思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2019/5/30『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第121回 梅まつり:平岡公園

 やや遅く起きた休みの朝、行き先について考えるべく、大通情報ステーションのサイトを見ていたところ、「平岡梅まつり」の文字が目に留まった。
 あー、そうだ、これ行こうかと思ってた。
 5/19までなので、今を逃すと今年はダメだ。
 よし行こう。

 このイベントは予め気には留めていた。
 職場で何やら梅がいっぱいの名所があるとかなんとか聞いて、曖昧検索でヒットはさせていたものだ。

 読者諸氏はご存じの通り、ごんぱちは梅が大好きである。
 梅ヶ枝餅から始まり、津田梅子、楳図かずお、仕掛人・藤枝梅安、ボーイズト梅ン、空手八段梅三郎。
 梅干しなんか好きすぎて買った事がない程であり、作った事も貰った事すらない。
 (この段落、九割ぐらい嘘)

 札幌の梅の花の見頃は四月末ぐらい。
 それに合わせて行われるのがこの梅まつりのようで、「2ヶ月ばかり関東と季節がずれる」ので有名な札幌時間を更に歪めたようなスケジューリングである。この時空の歪み故に、桜の時期とぶつかる事になる。

 さて、平岡公園といっても、パッと思い浮かばない。
 ええと公式サイトでアクセスマップを見ると。
 新札幌の南側、大谷地が最寄りか。
 地下鉄で大谷地からバスに乗るのが手頃だが、朝食をJR琴似駅で食べるつもりではあったので、JR新札幌を目安に動こう。

 JR琴似駅のヴィ・ド・フランスでサンドイッチとあんドーナツを食べた後、一路新札幌へ、と行きたかったが、岩見沢行きの列車だったので、札幌で快速エアポートに乗り換えて一駅。
 ええと、ターミナルの……北、じゃなくて南、の。
 11時45分発か。
 30分も待つのは嫌だな。
 近くを通る別の路線はないものか。
 路線図をじっと見比べる。
 のだが、何だか分かりにくい。
 大体、この辺りのバスは、JRバスと北海道中央バスが混在するから、すっきりとした路線図がないのだ。
 もうどっちかがどっちか買収でもしてくれ。独占しても30円までなら値上げは許す(多分それどころではなくなる)。
 大体バスの嫌なところは、こういう、統一性のなさによる路線の分かりにくさと、その情報の提示が明確でない事だ。本来ならバスの車内にベッタベタに路線図が付いているべきだろう。それが何故ないのか(多分一つの車両を色々使い回しているから)。鉄道と比べるとそういうところ実にダメだと思う。さっさと路線図表示用のディスプレイでも導入すべきだ。

 ええと、33分発のこのバスならまずまず早めに、近くに到着しそうだ。
 降りるバス停を確認して、待つ事暫し。
 よし、来た。
 バスに乗り込んで出発。
 バスは街中を抜け、住宅地に入り、それから折り返して――。

 あれ?
 下車予定のバス停名が出なかった。

 確認したのと別の路線に乗ってしまった様子。
 降りる予定のバス停と一続きになっていそうな通りの名前を目安に降りる。
 ひとまず、周囲の建物に「公園前」とか付いているので、まあ大体大丈夫だろう。
 こっちの方向へ歩く、と。
 ありゃ、高速道路で町が分断されている。
 こっち方向は戻ってしまうから、あっちか。森っぽくはなっているから多分正しいと思うけど……ああ、やっぱり。
 高速道路の手前が運動施設、渡った向こうが梅林という風に分かれているようだ。
 高速道路にかかる橋を渡る。
 渡ってすぐに作業用車両の出入りしそうな入り口があったが、多分もう少し先にちゃんとしたものがあるだろうからスルー。
 しかし帰りはどういうルートになるのかしらん。バス路線が何になるのかよく分からなくなった。
 まあ、公園で案内の一つもあろうし、何の路線に乗ろうが、地下鉄なりJRなりに接続出来ればそれで問題ない。

 5分かそこら歩いたところで、平岡公園の出口に到着した。
 思ったよりタイムロスしたが、まあ30分かそこらぐらいなのでどうという程でもない。
 駐車場を横切り、公園内へ降りる階段の前に、梅林の咲き具合の表示があった。
 白梅は「終花」、紅梅は「散り」。
 流石に札幌と言えど、この時期はそんなだわな。
 階段を降りて、「梅の香橋」なる橋を一つ渡る。
 眼下に、湿地帯か何かが広がっていて木の散歩道が作られている。
 散歩道というのは、つまり尾瀬っぽいアレ。
 実際、水芭蕉も生えている様子。
 降りて見る程のモチベーションはないので、見下ろすだけにして梅林へ向かう。
 木々の間の道を抜け、目の前が開けた。

 おお、梅の木があちこちに。
 でもほとんど散っている。
 もう少し早い時期に来るべきだったな。残念。
 えっと、売店の類は、坂を一つ上がった向こうかな。
 公園というか、ちょっとした山って感じに凹凸があるな。
 一山越えて。

