思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2016/12/31 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第92回 ろっかてーさぷらいずど:六花亭札幌本店

 ごんぱちの魂はロックなので、茶を飲む時は六花亭を茶請けにするのが定番。これが本当のロック、ア、ティー。
 という駄洒落を考えたんだがいかがなものか。

 六花亭である。
 北海道の土産物の一手に引き受ける、老舗の菓子屋である。マルセイバターサンドを筆頭に、白い恋人、山親爺、バームクーヘンの三方六、チョコポテトチップス、じゃがぽっくる、わかさいもなど、ヒット商品を次々と生み出している。
 嘘です。よそのも混ざっています。これがいわゆる「お母さんはPS4の事をファミコンって言う」の法則!
 ……多分今はそういう事はないのだろうなぁ。小学生の親ぐらいの年齢だと、物心ついた時にはスーパーファミコンやらプレステやらあっただろうし、ハードを一絡げに呼ぶにはあまりに知識がありすぎる。

 六花亭の札幌本店が札幌駅の近くにあるのを、割と最近に知った。
 というか、北五条手稲通りに面したその店、目の前を何度となく通ってたのに、ちっとも気付かなかった。
 よし、行ってみよう。

 ただの菓子屋の本店に過ぎない?
 いやいや、限定品があるらしいのですよ?
 マルセイバターサンドのアイス版だとか。

 当日。
 ドニチカキップで地下鉄に乗り、一路さっぽろ駅へ。
 雪はあんまりなかったのだが、部分的に残っていてハンドルを取られる可能性があったので、自転車は封印。
 ちなみに、さっぽろ駅は地下鉄駅で、札幌駅がJRの駅である。路面電車は、いずれもアクセスしていないので、地下歩行空間を大通り方面へ延々歩く事になる。
 さっぽろ駅から地上に出て、JR札幌駅の駅ビルの南側を通る北五条手稲通りを植物園方向へ歩く。
 えーと、こっちの……あった。
 これは、目立たない。
 立体駐車場に挟まれる形で六花亭札幌本店のビルはあるのだが、このビルを少しくりぬいて入り口が作られているような作りなのだ。そしてあろうことか、そのくりぬいた「内側」の壁に「六花亭」の看板が掲げられているのだ。
 歩道をぼんやり歩いていた場合、手前の壁に遮られて看板が全く見えなくなるのだ。
 看板というのは、少しでもビルに目をとめれば自然に飛び込んで来るように「道路に面した壁」に付けるか、さもなければ、通行人の真正面に来るように道路と直角に交わるように「出っ張る形」で掲げるのがセオリーだと思うが、六花亭のそれはわざと目立たなくしているようにしか見えない。おまけにgoogleマップのストリートビューに上がっている写真は、なんかの加減で閉店している時を写したらしく、入り口が塞がっているものが掲載されている。
 ウェルカム感の乏しい入り口だが、めげずに入る。
 ビルの切り口の置くにガラスの自動ドアがある。
 中に入ると、エレベーターがあり、フロアの案内が掲示されている。
 ん、ホールとかもあるのか、なるほど。
 文化絡みの施設にしたかったのかしらん。
 六花亭はおしゃれな感じはあるからな。何となく。
 さてエレベーターには乗らずに奥に行くと、販売スペースになっていた。手前には階段があり、二階の喫茶店に繋がっている。
 まず、販売スペースをちらりと眺める。バターサンドを筆頭に、チョコレートやクッキー、クリスマス企画の詰め合わせ、生菓子など、通常の六花亭とそれほど変わらない品が並ぶ。
 さほど見るべきはないな。
 よし、喫茶店に行こう。
 二階へ上がる。
 上がってすぐのところに、レジカウンターがあり、いわゆる喫茶店として店内に入るか、その場で菓子や飲み物を買ってレジ前のテーブルで立ち食いするか、の選択が出来るようになっている。
 立ち食いの方が安上がりだが、せっかくなので店内に入ってみる事にする(明確な仕切りが付いている訳ではないので)。
「お好きな席へどうぞ」
 言われるままに、真ん中あたりの席に座った。
 メニューを開く。
 まずは噂のアイスサンド、それから何かケーキ類を。札幌本店限定のチョコレートケーキがあるようなので、これを頼んでみる事にする。飲み物は紅茶にしよう。
 注文を終えて、辺りをみまわす。
 若い女性やら、観光客の老夫婦やら、商談中とおぼしきスーツの二人組やら。
 店内は明るく、壁には六花亭の花をモチーフにした飾り皿も数多く見られる。
 しかし明るいな。喫茶店って薄暗いイメージだったけど。
 まあ実際のところ、そのイメージの店とは根本的に違うから仕方がない。
 待つ事暫し、注文したものを店員さんが持って来た。
 ふむ。
 紅茶とアイスサンド、それからチョコレートケーキ。
 紅茶はポットに入っているが、葉っぱはないタイプなので、湯を足して貰うとかは出来ない様子。
 まずはアイスサンドを。
 ビスケット三枚の間にアイスクリームの層が挟まれているものを、上下の切って盛り付けてある。
 つまむと二つに分解するな。
 ふむふむ。

 ぱりぱりした食感と、レーズン入りのアイスクリーム……なるほど、バターサンドのアイス版。

 ではないな。
 全く違った。
 ビスケット生地が、クラッカーみたいにぱりぱりしているところからして、ソフトなバターサンドとは全然違う。

 後から公式サイトを確認したら、製法も材料も違う別物だが、客はバターサンドのアイス版と思うらしい、みたいな事が書いてあった。
 誰だ、そういうの最初に言ったヤツ。

 で味自体は悪い訳ではなく、なかなかおいしい。
 だがそのおいしさはかなり寿命が短いようで、その証拠に注文を受けてから作るという扱いである上に、そのすぐに作ったものであっても、ビスケット部分とアイスクリーム部分の親和性が低く、簡単に外れる。
 なるほど、本店でしか出せない(=流通に乗せにくい)訳だ。

 ケーキの方は、と。
 ふむ、濃厚なチョコレートケーキ。柔らかめなチョコレートをかじっているような感じで、ボロボロ崩れて食べにくい。かかっているソースはヨーグルトソースのようで、絶妙というほどの相性は良くないが、パサパサ感は緩和される。
 ふむ、ふむうむ。
 よし、ごちそうさま。
 他にも色々興味の湧くものもあるが、それはいずれ別の機会、という事にしよう。
 レジで支払いを済ませ、菓子売り場をもう少し眺めてから、六花亭本店を後にした。


<出費>
交通費:520円(ドニチカキップ)
飲食費:プレミアム25チョコレート札幌本店限定:480円
    マルセイアイスサンド:200円
    オリジナルブレンドティー:390円
計:1,590b円


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