思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2018/10/28『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第114回 かぼちゃ汁粉であったまろう:田中酒造本店「おたる和菓子祭2018」

 前回手稲なので恐縮だが、今回も小樽である(地元ギャグ)。

 ウェブサイト「大通情報ステーション」で、例によって行き先を探る。
 二重投稿みたいになってたり、実施中じゃなくて参加者募集だったり、かといって絞り込もうとしたら検索が機能なかったりと、あんまり優良なサイトとは言えないのだが、まあないよりマシである。
 これ、ウェブ上の存在だと思いがちだが、実は仮想ではなく現実にも存在する施設である。
 スマホ標準の時代に調べ物をするために窓口に行く人がどれだけ残っているのかは謎であるが、まあ、その手の機器を使いこなしていない層や何かの加減で通りかかる層もあるだろうからまだニーズはあるのか。
 このサイトで情報を調べる時、よく見かけるのが小樽の酒蔵である(あと、北一ヴェネツィア美術館も常連)。
 ちょくちょくイベントをやっているが、今回は和菓子祭だそうな。
 酒を買わなくても収まりが良さそうなので、丁度良い。行ってみようか。

 行きはバスにする。
 高速おたる号一本。
 昼食はどうしようか。
 小樽だから寿司だの云々は思い切りが付かない。
 駅の立ち食い寿司ぐらいは候補に入れておこうか。
 寿司屋ってのはどうやって慣れて行くものなんだろうね。値段だけじゃなくて、どこまでも客の方でお迎えに行かなければならない感じがある。まあそれで一定のブランド価値を守っているのだとすれば、そういうものなんだろうけれど。
 こういう話題の時、「固く考えずに云々」という助言が出たりする訳だが、だったらフレンドリーな寿司屋とそうでない寿司屋との見分け方を教えて貰いたい。
 そういう意味では、地域の人相手しかしてなさそうな定食屋、蕎麦屋なんかもそうだな。
 「一見さんお断りではないよ」のサインが明示されるだけで、入店の意欲はぐっと増える。別に特殊なものではない。メニューやお勧めのボードの店外の提示、食券販売機、手入れのされた食品サンプル、そういったものだ。

 小樽到着。
 さて。
 田中酒造本店は、駅を背に運河通りまで下った後に北方向に左折だな。
 確か逆方向にも支店があるらしく、そっちのイベント情報も見かけた事がある。
 運河沿いは、どこまでも運河と石造りの倉庫が続いている訳ではなく、集中的に残してある。
 小樽の観光地としての売り方、景観の残し方の上手さを、大学時代の先輩が語っていた事があるが、概ね同意するところである。小樽に運河がなく、「北のウォール街」とかその辺だけで売ろうとしたら、「古い建築物なら札幌にもあるからなぁ……」と、札幌トラップに観光客が全て引っかかってしまった事だろう。
 道なりに進んで、道路を渡った向こうに見えて来た、田中酒造本店。
 あ、和菓子祭限定のかぼちゃ汁粉の看板出てる。よしよし、入ろう。

 店内は正面に土産物系の物があり、奥にレジと地方発送用のスペース。右に酒を売るスペースという感じ。広々とはしていないが、動くのに苦労はない。
「いらっしゃいませ、只今和菓子祭行っています、ご覧になっていって下さい」
 店員さんが声をかける。
 もとよりそのつもり。
 かぼちゃ汁粉メインで考えているが……よくある和菓子系、駄菓子系、それとこれは酒粕大福?
「おいしいですよ」
 ふむ。
 汁粉の方はどこで食べられるんだ、案内の看板はあるが、イートインスペース的なものが良く分からないな。
「この汁粉、店内で食べられるものですか?」
「はい」
「席はどこで」
「そちらですね」
 地方発送の書類とか書く感じのテーブルか。
 自分の他に一グループだけだから、邪魔にはならんだろう。
 レジで酒粕大福を買い、かぼちゃ汁粉も注文する。
 店員さんが水を持って来てくれた。利き酒後に飲む用みたいなヤツだ。お茶の用意がないのが酒蔵っぽい。
 汁粉を待つ間に大福を食べる。
 セイコーマートのレジ前で売っているのよりやや小ぶり。持ち帰りが出来るように、小さいビニール袋に入っている。
 ふむ。
 匂いがはっきり分からんので何とも。多分、酒粕が混ざっていて多少の酒の風味が付いているのだろうが、よく分からない。
 あんこがゆるめなせいか、作って間があるからか、モチ部分がベタベタしている。
 特筆すべきはないかな。
「お待たせしました」
 来た来た、汁粉。
 カボチャと多分酒粕で作っているのだろう。カボチャ色。
 カボチャなのは、ハロウィンが関係あるのかどうかは知らない。
 ふむ、カボチャ色よりは少し白っぽい。甘さはやや控えめ。白玉が結構たくさん入っている。白玉は玉型で、赤血球型ではない。
 赤血球というと、夏のクールのアニメだが『はたらく細胞』は、割と面白かった。学研まんが『からだのひみつ』を思い出す。
 白血球の保護者っぽさは、恋愛を絡める事に無理がある血液細胞設定の解決方法になっている。ひとりでできるもん回の後、赤血球が白血球に報告をする場面で、それが明確になった感じだ。
 よし食べた。
 結論としては、酒粕が入っていたのだとは思うが良く分からない。自分の味覚嗅覚のせいか、それとも調理過程で特徴が消えたのか?
 汁粉はもう少し甘い方が良いが、だったら小豆のでも同じか。季節の縁起物的な意味であれば、良いぐらいかも知れない。
 土産物でも、と、少し思ったが、その他は概ね普通の菓子類で面白くもないし、酒も家で飲まないのでかわず出た。ゲコゲコ。

