思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2019/9/30『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第125回 シャー! ケー!(かつまた):湯屋サーモン

 漫画『舞妓さんちのまかないさん』の11巻が出ているのだなぁと思って、書店に行けども品は無し。例の地方の発売日遅れだ。
 2日後にJR琴似駅直結の文教堂で買った。
 もう少し解像度やレスポンスが改善すれば、書籍の大半は電子書籍で一気に塗り替えられそうな気がする。
 読み捨てされやすい雑誌なんて、元々電子書籍向きだし。

 『舞妓さんちのまかないさん』は、何だかの折に本屋で見かけたかネットでタイトルを見たかして、結果全巻買うようになっている。紙で。
 これはいずれマルチメディア展開され、その頃になんか言っても後追いっぽくてシャクなので、先に褒めておこう。
 内容はタイトル通りに舞妓さんの話で、花街の習俗や、表で見せない舞妓さんらの日常部分(箱枕慣れないと超辛いとか、日本髪にしているとコンビニに入れないとか)なんかを、努力家で優秀な「すみれ」と、彼女の親友であり一緒に舞妓を目指したが色々あって「まかないさん」として落ち着いた「キヨ」と、「キヨ」が作るごはんを主軸に描く。
 数多ある「めしもの」ジャンルの一つとも言えるが、すみれの成長(成り上がり)、キヨとすみれの関係(イチャイチャ)、キヨとその他の関係(うまいもの系無双)など、複数の縦軸があり、見飽きない。また食べ物についてもキヨがさり気なく気遣うタイプなので、演出が過剰にならずに「そうそう、こういうので良いんだよ」という感じ。
 巻も進んで来たせいか、新キャラが入ったのと同時に、旧来のキャラである「つる駒さん姉さん(またはメガネさん姉さん)」が先輩としてセットでよく出るようになって嬉しい。主役はキヨとすみれだが、つる駒さん姉さんは、冒頭から出演しており、作品テーマそのもの、というキャラなのだ。
 タイトルでピンと来るなら買い。舞妓ちゃん警察の人は知らん。
 一番のポイントというか謎は、これが「週刊少年サンデー連載」というところだ。
 実際のとこ、これ少年はどういう感想を持っているんだろうか? キャラは可愛いけど、エロを感じさせる描写は皆無だしな。


 さて、今月どこに行くか、と考えつつ、遠出をする気もさしてないので、何となくストックしていた「湯屋サーモン」に行く事にした。
 湯屋サーモンとはその名の通り、湯にサーモンが泳いでいる体験型スーパー銭湯、ではなく、ただのスーパー銭湯だ。
 しかし、ただのスーパー銭湯ではなく、札幌におけるスーパー銭湯のはしりという肩書きが付く。その歴史的価値は琴似屯田兵屋にも匹敵するとかしないとか、やっぱりしないとか。

 当日。
 適当そうな時間に出発。
 実は、前回一度行こうかなと思ったのだが、開店時間が割と遅くて待つのも面倒になってやめたという哀しい歴史があるのだ。
 場所は発寒イオンの先、点心メインの中華屋の角を入ったぐらい。
 琴似からは若干距離があるが、自転車なら大したものではない。
 愛車ぽす太ツヴァイで、JR函館本線沿いの道を走る。ぽす太は優秀な自転車だったが、新しいものに替えるとやはりくたびれた状態であったのだなというのが分かる。ツヴァイは動力も付いていないのにスルスル進む感じが良い。チェーン周りとか、車体重量とか色々洗練されているのだろう。
 ちなみに買ったのはサイクルショップフジニ商会で、いわゆる町の自転車屋さん。徒歩5分かかるかどうかの近さ。比較対象に乏しいので腕が良いのか悪いのかはよく分からないが、修理も手際よく色々やってくれるので重宝している。
 イオンでも自転車を扱っているが、建物内なので修理とか何とかなると、どうやって持っていったら良いのかよく分からない。こういう自転車屋さんの方がむしろ敷居は低い気がする。
 っと、発寒イオン通り過ぎかけてた。
 線路沿いだとちょっと見落としやすいな。
 良く晴れてる。
 ……ちょい暑い。
 あんまり風呂には向かない気候だが、まあ。
 ええと、点心屋が見つかったからここを曲がる、と。
 昼食はまだだが、朝が遅かったので今、って感じではないな。
 湯屋サーモンの中で何かあれば食べようかとも思うけど、ネットで見た時に割と地味なメニューだった気がするので、あんまり期待はしてない。
 さて、枝道をついと入り込むと、ありました、ピンクの壁のスーパー銭湯!
 で、まだ開店してないな。開店が12時30分? 30分ぐらいあるな。
 近くのイオンやホーマックをぐるりとまわってから、もう少し時間つぶしがてらに西側の大きな通りから……おや、こっちの方が大きい看板出してる。なるほど、廃墟と化したスーパー(注:札幌でも中心部を少し外れるとそういうのは割とよくある)と駐車場を共有しているから、実際の位置よりもかなり離れた場所に看板があるのだな。

