思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2018/2/25『合法動画だったので』
 デビルマンの漫画版準拠のアニメがNetfrixで配信されたというので観てみた。
 で、他にも色々あったので、映画とかも観た。ああそうだ、劇場版でマジンガーも観た。ざっくりまとめて感想など。

『DEVILMAN crybaby』
 人間を描写するというのは色んな作家がやっている訳だが、漫画というかなり直感的に伝わる手法を用いて、しかも天才・永井豪の手で、となった事で、人類が初めて受けた衝撃となったのが原作。
 でアニメはというと。
 結構アレンジもあるけれど、大分漫画版のデビルマンに近い形になっている。デビルマンを観た気になれる。
 原作力によるところが大きい訳だが、下手に規制せずに済んだネット配信という手法を選んだ事が、実はかなりの功績であると思う。
 ストーリー面で不満な点は一点。デビルマンが辛抱たまらなくなると、デーモンと同じ残虐行為を始めてしまう事。デビルマンは絶対的に人間なのであって、だからこそ恐怖心の裏返しでデビルマンを見つけて嬉々として迫害する人間が愚かで恐ろしい。それらを目の当たりにして絶望した人間である明がついに口する「死ね人間共」が意味を持つんじゃあないんですかね。このアニメの設定だと、明がキレた時のそれは、「悪魔になっちゃった」ようにも見えてしまう。


『テルマエ・ロマエ』
 風呂漫画。原作漫画をなぞるだけで十分面白い作品。ヒロインを最初から出して伏線にするのは当然とも言える改変だが、漫画家志望のおっちょこちょい女子じゃ駄目だろう。ローマヲタクの才女で美人だからこそ、主人公と釣り合いが取れるのだが。まあ、ヒロインは等身大の方が女性ウケするという辺りなんだろうけど。
 阿部寛は良いキャスティング。大まじめで基本的にカッコイイ主人公なのだが、シチュエーションがズレているのでコメディチックになるというのは、2.5枚目の染みついた人に向く。
 ローマの町並みも安物感がなくて良い。
 終盤のシリアスはヒロインが鬱陶しいが、総じてみるとヒロインに過大な期待をしなければ良い。


『パシフィック・リム』
 ハリウッドロボットもの。二人で右脳と左脳を受け持つとか、物語の為に作ったよーな設定だし、分業は分かるけど二人で同じ動きの必要性って何だか分からんが、気にしないようにすれば気にせずに観られる。
 ロボや怪獣の巨大感が上手く出ている。カメラワークが巧みな気がする。
 既に怪獣に圧倒されている状態で、解決法も最終大決戦方式ではないので、カタルシス溢れる戦闘とはいかないが、重量感とか怪獣が怪獣として扱われているとかそういうディティールが良い感じ。あー、ただ、暴走対策ぐらいは最初からやっとけ。
 趣味で言えば、男同士のペアの方が良いとは思う(男女にした場合、情欲が主になり、戦いが矮小化される)。
 研究者の二人、かなり良い。臓器屋も結構好き。司令官もテンプレだけど痺れる。


『酔拳』
 何度か観ているが、また観た。人間の身体を使ったアクションというのは、何でもありのアニメーションが実写に勝るが、ジャッキー・チェン等のカンフー系アクションスターに関してはその前提が崩れる。要は、常人が演技として超人のフリをしているのではなく、元々超人が超人として動いているという事。ストーリーは、師匠との距離が近づいていく過程がとても良い。ああ「有名な殺し屋」という自己矛盾した存在が出て来るのは、まあ良いとして。


『ダークナイト』
 バットマンの中でも評判の高い作品だが、あまり面白さを感じられず。
 でも、多分これは、自分がバットマンをほとんど知らないからだろう。
 ジョーカーがガバガバの仕掛けで犯罪成功させてるように見えるけど、多分、違うのでしょう? 無造作にやっているようで、実は一分の隙もない、熟練なり天才的技量なりがあるのでしょう? 悪人だけど憎みきれない、バットマンとは切っても切れない魅力的な好敵手とかだったんでしょう? コブラとクリスタルボーイ、ルパンと銭形だったら、多分、自分も受け入れているもの。


