思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2017/10/31 『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第102回 夢と消えぬる:竹久夢二展 札幌三越ギャラリー

 地下鉄の車内や駅構内で見かける宣伝ポスターは、行き先に迷う時になかなか参考になる。
 ちなみに、バスのポスターは、大体ツアー形式になるので利用に手間がかかり、それを考えてうかうかしているうちに忘れてしまうという流れになることが大変多く、さほど参考にならない情報の一つである。グライダーとか大人の工場見学とか興味はあるんだけどもね。
 今回は、地下鉄の広告で『ごはん展』があるとの情報を入手した。

 ごはん展。
 知る人ぞ知る、という情報であるが、ごんぱちはご飯好きである。
 なんと言っても、三度の飯と同じぐらいご飯が好き、ご飯をおかずにするほどではないが、主食にはするぐらいご飯好きである。
 もしも、ご飯とおかずの供給がストップされた世界に放り込まれたら、現地の食べ物がよほどおいしくない限り、ご飯を食べたいとぶつぶつ文句を言う事であろう。
 そんな自分が、これを逃す筈はなし。
 内容はどうやら、道産米の食べ比べとか、ご飯の友の販売、味噌の販売、とかで、なんか大通近辺のホテルのレストランが会場になっているようだ。
 内容や規模は多分大した事はなさそうだが、ご飯好きの誇りにかけて、参戦しようではないか。
 同じ日に何かやってるかな……ああ、三越で竹久夢二展やってるのか。点数少ないけども、無料のようだしついでに覗くのも良いかな。

 そして当日。
 自転車で行くかどうするか少し迷ったが、行きにバス、帰りに地下鉄を使ってみる事にした。
 札幌市街中心部ってのは、駐輪場所があんまり充実していないのだ。冬は乗れないからだろうけれど。
 徒歩圏内にあるバス停に……あ、丁度来た。
 よしよし。
 小樽、札幌間の路線は本数が多いので乗りやすい。つくづく交通の便の良いところだ。
 さて、大通までやって来た――と、バス停近くに北菓楼本店がイベントの案内を出していた。
 どれどれ覗いてみるか。
 いわゆる収穫祭系のフェアだな。
 この店は土産物とかの商品をよく作っているタイプだが、白い恋人の石屋製菓みたいな特徴的なものはあんまりない気がする。開拓おかきはシェアは大きそうだけれど、類似品が多く、名前にも特徴が薄いので分かりにくそうだ。
 多少食べてみたいみのもあるが、荷物持って歩きたくないし、まあいいや。
 さて、まずはごはん展……あれ?
 あ。
 会場の細かいホテル名とか番地とかメモってなかった。
 大体の位置は地図を見てたが、名前はなんか横文字系で、ピンと来ない奴だったから思い出せない。
 んー、大通と狸小路の間の……分からん。
 まあ竹久夢二だけでも良いか。
 三越へ向かおう。
 三越の場所もうろ覚えだが、確か大通沿いにあったし、でかくて入り口も複数あるから――よし見つかった。
 あ、ライオン像がハロウィン仮装してる。
 ハロウィンはトリックORトリートという行事自体は定着しているのか分からんけど、モチーフにした菓子類は多いな。それがうまいまずいというより、目先を変える事を良しとしているので、何だかんだで買う事がある。
 さて、ギャラリーの階を案内板で確認して、エレベーター……は、客だらけなので、エスカレーターを使う。
 衣料品、衣料品、アクセサリー。
 そればっかりでよく商業施設一つ保てるなあと思う。
 よほど儲かるのか、何かの惰性か。
 衣食住の一角だから、金が大きく動くのは当然のことか?
 或いは、衣類というのは、当該文化における最もメジャーな文化表現なのかしらん。

 ギャラリー到着ー。
 区画が二つに分かれていて、片方は通常の営業……ああ、このタイプか。
 ラッセンとかがあっても違和感ない「ギャラリー」。
 竹久夢二にも値札が付いている。
 店員の人が、客の熟年夫婦と話している。
 その隙に絵を観てしまおう。
 竹久夢二は『黒船屋』(黒猫を抱いた女)が有名だが、あの絵からも分かるよういにゅるっとした蛇みたいな身体をした女性画が多い印象だ。実際、ここにある絵もかなりそのタイプが多い。
 そして、まじまじと観ると、顔が結構漫画的で立体的な書き込みというより平面っぽいものが多い。目は離れすぎている。正直、ものによっては慣れない人が描いたイラストみたいで、上手くは見えない。数点、デッサンのしっかりした西洋画っぽいものもあった。こっちの方が上手く見えるが、特徴という意味では黒船屋風味の方があるので、どちらが良いとは言い難いのか。
 値段は数十万程度で、原板から再び刷った版画とかの類が100万円超えている感じ。概ねレプリカって事で良いのかな? 何だかんだで売れてる画家だよなぁ?
 さらりと観た後、営業かけられる前にギャラリーを後にした。
 絵を観る時は、「自分の部屋に飾るならどれか?」と考えながら、というのが素人にも分かりやすい鑑賞法だそうだが、今回のでそう思ったものは特にない。