 さてさて、入ろう。
 地元感が強くて若干入りにくいが、スーパー銭湯系はまあまあ入り付けて来た気がする。
 入浴料金440円ポッキリ。
 銭湯組合の公定料金だコレ。
 リーズナブルでよろしい。
 シャンプーやボディーソープは備え付けがあるので問題ない。タオルと髭剃りはお風呂セットとして持って来ているので買う必要なし。
 ロビーがあって、その奥が売店、更に畳の飲食スペースでそっちがマッサージチェアなんかあって、フロントのカウンタの傍らで野菜が売られてて。
 ……野菜?
 なんなんだ、この前の恵庭温泉でも売られてたが、なんかそういうパッケージなの?
 何はともあれ風呂だ。
 脱衣所のロッカーに荷物を入れ、浴室へ。
 おお、広々している。
 というか、スペースが無駄に広い。
 湯船も広いが、何もない床が広い。
 洗い場は多層構造になっておらず、壁沿いにずらりと並んでいるだけ。なのは良いが、配置されているシャンプーとボディーソープの間隔が、妙に広い。座る場所によっては、相当に手を伸ばしても届かない。開店直後で昼っぱらから風呂に入る人も少ないので、シャンプーの前に陣取る事にした。
 座る、と、低いな。家庭用サイズの浴室椅子と、ケロリン桶だ。
 北のたまゆらと花ゆづきで背丈の高い椅子ばかりを使っていたから、違和感があるな。
 身体を洗って湯船へ。
 広々とした主浴槽と、ジェットバスと、露天風呂。
 後は水風呂とサウナか。
 ヴァリエーションは少ないが、当時は画期的だったんだろう。
 でも扇の湯でもこれぐらいのヴァリエーションあったな。
 もっと言えば、大学時代の最寄りだった富士の湯でもだ。
 ともあれ湯に貴賤なし(ある)、浸かるとしよう。
 ふむ、湯だ。
 さて、露天風呂にも入ろう。
 あ、壁に鮭の彫刻が。
 鮭要素が何かになってるかというと、別にプラス方向にもマイナス方向にもなってない。
 やや安っぽい感じになるけど、スーパー銭湯があんまり上州草津の湯的な重たい名前だと、気軽に入れないだろうし、そこはこれで良いのだろう。
 日の照っている時の露天風呂は損した気分になるなぁ。
 トンボなんか飛んで来るのは風情があるが。
 札幌で一番露天風呂が楽しい季節は冬だろう。
 吹雪いている時はバカバカしくて良いし、ただ寒い時も悪くない。ただ、時間がゆったりある時じゃないと何に付けても落ち着かないのは確かか。元来ゆっくり入浴するという行為は、じっとして何もしない時間が続く訳で、その後に何かをしたい時には全くもって向かない。
 そういう意味では、それぐらいしかする事がない、という温泉旅行というのは理にかなっているかも知れない。

 さて、湯から上がって、自販機で炭酸を買って、畳敷きのテーブルスペースで暫し寛ぐ。
 料理のメニューがあるが、ここ特有のものはさほどない。かろうじてサーモン炒飯とサーモンとろ丼はあるものの、それ以外のメニューがカレー、ラーメン、焼きおにぎり、焼きそば、スパゲティー、と、嫌いではないけれど品質に期待し難いラインナップなので、素直にスルー。
 炭酸で水分補給しつつ暫しぼんやりする。
 なかなかに良い風が入る。
 札幌のスーパー銭湯のはしりだと言うが、当時はどんな風に受け入れられたのか。近隣に食堂の類が少なかったとしたら、休日に家族と出かけるちょっとしたレジャーの位置だったのかも知れない。当時の最先端だったものが、何となく時間を背負って地元になじんだ感じというのは悪くない。
 けど、まあリピートはし難いかな。
 遠いし、アクセス微妙だし。

 その後、北五条手稲通りまで南下してから、少し手稲方向に行ったところにあるゆで太郎で、もりそばの特盛りを食べて帰った。
 ゆで太郎は伊集院光が推奨していたチェーンだが、お手頃価格で変なクセのない蕎麦を出すので、ちょっと手繰りたい時にしっくり来る。
 以前は国保連近く、西11丁目と西18丁目駅の中間ぐらいにも店舗があって、仕事のついでに時折食べていたが、潰れてしまったので、足が遠のいていたのだ。
 まあ家で乾麺茹でて食べるのと何か劇的に違うかというとそこまででもないけどもね。


<出費>
入浴料:440円(湯屋サーモン)


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