思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2017/9/29 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第101回 黒犬ミサ:きたえーる SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR “THIRTY30FIFTY50

 2、3年会っていなかった友人とひょんな事でまた会い一席、設けたのだが、その後間もなく連絡が入った。
「スピッツのコンサートのチケットあまってるんだけど、行かない?」
 ふむ、スピッツの黒ミサは行った事がないな。
 特別信者という訳ではないが、知らぬ教団でもない。覗いてみようではないか、フハハハハハハ!

 当日。
 日曜日だったが、仕事の加減で午前中出勤、午後に半休を取った。
 遊行の為の怠惰は正しく悪魔に魅入られた信徒の行動そのものである。
 自転車の扱いにやや困ったが、丁度雨が降るの降らないのという天気だった為、麻生の市営駐輪場に停め、ドニチカキップを買って大通へ移動した。
 家に戻っても大した時間も取れないので、大通で時間を潰す。
 餃子の王将で極王焼きそばを食べて出た後には、もう15時過ぎで、16時30分開場まで経典一本聴く間程度しかない。それほど頑張って時間を潰すようなものでもなかったな。
 どれ、ブックオフやら、とらのあなやら見てみるか。
 あ、『生徒会役員共』の15巻、OAD付きがある。んー、今度買おうか。今日は荷物になりそうだから。

 生徒会役員共は、ジャンルで言うと学園下ネタラブコメ漫画で、無理矢理でも下ネタをぶっこむとことか、スズのツンデレの不発とか、主人公であるタカトシのツッコミのキレと天然から来るにやにや成分とかに定評がある。アニメーションにした場合、声が付く分ツッコミのキレ味が上昇しており、そのキレ味は読者の集合的無意識に空中元素固定装置をリンクさせる事で無数のツッコミの手を生み出し、地獄大元帥ぐらいは削り殺せるのではないかと思える程である。
 唯一の欠点は、少年誌連載のせいか、単行本のフォントがちっちゃい事。若い頃なら気にせず読めたんだけど、まあそういうもんだ。
 ちなみに今、次の巻をそれなりに楽しみにしている漫画類としては、生徒会役員共の他に、Kashimirのてるみな系以外、OYSTERの良さそうなの、ゆゆ式、おうちでごはん、ふらいんぐうぃっち、ドリフターズ、八雲さんは餌づけがしたい、辺りかな。
 八雲さんは展開次第ではつまらなくなる可能性は高い、やや不安定な物件。ネットで流れるエロのメタファーみたいなとこはさほどメインではない。クリームシチューのエピソードのようなものが白眉なのだが、作者の感性がそれかは分からない。
 ドリフは遅いのであんまり気にしない。山口多聞って名前、実在の人物の名前とは思えない程格好いいな。
 ふらいんぐうぃっちは絵柄がもう少しアニメに寄ると良い。人間はまだ良いが、猫はどうにかして欲しい。人間の延長で描くから違和感が出る、と、思っていたら「猫ではなく猫みたいな姿をした人」、という設定だと判明したが、ごまかされないぞ。
 おうちでごはんはカモの父親との話は微妙なのでこの辺拾ったシリアス展開はいらない、タマナ、キャラ付けは仕方ないけどぼちぼちその喋りは鬱陶しい。遠藤もっとひっかきまわしてやれ。はしばみさんはもう少しヒロイン枠に入り込んでも良いのではないか。
 ゆゆ式はネタが滑っても、キャラ達がやっている事だからというズルい構造で強い。でも、おかちーがゆずこ達のネタを自グループに持って来て試すネタは、なんかいたたまれない感が強い。こういうの分かる気がする辺り。

 ぼちぼち時間になったので、地下鉄に乗り込む。
 えーと、どこだったっけ。
 確か、豊平の何たら。
 あ、豊平公園駅か。
 東豊線の乗り場まで歩いて、10分そこいら。
 きたえーるには、セパタクロー観に来たっけな。
 やはり駅構内の通路が、行き帰りで分けられている。
 地下通路で直入れる筈だけど、まだ微妙に開演まではあるので、少し買い物の一つでもしようかしらん。
 じゃ、地上に出て……あんまり何もないな。
 まあ、そういうところだからきたえーるみたいなでかい建物が作れたんだろうけど。
 それなりに人だかりがしてるな、流石にメジャーな教団だ、信者も多い。
 手前の方のあれは何だ? 弓道場? 時々声がまとまって聞こえる。外から覗いている人もいる。弓道の大会中だろうか。