『ガールズ&パンツァー総集編』
 「戦車に制服美少女って絵になるよね」辺りから端を発したであろう作品だが、それを成立させる為に世界をきちんと作った感じが、どうかしている(褒め言葉)。
 日常物っぽいキャラでスポ根をやっているとも言える。スポ根物(部活もの)は、訓練と必殺技と部員同士のいざこざとライバル校で出来ているが、既にレベルキャップに達しているリーダーを据える事で、そこらの描写をほとんどスルーして、日常物のふんわり感も出せている。ずっと熱いままの話が良い時もあるのだが、今は違う感じだわな。


『デトロイト・メタル・シティ』
 自分の欲しくないところに才能がある人の話、というとペケで来夢みんとというキャラがいたっけな。
 原作漫画は、弱気な根岸を虐げる世間を、クラウザー様がレイプ(概念)するという、魔太郎が来る的カタルシスのある話だろうと思うが、映画版はそれほどクラウザー様がやらかしていない印象。原作も実際はこんなだったかな。まあそれなりに良し。
 漫画の実写版は、絵的な珍妙さが出る場合があるが、これはビジュアル面では違和感なくハマっている。クラウザー様の衣装がちょっとショボいのも作風通り。


『HK 変態仮面』
 あの究極!!変態仮面が実写になったというだけで、大体他に語る言葉があんまりないもの
 原作漫画が1992年開始で、もうそんなにジャンプ読む事はなかったが、微妙に印象がある。
 映画というよりコントと考えるとしっくり来る。
 どうでしょうで有名な安田顕出演。onちゃんかぶってないから分からなかった。


『マジンガーZ Infinity』
 マジンガーの直系の続編のようなストーリーだが、多分、マジンガーZERO辺りで描写されていた可能性の未来とかに織り込まれる事は確実なので、細かい整合性は考えない。
 懐かしいと言える人は、もっと上の世代なんだが、20年以上前にスパロボで知った世代でも良いですかね。漫画版は読んでるけども。
 昔のアニメを今風にリニューアルして、ちょっと大人になって引退してたけどここ一番、古い機体を引っ張り出して、懐かしの搭乗シーンで出て来て、今回限りのヒロインなんかといちゃいちゃしながら大活躍して、最後にはずっと延長戦だった正ヒロインと大団円。戦闘は武器使いまくり、敵も出まくり、脇役であるボスもズルいぐらいしっかり活躍の、まあお祭り映画だ。
 大体、こんな感じだろうというのを、そのまま作ってくれた感じ。そうそう、こういうので良いんだよ。




2018/2/28『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第106回 仮想現実すごーい:4DX版ジオストーム ユナイテッド・シネマ札幌
 スターウォーズ以降、少し映画をみるかなぁという気分になって、『マジンガーZ インフィニティ』を観た。
 大体観たいものを見せますのお祭り映画という感じで、なかなか楽しめた。
 他にも、と探していた時だったか、その前だったかは忘れたが、4DXというシステム? の、上映方式があるという事を知り、それが観られる映画を探してみた。
 名探偵コナン……は、YAIBAが好きになれなかったのでスルーして、『ジオストーム』これにしてみよう。
 サムネ画像や名前の感じからして、ツイスターみたいな感じか。嵐の描写があって、それでこの方式版が出ているのだろうし。
 上映時間が……21:40。日付変わるギリギリぐらいで終わる。
 若干遅いが、休み前日、会社帰りに食事してから観るという流れにすると、丁度良いか。

 で。
 会社終わって、札幌駅に到着したのが20時前だった。
 結構時間があるが、雪まつりで時間を潰して、とかはちょっとやりづらい。屋外に長居したくない。
 まあ、ゆっくり食事をするなり何なり、どうにかなるだろう。
 何しろまず、チケットを買っておく必要もあるし。
 結構積もった雪を踏んでだらだら歩いてサッポロファクトリーに到着し、その中のユナイテッド・シネマへ。
 チケットは……券売機があるから、そっちを使う。
 4DXを「よんでぃーえっくす」と読むのか、「ふぉーでぃーえっくす」と読むのか、「よんでらっくす」と読むのか分からないし(注:任天堂が『さんでぃすてぃっく』と読ませた歴史があるので、油断ができないのだ)。

