思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2018/1/31『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第105回 MAP平気:スイーツドリームイルミネーション 白い恋人パーク
 琴似に住んでいると、通常の札幌市内の移動は地下鉄で、それ以外の遠出はJRとなる。
 すると、札幌駅は通過するばかりになりそうだが案外そうでもなく、ヨドバシカメラやら何やら札幌駅近辺で用事を済ませると、JRの札幌駅からの移動となる。
 で、その札幌駅に、白い恋人パークの宣伝がされていた。
 一度行った事がある場所だが、北欧風? のイミテーションの庭園やら、白い恋人の工場やら、土産物屋やら、チョコレートカップの展示やら、サッカー場やらがあり、面白味はそれなりにあるが、テーマパークとしては不十分であり、土産物屋としては十分過ぎるという、まあそんな感じのところである。
 この手の施設の常として、冬のイルミネーションがあるという程度の話かと思ったのだが、今回、それにプロジェクションマッピングシアターとやらが加わる様子。

 プロジェクションマッピングというと、雪まつり会場で最近の売りにしているヤツだ。従前、平面のスクリーンにしか投影出来なかった「映写」を、高度に制御する事で立体物や動く物などに投影出来る技術だ。雪像で行われたものでは、雪像の建物をオリジナルのカラーリングのように見せる、なんて事が出来ていた。

 ふむ。
 ちょっと面白そうだし、近場で手頃だし、一度行ってみるか。

 翌日に勤務がない日を狙って、仕事帰りに行く事にした。
 帰りの地下鉄を終点まで行くだけののでどうという事はない。
 宮の沢到着ー。
 尚、札幌には「宮の森」という地名もあるので、混乱しないように。
 宮の沢は上手稲神社に由来があり、宮の森は北海道神宮に由来がある。
 北海道神宮は円山公園で、森の地形であると認識しておくと間違い難い。後、宮の森という地下鉄駅はない。

 白い恋人パークへの道なんというのは、日常的な生活圏内に近いので、迷うも何もないが、あまり寒いところを歩きたくないな……。
 あ、案内表示がある。
 ふむ、こっちの……ちえりあ(区民センターとか文化センター系の建物)の中にも案内があるな。
 前からあったっけ?
 ちえりあを案内通りに抜けて、裏口から出ると、右手にブックオフ、そこから道路を渡って、白い恋人パークに到着ー。
 交通整理の警備員の人が出てるな。
 結構人が来るのか。
 何らかのツアーでも回る場所になっているっぽいしな。
 とはいえ、日曜日の夜、そんなに客は多くない。というかまばらだな。

 入り口は、こっちだな。
 サッカー場と同一敷地の、夏期営業時はガリバータウンと呼ばれている区画だ。
 看板が出ているのでそこそこ分かりやすいが、本館の方に行ってしまうと迷いそうだ。
 入り口前で食べ物のスタンドがあるが、寒いところで食べても味は分からないのでスルー。
 入り口兼チケット売り場に来た。

「よう兄さん、大人一枚おくんな」(意訳)
「お客さん、間が悪いね、今回のショーはもう始まっちまった。四十分ばかし後になるが良いかい」(意訳)
「当たり前でぃ、べらぼうめ。こちとらエドっ子(「エドはるみについて考える会」子会員)だ、気は短いが道理は分からあ」(意訳)
「なら話が早え、一枚持って行きな、再入場の時はこいつを見せな」(意訳)
「ありがとよ!」(意訳)
※「エドはるみについて考える会」は、彼女が次に誰を訴えるかをたまに思い出す会。親会員は、自分が紹介した子会員から上納金を受け取り、その一部を自分を紹介した親の親会員に渡す事で、みんなが幸せになる。

 エドはるみのネタを一番最初に見た時はむしろ感心した。
 ネタ番組じゃなくて普通のひな壇バラエティで、全く彼女の事を知らない状態からの「おっぱいのみたいの?」だったので。
 ウィキペディアをみると、2015年から後がないが、どうなったのだろう(どうでも良い)。

 さて、シアターは四十分後か。
 とりあえず、ガリバータウンがイルミネーションで飾られてるので見てみよう。
 ガリバータウンは、その名の通りガリバー旅行記をモチーフにした町を再現しており、身体のパーツが売られていたり、喋る馬がいたり、空に浮かぶ国があったり、巨人の国があったり、は、しないで、単に小人の国っぽいものを再現したところだ。
 こういう事をやるからガリバー旅行記が曲解されるのだが。
 大体の子供はガリバーを巨人だと思ってるだろう。
 彼を目指して野球を始めた子供が事実を知ってどれだけ悲しむか。
 自分の知り合いでもそれを理由にバットを折った人が二十七人いる(嘘)。
 何だかんだ、小人の国というのはやっぱりビジュアル的なインパクトが大きいんだろうな。

 ガリバータウンは、しゃがむとどうにか大人が入れるぐらいの小さい家が並んでいて、中には子供向けの遊具が入っている。これが標準形態かは分からないが、まあそういうコンセプトで良いらしい。店をイメージしたものが並んでいて、肉屋だったり床屋だったり何だったりという感じ。
 入れるのは面白いが流石に間が持つようなものではないな。
 真ん中の広場に当たるスペースでは、氷を使わないスケートリンクというのが設置されているが、北海道ではトリプルアクセルが出来ない事がバレると、公民権を剥奪されるので、近寄らない事にしておく(嘘)。
 さて、あんまり見るものもない上に、屋外で寒いので、本館の方に行く事にする。
 もう少し時間があれば、なごやか亭にでも行って食事を済ませて来ようかとも思うが、そこまでの時間がない。

