思い立ったが随筆


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2019/4/28『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第120回 あくまのどくどくどっくどく:札幌パルコ 毒毒毒毒毒毒毒毒毒展

 雪も融けてようやく自転車が使えるやら使えないやら。
 大通情報ステーションで行き先を探していると「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展」なるものが、パルコでやるとの情報が掲載されていた。
 それから、地下鉄の中吊りで、週刊誌風広告デザインで小樽水族館の事もやっていた。
 小樽水族館にも行ったが、これは広告が捻ってあっただけで、概ね通常営業だったので、ノーカウントとした。小樽水族館そばの青塚食堂で特大ニシン焼き定食に、ニシンの刺身を付けるという、カブり上等な頼み方をしてみたりもしたが、これも細かくは語らない。

 毒である。
 悪魔の毒毒モンスターである。
 一応言っておくが、ドラクエに出て来る「どくどくゾンビ」は、この映画が元ネタだが、名前だけだ。
 毒の生物に焦点を当てて展示とは、なんて斬新なんだ!
 ……まあ「へんないきもの展」とかの方が間違いなく発想の斬新さはあると思うが。

 パルコの特設会場では大した床面積もなかろうし、毒のある生き物と言って、そこまで斬新なものもなかろうが、手軽だし行ってみる事にしよう。

 当日。
 雪もなくなったところで、愛車の二代目ぽす太で一路パルコへ。
 雪解けの後は滑り止めの砂利が路肩だの路側帯だのに積もるので、道路清掃が入るまでは結構走りづらい。滑り止め用の砂利は、学校のグラウンドなんかの玉砂利とは違って、機械で砕いたような正方形ぐらいの尖ったものなので、タイヤで踏むのも嫌な感じなのだ。
 無茶な運転で事故にならない程度に走る。
 新しい自転車という事もあるが、やはり材質や構造が発展しているようで、すいすいと良く走る。
 さてぼちぼち近い。
 札幌は商業施設の駐輪場があまり充実していないので、大通の何となく自転車が置けそうなところに置いて、徒歩でパルコへ向かう。
 ええと、ここだ。
 前も何だかの企画展で来た筈だな。
 エレベーターで、8階へ。
 あ、壁が作られて入り口がある。
 それとは別に窓が一つあって、覗いてみると、タランチュラっぽい毒蜘蛛がいた。
 よし、入るか。
 受付で大人800円でチケット購入、カーテンで仕切られた順路へ。

 狭い狭い通路に、毒のある生物を入れた水槽が。
 ふうむ、ミノカサゴから毒トカゲから、変化球でニセサンゴヘビもいる。
 他、哺乳類のスローロリス、植物で夾竹桃など。
 概ねどれについてもどこかで見たようなものばかりであるが、それだけを集めた辺りがコロンブスの卵的発想なのだろう。
 しかし狭い。
 一方通行の順路だが、人がすれ違うのも大変だ。
 展示されている生物の方も大変だろう。スローロリスなんかもどうも毛並みが乱れた感じだった。

 毒のある生き物と言ってもあまり目新しい感じはしなかった。
 そりゃそうだ、毒は結構有り触れているのだ。
 ジャガイモの芽にだって毒はあるし、水仙にもスズランにも毒はあるし、ウナギの血にもあると聞いた覚えがある。ある種の毛虫にもあるし、ボツリヌス菌はひとかたまりで大陸一つ殺せる。鉛は中毒を起こすし、プルトニウムは放射線関係なく毒性があった筈。どれだかを燃やせばダイオキシンが出るし、塩にも致死量がある。犬にとってはチョコレートが毒だし、タマネギも毒だ。猫だとイカだったか。
 畢竟、専ら人間が摂取すると良くないものを毒と呼んでいるだけの事で、甘い物と酸っぱい物程度の違いでしかない。
 嫌気性の生物にしてみれば、酸素の残った息を吐く人間も相当な毒を放出する生き物って事になるなぁ、という辺り。
 むしろ毒のないものがレアなので、毒のあるものを何とか食べるのが料理の本質の一極限である。

 親子連れの小学生らしき子供が、毒の強さを示すマークをみながら、「うわあ、こいつ5つもついてる、すげー」とか言ってた。
 多分、彼が最もこの企画を理解して楽しめている、最も得をした客と言えるだろう。子供料金で入れてるし。


<出費>
入場料:800円
計:800円


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