 えーと、券売機で、選んで……よし。
 支払いは現金駄目なのかな? じゃあ、クレカで。
 一瞬で認証されて、暗証番号の入力とか一切なかったけど、相変わらずクレカのセキュリティの緩さはどうなっているのか。本人の使用パターンと著しく異なる場合には確認が入るとは聞いた事があるが。
 チケットは、3Dメガネのあるなしとか年齢とか障害者割引とか、色々分かれてて分かりにくい。大人メガネ含んで2,700円。調べた時より安い気がしたけど、レイトショーの割引かなんか適用されてたかな。

 さて、席は確保できたので、心置きなく夕食にしよう。
 チキンとポップコーンぐらいしかない上に椅子も少ない映画館ロビーは論外として、ファクトリーのアトリウムをまずは覗いてみよう。
 あ、雪ミクだらけになってる。
 エレベーターもラッピングされてるな。
 札幌はまあ初音ミク推しな土地柄だが、今年の雪ミクは特に目立っている気がする。地下鉄の防護柵にも付いてたし。アルキタの広告についてる雪ミクが随分出来が良い感じだったな。
 初音ミクと言えば、「ミクが出て来た時、歌手の仕事が奪われる云々言っていたが、そんな事もなかったよな」みたいな意見を見かけたが、今、ミクが使われている箇所に、昔は人間の歌が入っていたと考えれば、十分仕事を奪っている気がするがどんなもんだろう。道新スポーツのテーマソングとか。

 技術の進歩が仕事を奪うのは別に難しい話じゃないし、芸術分野が例外という事もないだろう。
 そもそも音楽だって、録音機の存在で生演奏の機会は遙かに縮小しただろう。恐らく、「歌は目の前の人との空気の共有が必須であって、録音したものなど、魂の抜けた芸術とは異なるものだ」とかなんとか言い張った者もいただろう。歴史を遡れば、書物の黙読も批判された時代があった。恐らくその前は文字にする事が、口伝派と対立しただろう。
 進化論的変異と淘汰が続くんだと思う。

 さて、夕食はどこで食べるかしらん。
 肉饅やらクレープやら買って食べるか、食堂の形態で食べるか。食堂の形の方が落ち着けそうだし、時間も潰れそうだけど……居酒屋、和食、インドカレー屋、中華屋、ラーメン屋、とんかつ屋……値段はあまりこだわる気はないけど、なんか物足りなさそうなのがな。
 んー、肉饅、買うか。
 肉饅というのは、何かのついでで食べるには重たいが、食事としては物足りないという中途半端なものだが、時間を適度に潰したいタイミングなので、もう一つ何か食べる前提にしたら良いかも知れない。
 えーと、いくつかあるな。牛だったり、みそだったり、しょうゆだったり、チーズだったり。
 セットでいくつか入っているのもあるようだが、まずは味見という意味でスタンダードっぽいのにしよう。
 一番最初に書いてある豚の味噌味で。
「豚の味噌を一つ。ここで食べて行きます」
「あるのを頼んでくれて良かった!」
 品切れいくつか出てたのか。
 近くのテーブルで食べる。
 ふむ。
 皮はややもちっとして、肉は細かい挽肉がたっぷり入っている。肉は塊感がないので、ぼろぼろ落ちそう。比較対象として、すすきのにある点心をカウンター販売しているところのを肉饅を挙げておく。これは、もちもち感は全然なく、むしろ歯切れが良い。パンと言うよりケーキ方面。これがなかなかうまい。