 さて他に……上の階がホクレン主催の収穫祭イベントやってるな。覗こう。
 ふうむ、いつもの物産展だが、豆を売っている量が少し多いか。ここも、わざわざ琴似まで持って帰ろうという程の気がするものはなかったので、何も買わずにスルーした。

 じゃ、観るべきは観たから、遅い昼食でもとろう。
 どこか、で、んー。
 こういう時、大体迷うんだよなぁ。
 一人でふらりと店に入れる時と入れない時がある感じ。
 んー。
 ノルベサの中の店は……回転寿司屋あるけど、親子連れが入り口前で決めかねて立ち止まっているから、別を当たろう――まんがの森があるから少し覗いて……あ、これ、絶版でずっと探してた奴だ。アマゾンで調べた時、マーケットプレイスで10000円ぐらいの値が付いていたが、ここは定価程度か。適正価格がどの辺だかさっぱり分からないな。
 プレミア付いたものを、そういう値段でそういうものとして買った事というのはほとんどない。記憶に残っているのは、永井豪の「鬼」で、あれが状態やや悪いもので2500円ぐらいした。コレクション的なものというより、作品を読みたかったという方が強い。その後漫画文庫で出ているのを知り、今改めて調べると数百円程度の値段しか付いていないというオチが付く。文庫版が出て値崩れしたのか、元々ぼったくり価格だったのかは不明だなぁ。

 今ひとつ決めかねるうちに、すすきのまで来てしまった。
 んー、どこなり適当に入ればどうにかなるんだろうけれど、個人経営っぽい店って、ウェルカム感が少なくて敷居をまたぎにくい。
 んー、チェーンっぽいけど、このカレー屋にしとくか。
 ココ壱的な奴で、チェーンか何かかも知れないけど、入った事のない店だし。
 中に入り、食券を買ってカウンター席に座る。
 ああ、辛さが三段階選べるのか。
 ここは中辛かな。
 店員さんに券を渡す。
 あれ、辛さ聞いて来ないな。
 まあ勝手に中辛以外にされる事もなかろうし、任せりゃ良いか。
 待つ事暫し。
「スペシャルカシミールビーフカレー大盛りお待たせしました」
 ふむ、黒っぽいビーフカレーだ。
 肉がそれなりにごろごろとあるな。
 割と辛めか。
 カシミールってのがどの辺の意味なのかはさっぱり分からない。
 とりたててうまくもまずくもない。肉は軟らかいが全部がトロリとしている訳ではなく、ぱさつく赤身部分も残る。
 自分の中のカレーランキングというのは、
・上手く出来た時の俺様カレー
・実家レシピのナスと挽肉のカレー、ドライカレー
・普通に出来た時の俺様カレー
・外で食べる古典的カレー(リオなど)
・レトルトカレー(アレンジあり)
・外で食べる普通カレー(ファミレスや役所の食堂など)
・レトルトカレー(アレンジ、温めなし)
・外で食べる安物カレー(松屋や立ち食い蕎麦屋など)
 の、順位になる。
 根本的にカレーのルー部分は、具があってこそのものだ。その点、トッピング依存のカレーは味わいで劣る。煮溶かされているという考え方もあるが、食べ物には味と香りの他に、食感と色彩という要素があり、更に味にも緩急というものがある。ならケチケチしないでトッピングを足せと言う意見もあろうが、トッピングはあくまでトッピング、どこかで尽き、結果として馬脚を現す事になる。これを「コロッケを崩して混ぜ込む」みたいな食べ方で補うのはおぎょうぎがあまりに悪く、先の色彩・見た目の部分で酷いマイナスになってしまう。
 さて、食べ終えた……あ。
 福神漬けあるの忘れてた。この手の辛めなカレーはらっきょうや福神漬けを追加の具としてどさどさ入れて食べると丁度良いのに。
 失敗。

 後から調べてみると、入ったカレー屋「マイカリー食堂」は、松屋フーズの経営する店だった。カシミールカレーというのは、「デリー」という店のメニューが元で、黒っぽい色と激辛が特徴だそう。道理で辛さを訊かれなかった。


<出費>
交通費:380円 (JRバス 西区役所前―210―北1条西4丁目 大通―250(乗り継ぎ80引き)―琴似:札幌市営地下鉄)
食費:990円(カシミールビーフカレー大盛り:マイカリー食堂)
計:1,370円


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