思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2017/2/23 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第94回 滑り台まつり。シャー!(かつまた):雪まつりつどーむ会場

「札幌着いたよー」
「よおし、雪まつり会場で待ち合わせな!」

『今何丁目ー?』
「ドームの前ー」

 で、おなじみの札幌雪まつりのトラップ、つどーむ会場である。

 土地勘のない人の為に言っておくと、いわゆるさっぽろ雪まつりは大通りで行われるが、地下鉄で7駅ほど離れた栄町駅を最寄りとする「札幌市スポーツ交流施設 コミュニテイドーム(愛称:つどーむ)」にも第二会場が設けられている。
 歴史を紐解くと、第二会場は1965年から真駒内の自衛隊基地内に長く作られていたが、2001年の同時多発テロの影響で2005年に終了、数年の混乱を経てつどーむに落ち着いたという。案外長い歴史がある。自衛隊会場では大雪像や滑り台が売りだったようで、雪像の構築(名目上、野戦築城訓練)に当たる自衛隊の手間を考えれば遠出をする必要のない基地内は手軽で今よりも自然であったろう。テロリズム許すまじ。

 今まで何となく行かずにいたが、今回は適当なタイミングに休みも当たったので、行ってみる事にした。

 当日。
 朝イチで行くかどうか少し迷ったが、しばらく泳いでいなかったので、午前中は区民プールへ行き、昼食を軽く食べてから改めて出発した。尚、昼食はイオンで北陸フェアをやっていたので、「やまやま富山ブラック」「そうなのかぶら寿司」「おも白えび」で有名な白エビのかき揚げ丼を買った。衣分厚すぎ。値段が値段なので仕方がないが。

 相変わらずのドニチカキップで地下鉄に乗り込む。
 雪まつり期間の土曜日だが、あんまり混雑感が薄いな。
 でもまあ、こんなものか。
 本格的な混雑のイメージがコミケ基準なのがそもそもの間違いなのだろう。
 大通駅で東豊線に乗り換え、北上して終点の栄町に到着ー。
 シャトルバス(100円)も出ているが、さほどの距離でもないので歩く。栄町周辺は丘珠空港に行く時に通ったり、時折会社帰りにバスの加減等で来る事があるから、まあまあ感覚は掴めている。
 お、つどーむ見えて来た。
 白いな、ドームだな。
 人も割と増えて来た。
 丁字路に来たところで、左折禁止になっていて入り口まで歩行者天国になっていた。
 会場到着ー。

 ターミナルは、シャトルバスの乗り降りで人の列が出来ている。
 ん、右手にフォルクスワーゲンの試乗会場が出来てる。
 試乗すると何か貰えるっぽいが、なんだかんだで敷居が高いのでスルー。
 やっぱり、というか親子連れ多いな。
 お、アリーナ入り口の前に、そり置き場が大きめに作られている。一応言っておくと、あのよくあるカラフルなプラスチックのそりである。札幌辺りでは、雪の上を歩かせるのは難しいぐらいの小さい子は、そりに乗せて親が手で引っ張るのだ。要するにベビーカー代わり。雪の少ない地方では想像しにくいが、これは本当の話。
 雪のない場所? そこは子供でも歩けるでしょ。