 あ。

 あるぞあるぞ梅の樹。
 いや、散り際ではあるが、まだそれなりに見られるぐらいはある。
 ほうほう。
 散り際だけに、梅吹雪にもなっている。
 なるほど。
 こっちがメインだったか。
 本数の多さと言い、ソメイヨシノっぽい感じがあるな。
 芝生で思い思いに花見をする人達もまだ多い。
 けれどピークを過ぎているからか、そこまでゴミゴミした様子もない。
 上野の桜なんかとは比べるべくもなく穏やかだ。
 なるほど、名所と言われるのも道理だ。

 売店はどれが常設か臨時かはよく分からないが、梅ソフトクリームを売るスタンドと、蕎麦なんかを売るスタンド、それから、少し離れた所に土産物屋。
 まあここは梅ソフトかな。
 少し行列はあったが、すぐに順番が回って来た。
 カップとコーンでコーンを選んで注文、受け取る。
 その名の通り、やや紅梅色。
 香りが分からないので、まあソフトクリーム。大きすぎず小さすぎず、丁度良いぐらい。
 コーンの中までみっちり詰まっている感じになっていた。

 ソフトクリームと言えば、小学校ぐらいの時は親に連れられて海老名のニチイに買い物に行った時によく食べていた気がする。
 いわゆる軽食系のスタンドではなくて、三階に入っていた寿がきやで。
 ラーメンもソフトクリームも好きだった。
 あの時のソフトクリームは随分大きい気がしたが、実際どうだったんだろう。
 アイスクリームというと、幼稚園児かもっと小さいぐらいの時、横浜のこどもの国で、入り口付近の売店で買って貰ったアイスを、ほとんど食べないうちにコーンから落として泣いた覚えがある。あの幸福感から急転直下する無念さ、やるせなさが魂に刻み込まれているのか、未だに物語などで「おいしそうに食事をしていた人間」が、その後の展開で苦しむ描写が苦手だ。

 ソフトクリームを食べ終えてから、少し土手を上がる。
 ここがてっぺんな感じだな。
 向こうに高速道路が見えて、振り返れば梅林も見渡せる。
 満開の時はどんなになるのか。
 来年かその先か、また来てみよう。
 職場の土産物にウメ入りのチョコバーみたいな物を買って、会場を後にした。
 すれ違う人が、手前の会場を見て「あー、もう散ってるね」とか話していた。君らも同じ不意打ちに引っかかるが良い。

 帰りのバス停は、と。
 公園にあった案内図からして、少し遠ざかる方向にバス停が……あ、丁度行っちゃったところだ。
 割と次まで間があるが、どうするか。
 と、ここ、イオンモールの敷地だな。
 ちょっと覗くか。
 どこでも大して変わらない、で有名なイオンモールを眺め、昼食を取る程の気にもならなかったので、最寄りのバス時刻に合わせてバス停に戻った。
 どこ行きのバスかと言うと……大谷地か。

 程なく来たバスに乗り、地下鉄大谷地駅のバスターミナルへ到着した。
 遅い昼食にしよう。
 バスターミナルに隣接するCAPO大谷地にいくらか店が入ってるが、さて。
 ん、二階の焼き鳥屋が日中も営業をしているようだ。
 店名はトリ太郎……いや違う、トリ太鼓か。
 焼き鳥を食べたい感じがしばらくくすぶっていたので、焼き鳥丼定食を頼む。
 追加料金で付けられるサイドにサラダと冷そば、それからクラシックを一杯。
 ドリンクバー付きなのは後から知ったが、だからと言ってクラシックを頼まなかった訳でもない。
 まずはクラシックの生。
 ……一応言っておくが、クラシックはビールのサッポロクラシック。
 ぐっと一息。
 疲れ切った、という程ではないにせよ、無駄足含め疲れたところには丁度良い。
 しばらくして焼き鳥丼定食が来た。
 この形態だと流石に串から外して……あ、タレ散って服に付いた。
 ぐぬぬ。
 手拭きで軽くタレを抜いたがこれ以上はどうしようもない。家に帰ったら洗おう。
 気を取り直して焼き鳥丼を。
 ふむふむ。
 モモ肉かな。
 焼き鳥なので、皮がそれなりに炙られた感があって良い。
 蕎麦は盛り切りのつゆのかかった冷蕎麦。
 サラダは食いでのないレタスメイン。
 ドリンクバーはお茶を飲む程度。
 特筆するほどの満足感はないが、全部含めて1,500円に収まるぐらいだから、値段相応か少しお得という感じ。
 パン屋のイートインでも1,000円ぐらいする訳だし。


<出費>
交通費:950円(琴似―260―新札幌―210―東栄通 平岡高校―210―大谷地―270―琴似)
食費:300円(梅ソフトクリーム)
食費:1,447円(焼き鳥丼定食790 サラダ150 冷そば150 サッポロクラシック249 税108、:トリ太鼓
計:2,697円



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