 庭園を通り、本館へ。
 土産物屋があるが、石屋製菓だけだと商品が少ない。
 最近地下鉄とかで宣伝しているバウムクーヘンの新しいヤツ「なまらバターバウム」はちょっと興味が湧いていたが、売り切れていた。
 二階のレトロ系の展示のところで、「昭和のわんぱく時代」なるビデオが流れていたので、暫し眺める。ラジオで宣伝してたなこのビデオ。札幌市の昔の光景なんかが流れている。中島公園って遊園地あったんだな。
 時間を潰していると、ショーの案内の放送が入った。
 さて、ぼちぼち行くか。

 チケットを見せて再入場すると、先ほどはしまっていたシアター入り口が開いている。
 係員の人が通路途中で整理券を回収する。
 もう少し行ったところで、サッカーグラウンドのスタンド席に着き、入り口前で座布団と毛布とペンライト(?)を渡された。
 座布団?
 さて、席は指定ではないので、適当に見やすそうなところ……結構狭い席だな。
 一番上の、この辺にしよう。
 椅子は柔らかめだが、座布団が必要な程冷たいのだろうか。座っているうちに温まりそうな気もするが、一度体温を下げてしまうと死ぬ(割と本当)ので、素直に従う事にする。座布団は折りたたみ式で、なんか、キャンプ用具とか避難用具とかにありそう。毛布は薄手で小さいけれどマイクロファイバーとか使ってる感じでかなり温かい。

 グラウンドの雪面にタイトルが投影されている。
 ふむ、雪は白いし、冬のグラウンドは練習に使われてないし、何かを投影するのにもって来いだな。
 ……ん?

 ショーが開始された。
 物語は、悪い魔女にさらわれたお菓子の国の王女様を助ける為、動物の一団があちこち回ってアイテムを集めて立ち向かうというような話。雪面に投影された映像メインだけど、所々でアクターが出て来て演技したり、蒸気を出したり、多分匂いを出したり、ペンライトが連動して振動したり色を変えて光ったり、と。
 色々組み合わせた感じ。
 感じ。

 終了。

 んー。
 否定から入るのは良くないので。
 色々な方式を組み合わせたようで、なかなか面白い試みである。
 
 じゃ、次否定。
 雪で覆われた白いグラウンドに投影するのって……これ、スクリーンと一緒じゃないか?
 プロジェクションマッピングの部分って、あの音符がうにゃっとなったりしたあの辺の事で良いのか? それは随分ショボい。
 ストーリーも雑。お菓子が中心の世界で、音楽が当たり前に力を持って、動物が喋って、と、メルヘン系設定が色々あるが、一つに絞りなさい、一つに。お菓子の話なんだから、全部お菓子の力で良いんじゃないか? 何故ヒグマが戦闘でまず最初にドラムを叩く? 「何だか分からないけれど楽器を鳴らしたら解決しました」じゃないんだよ、勝ちに至る合理的な行動と結果なければならんのだよ。例えるならば、水戸黄門が仏像に向かって手を合わせたら仏像が巨大化して悪代官を仏像ビームで滅ぼすようなもんだよ。
 お菓子の世界であるなら、お菓子作りが好きな猫で良いだろう。他の動物を出すにせよ、特技は菓子作りだろう。発生する障害と解決はお菓子を絡めるべきだろう。お菓子好きの魔女が荒らした後であれば、失われた菓子の大事な部分を、自らの才覚と発想で工夫して(例えば砂糖が奪われていれば、メープルシロップを見つけて代用するとか、ミルクがないなら大豆から豆乳を作るとか、果物畑の周りに見張り塔が造られているなら小麦粉で粉塵爆発を起こさせるとか)。魔女との決戦も、雑魚相手に最初は普通に戦おうとしろ。なんで最初から音楽が効く事になってて、それを猫たちは分かってるんだ。だったら、最初の攻撃時に演奏して追い払っとけ。最低限、音楽が効くという事の説明をせよ。例えば、「恐怖に付け込むから、いつも陽気だった道化者の猫だけが魔法にかからずに済んだ」とかさあ! これじゃ子供も騙せないよ。

 いやそれは良いんだ。別に。いや良くはないが、それよりも。
 メインの映像の角度、これで正解なのか? 斜めだぞ。道路の「止まれ」表示みたいに、観客の目との角度を計算して映像の方をゆがませておいて違和感なくすとか、そういうのはないのか?

 総じて見ると、完成度が低い気がする。
 さっぽろ雪まつりのプロジェクションマッピングのショーのようなものを期待すると肩すかしを喰う。
 そりゃかけてる金が違うんだろうけれども。
 結局のところはメインターゲットである子供の意見が正義だとは思うけれど。
 どうだったんかね。


<出費>
交通費:520円 (琴似―250―さっぽろ 但しドニチカ切符を流用 札幌市営地下鉄)
入場料:1,000円
計:1,520円


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