 まずはドームのアリーナに入る。ドーム内にもアトラクションがあるようだが、そのまま抜けて屋外の会場に行く。
 ほお。
 人の背丈よりは大きい程度の雪像が手前に並び、奥に巨大な滑り台が一つ、それ以外にも氷の滑り台やら自転車型そりで下りる滑り台やら、滑り台の弁当箱(宝石箱でなく?)や! という感じ。
 ……雪の遊具は滑り台しかないんかい。
 よく見るとそうじゃないのもあるか。
 こっちは氷のグラス作り、こっちは雪の迷路? こっちはパークゴルフ場。ふむふむ。ホンダの除雪機体験展示もあるな。
 一つぐらいやってみたい気もするが、どれも混んでいて面倒そうだし、親子連れが多くて居心地悪そうなのでさらりと眺めるだけにする。
 しかしなるほど。眺める雪像より、参加型が多い。親子連れが多いも道理だ。
 大通り会場ではあのサイズの滑り台は作れまい。行列をさばくのも厄介そうだし、うむ、適した会場なのだろう。しかし、でかいなあのメインの滑り台。角度は結構ゆるやかに見えるが、実際にはかなりのスピード感はあるのだろう。チューブに乗っているからか、途中で後ろ向きになる人も多い。
 ざっくり眺めたので、ドームの中に入る。
 通路にプリパラとかのゲーム機が置かれていたが、これは元々……ではあるまいな。雪像にラブライブ! のデフォルメ集合体があったっけ。あ、大通り会場の雪ミクさんはチェック済み。悪くないけど相変わらず目の処理がちょっと違和感ある。ハイライトと瞳孔の表現を筋彫りではなく孔でやってしまうから角度が合わないと不気味になるんだよなぁ。かといって、ただの筋彫りだとすぐに融けて埋まるだろうし、あんまり単純化もしたくないんだろうし。悩ましいところだ。

 ドーム内に入ると、あの、空気で膨らませるタイプの遊具がそびえ立っていた。
 ふうむ、雪の滑り台に漏れた人を掬い上げる隙のない作りと言えよう。そっちは、ロッククライミング風か。
 後はフードコートが出来ているな。おしるこやらラーメンやらカレーやら。春巻き以外は結構混雑している。
 こっちへぐるりとまわると……ふむ、物販やら展示なにやら。
 VR絡みのものもあるが、行列になっているので後ろから見る程度にする。
 よし、これで一通り見終えた。
 んでは、帰ろう。

 栄町に戻り、大通駅で降りて、さっぽろファクトリーに向かう。
 なんか、初音ミクのイベントがあるとの事なので覗いておこうと思っていたのだ。
 勝手知ったるファクトリー……あ、いつものアトリウムで何かトークショー的なものをやっているのが見える。
 うん。
 色んなとこから客が来てるみたいなのを話しているが、エコーがかかっててよく聞き取れない。
 会場は椅子も用意されていて、びっしり人が入っている。
 ふうむ、ミクは今も人気があるのだなぁ。いや、興味のある人が集まっているだけか。
 外に出ると雪ミク仕様の自動車が何台か並んで売られていた。いわゆるイラストをがっつり載せた痛車ではなく、色合いとかワンポイントシルエットが入っているとか、控えめな痛車である。中はぬいぐるみだらけだが。
 向かいのホールでも有料でイベントをやっている様子だったが、入り口もよく分からなかったのでそのまま大通りに戻り、ブックオフやとらのあなを眺めて帰った。

 北海道、しかも札幌雪まつりは、雪ミク仕様のネタを色々仕込むから、特にマニアを見かける機会が多いのかも知れないが、どうであれ初音ミクが未だに人気を維持しているのだとしたら、一ファンとして喜ばしい。
 子供に人気があるという噂も聞いたが、実際にはどうなのかさっぱり分からない。一応客に子供もいたが。
 幾度か語ることがあったが、初音ミクというアイドルはその存在のあやふやさが面白い。
 いわゆるヴァーチャルアイドルは架空世界の登場人物であって、年齢にせよ好きな食べ物にせよあくまで架空であって、現実世界と地続きには存在しない。だが、ミクは「歌声を出すソフトに付けられた愛称」であり、現実に存在するソフトウェアである。そして我々はそれを知っており、その歌声にしか接点を持たない。でも、その歌声を継ぎ合わせる事で、各々がミクという曖昧なものを偶像として認識する。
 現実の設定の中だけで成立するという意味で、これはいわゆる現実のアイドルの認識過程と概ね同様で、ヴァーチャルアイドルや架空のキャラクタから一歩踏み込んだ存在になる。そこらにリアリティというより、リアルがある。ロボットに人格を見いだすその手の作品の主人公と同様な気分、とでも言おうか。
 これは恐らく一面的な原理主義的は発想であり、唯一絶対の価値観ではない事のは確かであろうが。


<出費>
交通費:520円(ドニチカキップ)
計:520円


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