 今回の目的は達成したので、後は昼食でも食べて帰ろうか、ってぐらいだが。
 でもおやつ程度とは言え、今食べたばかりだし、小樽よりも札幌に戻ってからが良いかなぁ。
 廃線跡の散策路? 公園? を歩きながら小樽駅方向に戻る。
 さて……ああ、パン屋があるな。
 そうだ、このパン屋、いつも「小樽ピロシキ」ののぼり掲げてるんだよな。
 小樽ピロシキってなんだ、結局。

 ……分からない物は食べてみるべし。

 入店。
 8畳一間ぐらいの狭い店内に、パンが置かれている。
 焼きそばパンみたいな総菜パンから、菓子パン、それから小樽ピロシキ。
 個人経営の小さなパン屋で、一つ一つのパンの数も多くはない。
 いくつか買いたい気もしたが、時間が微妙に早いし、ありきたりなパンっぽいし……まあいいや。小樽ピロシキだけで。

 店内に食べる場所はないので、歩道に設置されたベンチで食べる。
 さて、小樽ピロシキとは結局何なのか、その神秘のベールが(買うときに既に見ているだろう)。
 パン粉だけでなくパンの耳か何か、大きめなパーツをくっつけて揚げる事で、ザクザク感を出した、モヤッとボール型のピロシキでした(おしまい)。
 なるほど特徴はあるが、ここだけの技法ではないな。どんぐりかどっかで、同じ感じにゴロゴロオプションをくっつけてザクザク感を出したカレーパンを食べた事があった筈だ。
 ただし、こっちの方が思い切って作られている。冷めていてもきちんとザクザク感があるのは良し。
 小樽要素がどこにあるのか?

 ざくざく⇒軍靴⇒ザックザック⇒雑魚⇒MS-05ザク⇒MS-06ザク⇒緑⇒赤⇒白⇒永久凍土⇒中古車輸入⇒小樽港

 なるほど。
 由来は分かったが、特産品とかではないんだなぁ。
 こういう、特産品に由来しない地域限定とか地域独特みたいな食べ物って、食べるべきか迷う。
 結局どこでも食べられるのでは、という結論になるとどうにもこうにも。
 従って、札幌ラーメンなんかもあんまりワクワクし難い。尚、カニが入っているようなのは、名産品が付いたラーメンというだけなので、名産とは言わない。ジンギスカンも大概輸入羊なので同様。やきそば弁当が名物と呼べるか? という事。名物に旨い物なしと割り切れば良いのかも知れないが、どうも据わりが悪い感じ。
 本来的な意味で小樽で名産にすべきは、海鮮とニシンの加工品、それから石炭かな。

 帰りはJRを使い、札幌駅まで行った。
 札幌駅の大丸で初音ミクのハロウィン系イベントをやっているというので覗いてみたが、ちょっとグッズを売っているぐらいだった。


<出費>
食費:500円(かぼちゃ汁粉350、酒粕大福150)
食費:180円(小樽ピロシキ)
交通費:1,460円(西区役所前―610―小樽駅前―640―札幌―210―琴似)
計:2,140円


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