ。図書館で借りるだけかりて、読みかけで返した可能性もある。何となくオチや展開は分かるのだが、児童文学の類であるから、展開が単純という事かもしれないので、これをもって既読の記憶とするのも少々根拠が薄弱だ。尚、『小公子』は読んだ覚えは間違いなくある。
 この版、平易な訳が当たっていて読みやすい。
 というか、なんというか、これ、ロリ萌えアニメとかと同じ地平にあるものだな。
 主人公のセエラ(訳文ママ。セーラと読む場合があるのは知っている)の描写が、ご近所の誰もが認める美少女とは違うが(ケバいブロンドをずらす辺りがロリコン)、黒髪で目が大きくしなやかな体つき(グラマー回避は完璧にロリコン思考)で、学習能力旺盛で本好き、想像力豊かで思いやりが深く、何不自由なく暮らしているが人格が高潔で奢って堕落する事がなく(この辺も当然ロリコン)、母を亡くしてパパっ娘(この辺も年季の入ったロリコン)。
 作者は女性だが、『小公子』の手際とも合わせ、ラノベ的手法の先駆だったのかも知れない。というか、小説というものは元来そういう娯楽性の強い文学で、権威が付いたのは「字いっぱいだと難しいでやんす」と思考停止するのび太気質の誰かが言い訳の為に付けたもののような気がする。

 澄川駅へ到着。
 “地下鉄”に乗っていたかと思ったらいつの間にか地上に出ていたぜ!
 で有名……かどうかは知らない。
 あ、雪ちらついてる。
 雪の降り始めの光景を見られるのは居住者の特権のようなものだなぁ。
 以前にも言ったかも知れないが、雪の降り始めで一番面白いのは、札幌市街から見上げる山である。これはもこもこの羊の毛みたいに見える。翌日にはその質感が失われるので、旅行中に初雪に遭遇したら是非見ておくと良い。
 ええと……こっちの交差点を右に曲がって後はしばらく道なりで……ん。
 なんだこの坂。
 そっか、ストリートビューの見え方の問題か。ストリートビューって、坂が平らに見えるんだよなぁ。あれはどういう理屈なんだろう。ある程度立体視が行われないと坂は認識し辛いって事だろうか。
 丘一つ超えると小学校の前に出た。それから、ああ、あれだ。なんか、市営っぽい建物がある。
 札幌市博物館活動センターへ到着ー。
 入り口の前にポスターが掲示されている。

 中に入る、と。
 入り口脇に事務室に繋がる受付窓があり、狭めなロビーがあり、直進の廊下と右へ続く廊下がある。
 あまり一般公開を想定していない感じの建物だ。
 元々、博物館準備が目的だからなのだろう。
 ええと会場は……こっち、あれ? なんか違うな。アンモナイトを使ったアクセサリー作り体験の会場(予約制)? 違うこっちか。ああ、あった。
 中学校の教室より一回り大きいぐらいの部屋にパネルと実物のアンモナイト化石が展示されている。
 よし、端から見て行こう。
 見学者は自分の他に親子連れが一組いる程度でガラガラ。
 ふむ、アンモナイトだ。
 アンモナイトの語源は、エジプトの神のアモンの角の様子と似ていた事から――そうなの?
 こっちは、岩に埋まっている化石をわかりやすくするために、水をかける事ができる展示。ほほう、これだけくっきりと現れるのか。なるほど、化石が周りの石との見分けってのは、こういう風に付くんだな。
 こっちの標本は、発見時の状況の説明書きが付いている。
 「見つけた時は、赤や青に輝いて……」
 え? 化石が? どういう事?
「何か興味の湧くものありましたか?」
 読み返していると、職員の人が声をかけてきた。
「ここに書いている色って一体?」
「ああ、こっちのなんかは保護材使ってるからこれ以上劣化が進まないよ」
 別の展示されたアンモナイトは、確かに角度次第で油膜っぽい感じに光って見える。
「瑪瑙化して綺麗なのもあるね」
 そうか、瑪瑙化か。
 へえー。知識にはあったが、そことアンモナイト繋がらなかったな。なるほど。
 こっちはいわゆる畸形のアンモナイトか。
 進化の過程でなんだかこんがらがっちゃった、という説明を以前読んだが、昨今の研究ではこれはこれで類型が存在して一つの形態として成立しているとの事。
 確かに、単にこんがらがってるだけじゃなくて、一定の法則で巻く以外の形を取っている。
 そのほか、アンモナイトを使ったアクセサリーの展示等、一通り見終えて、会場を後にした。

 発見時の状況とかも書かれていて、なかなか楽しめたな。
 職員の人は、いわゆる見学者相手というか、本当に普通の職員の人が良い意味で片手間にやっている感じだった。


<出費>
交通費:520円(ドニチカキップ)
計:520円


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