 ふむ。
 肉饅一つじゃ足りないが、また同じ系列の点心というのも工夫がないな。
 フレッシュネスバーガー……入った事はなく「一度は」と、思うが、野菜のないものを重ねるのも嫌だ。
 もう一度店を見渡してから、アトリウムを後にした。
 そして、そのまま映画館まで戻り、素通りしてから階段を降りる。
 道路を一つ隔てて――。
 大衆食堂半田屋に到着。
 前から目に付いていて、流浪のグルメでもネタにされていて、一度入ってみようと思っていた。そもそも、元々の計画ではここで食事をと思ってはいたのだ。
 ただ、初めて入る店というのは、システムが分からなくてオタオタするのが嫌で、二の足を踏みがちなんだよな。
 でも店の前まで来たら、中が割と見えたのでイメージが少し掴めた。よし、入ろう。
 ん。
 盆があって、ラップのかかった総菜類、メイン、おにぎり、揚げ物、缶ビールまで並んでいる。
 あー、このタイプか。
 関西旅行の時に入った大衆食堂がこんな感じだった。
 後、大学の学食もアラカルト部分はこんなだったな。
 よし。
 野菜類が物足りなかったから……お、ほうれん草のお浸しに、オクラもある。140円とかそんなだ。外食でこの値段は底値に近い。メインも何か……やっぱりここも野菜にしておこう。菜の花と卵の炒めもの。よし。値段もお手頃だが、種類の多さも凄い。目移りする。
 後はレジ手前でご飯のサイズを注文か。めし(中)から始まって、下に刻んでいく方式。サンプルから見て、ミニは物足りないが、小だと少し多めか。でもいいや、小にしよう。
 ご飯を受け取り、そのすぐ脇のレジで同じ店員さんが金額を入力する。と、レジのこっち側の貨幣の投入口が開いた。客が金を入れる方式か。セルフレジの一歩前の段階みたいだな。

 よし、支払った。
 箸を忘れずに貰って、席に……醤油は置いてあるな。
 んでは、座って。
 ん、向こうに電子レンジあるのか。
 お浸しはともかく、メインは少し温める? いや、冷めてるけど冷たい訳でもないから良いか。もう座っちゃったし。
 ラップを外して、いただきます。
 ふむ。
 ちゃんとほうれん草だしオクラだ。
 量もきちんとある。
 メインの菜の花炒めは、味がしっかりめに付いていて、ご飯のおかずにきちんとなる。
 うん、うん、こういうのは良いな。
 不健康な夕食になるかと思ったら、これは良い。
 ご飯はやはり量が多めだが、そこは問題にはならない。ご飯は劇的にうまい訳ではないが、十分及第点。
 食べた。
 思いの外満足した。
 店から出て、駐車場を見ると、タクシーが二台ばかり停まっていた。ああ、タクシー運転手さん御用達か。24時間営業でコストパフォーマンス優れているとなればさもありなん。
 今度機会があればまた利用しよう。
 記憶の範囲では、後2軒知っている。

 さて、食事も終えたところで、20時40分。やっと一時間を切るぐらいか。
 ゲームセンターでも覗いてみるか。
「――後、15分ほどで終了となります」
 21時閉店か。
 映画のレイトショー待ちとか見越して、もう少し遅く営業しても良いと思うんだがな。まあ、大して儲けがないのか。
 ロビーで待つか? むむ、あまり広いロビーでない事もあり、空いている椅子が少ない。
 じゃあ……またレストラン街で甘い物でも食べるか?
 行ってみるが、これというものはなし。
 ベンチに座って、剣客商売など読む。

 今まで手を付けてなかったけれど、剣客商売、かなりエンターテインメント寄りの話なんだな。
 キャラの立たせ方とか、漫画の技法に近い。主要キャラは、みんな一ひねりしてある感がある。割と定番ぽいのは剣術馬鹿で朴念仁の大治郎だが、周りが捻ってあるのでそれはそれで個性として成り立っている。
 短編の連作だが、前作の内容を次作以降でも引っ張る事も多く、読み応えがある。
 文章も割と整っていて読み辛さが少ない。
「少しのクセはあるな」
 とは思うが。
 尚、良い文章というのは、読んで引っかからないものの事。何となれば、文章は枠組みであるから、枠組みが妙な主張をしては主題がぼやける。写真でピンボケしていたり、手ぶれがあったり、指先が映り込んでいたりしたら、当然に出来損ないであって、文章における引っかかりは大体それと同じだ。意図的に行う場合もあるが、出来ない言い訳に意図的だと主張する場合があるので見極めが肝心だ。
 具体的に良い文の例になるのは、松本清張のそれである。マニアではないので、どの作品の、どの時期の、という指定は出来ないが。