 あ、交差点の一つ向こうにローソンあった。
 飲み物を買おう。ライフガードがあるな、これにしよう。なんか妙にサイケなデザインになってるな。それから、小腹を抑える程度って事で小型羊羹を一つ。
 後はぼちぼち開場に向かおう。
 おうおう、入り口前に信者がたむろしている。
 グッズ売り場もあるな。
 屋内にはないのか。
 何かを買うつもりはないが。
 さて、中に入ろう。
 座席はアリーナ席だが、もぎりはスタンド席と一緒。
 中に入ったところで下に向かう階段に分岐して、ホール内へ。
 前方に祭壇が作られ、その両側からは煙のようなものが出ている。何となく霧がかかったようになっているが、なんなんだこれは、毒霧か?
 ひとまず座席座席……あった、あれだ。

 先に来ていた友人の隣に座る。
 って、近いな。
 砂かぶりじゃないか。
 生け贄の血飛沫とかが飛んで来たら、一張羅が台無しだが。
 椅子はパイプ椅子で、手作り感がある。
 黒ミサというと、合唱絡みばっかりだから、アリーナ席とかの概念ないしな。
 程なく刻は来た。
 下僕が黒ミサの始まりを告げる。
 怪しい光の筋が飛び交う中現れたのは、スピッツのゆかいな仲間達だ。
 信者達は熱狂に包まれ、アリーナはみんな立ち上がる。
 お隣の熟年夫婦は辛そうだ。
 こっちも割と辛いぞ!
 MCの時だけ座るスタイル。
 奏でられる様々な呪はどこかで耳にしたものや、そうでもないもの、子供達には聴かせられないハードなロックンロールっぽいものと、様々。
 立ち通しは疲れる。
 それから、足下に荷物を置いているが、何となく置き引きに遭いそうで気になる。
 それとさっきの霧は、光の筋を見せる為のものと判明した。
 MCでスピッツの軍団長は五〇歳だと話していたが、10万歳もサバを読むとは正に悪魔の所行。これだけの信者を熱狂させる理由が分かろうと言うもの。その他、北海道を持ち上げる甘言で誘惑をしていた。この手で魂まで奪い取るのだろうから、まったく恐ろしいものだ。
 そして全曲終わり、アンコールを経て終了。
 人類総悪魔化計画は、この北の大地をも浸食している事が感じ取られる黒ミサであった。

 その後、交通機関が軒並み混雑していたので、二人でぶらぶらすすきのまで歩いて、空いている店が少なかったのでさっさとノルベサまで行ってうおや一丁で飲んで地下鉄で帰った。
 家に戻って、とりあえず聖飢魔II聴きましたとさ。

 なんつーかなー感想としてはそうなー。
 嫌いって程でもないぐらいの曲で、カラオケで出て来たら「あ、これ知ってる」な感じなんだけど、こういうアリーナで立ってノリノリで聴けるかというと、そこまでワクワク感がない。
 自分としては、そういうノリノリは、シャウトが入るようなのが収まりが付く感じ。
 焼きそばと餃子だけを食べてるような、そこに白いご飯がないと、ってそういう感じ。おかずだけ食べてる感じ。
 人の好みはそれぞれ、という詭弁を使わないとすると、ノリノリはもう少し暴力的なヴォーカルでないと難しい。
 彼らの曲は多分、テレビ向き。ご飯食べたり、その後ゴロゴロしている、そういう生活感にするりと入る。で、ハードな曲にまでそういう雰囲気が残っている感があって、お迎えに行かないとのれない。
 聖飢魔IIの場合、少年漫画みたいな、誤用の方の中二病チックというか、そういうのだから、水木一郎とかそっちの方面と地続きなので、鉄拳を飛ばしたり、胸から炎を出したりして、最後に大爆発する感じ。逆に、こんなのを食卓に置いたらお醤油ひっくり返っちゃうけど、ライブでノリノリで、というのならやはりこちらに一日の長がある。
 結論を言うならば、聖飢魔IIはやっぱり良いんだなという事を再認識したライブであった。温スピッツ知聖飢魔II。


<出費>
交通費:530円 (ドニチカキップ 琴似――豊平公園 大通――琴似:札幌市営地下鉄)
入場料:7,900円 食費:5,000円(うおや一丁 他) 計:13,430円


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