 ようやく時間になったので、映画館に戻る。
 スクリーン番号は1番か。
 チケットをもぎりの人に渡して、3Dメガネを受け取ってゲートを通る。
 みんなが荷物をロッカーに入れている。
 ふむ、4DXで動いたり何たりするから荷物を預けておけという説明を読んだ覚えがある。
 キャッシュバック式のロッカーに100円入れて荷物と上着を突っ込む。
 では、場内へ。
 ええと、一番前の真ん中辺。
 ん? 番号はどこに書いてある?
 横の方にまとめて書いてあるが、一つ一つは……ああ、前のところにあった。分かりにくい。
 さて座って。
 宣伝を眺める事暫し。
 映画泥棒の注意映像の後。
 4DXの説明映像が流れ始めた。
 動けば揺れ、風が吹けば風が、水が散ればしぶきが、と、映像に合わせた効果が出る。
 ほほう、確かに動く。
 本編開始!

 終了!
 んーーーー。
 椅子が揺れて宇宙のふんわり感を出したり、嵐で風や水が出たり確かにしたが、ええと、その、うーんと、あの。
 VRの方が劇的だな。
 まあこれはソフトの問題もあるかも知れない。
 例えばカーアクションの「外から」の映像に対して椅子が振動しても、「自分が車に乗っていて揺れている」とはならない。脳は騙されてくれない。
 映像は3Dらしいのだが、斜視の影響か片目固定で物を見るクセがついており、この手の立体視は出来ない。単にちょっと二重(ゴースト)の出る映像としか認識されない。
 対してVRの場合、主観視点になるソフトが揃っており、頭の動きで描画物の角度が変わる為、片目だろうがなんだろうが立体認識が出来る。向き不向きもない。尚、スマホをVRにする、みたいなのは3Dメガネと確か同じ
 とすると、映像はVR仕様(疑似ではなく、回り込み可能なという意味で)、特殊効果は4DXで、というのが良いだろう。遠くない将来そういうのは出そうだ。VRも一般化していけば安価になっていくだろうし。まあそれは映画ではなく、絵画と彫刻のような全く別種の作品になるだろうけど。

 尚、ストーリーについては、ダッチボーイというオーバーテクノロジーがある割には、その他の科学技術が現在とあんまり変わらなかったり、セキュリティがガバガバだったりとか、地上と宇宙で視点があっちこっちいって落ち着かないとか、荒は多い。良い出来とは言えないが、4DXを活用する為に色々現象を起こそうとしたっぽいので、意気は買う。

 ああそうだ、吹き替え版エンディングの大和山日本太郎の歌う『ストーム慕情』は、振り付けと特殊効果と効果音と4DX効果で射出される豚の内臓と血液含めて、稀代の傑作だった。映画館で感動のあまり他の観客と歓喜の歌をユニゾンしたのは初めてだった。
 アーティストとタイトルと情景描写が間違ってるかも知れないが、確か世界的にビリオンヒットしている名曲かなんかだったと思うので、説明するのも野暮だろと思う。
 ……エンディングの音楽も作品の一部じゃあないの? これが許されるなら、あなたのCDのラストの曲にボイスドラマ仕立ての青汁感動エピソードCMとか入れても文句言われない世界になるんじゃないですかね。
 いつだか読んだショートショートで、レコードの中まで宣伝まみれという話があったな。
※こういう売り方が、何十年か前からあるのは一応知っている。


<出費>
交通費: 520円 (琴似―250―バスターミナル 往復 札幌市営地下鉄 交通費相当)
食費:  230円(肉まん みそ:中華まんじゅう 星華楼)
食費:  458円(めし小145 ほうれん草お浸し106 おくらお浸し71 菜の花炒め136 半田屋)
入場料:2,700円(ジオストーム4DX版)
計:3,908円


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