思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2020/12/26『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第140回 見よ! シノ:みよしの 持ち帰り弁当

 新型コロナの感染拡大予防のため、おうちで過ごそうキャンペーン中。
 状況は悪化傾向のようだが、スペイン風邪の三年コースかも知れないので、長期視点で慌てない事にする。
 年末最後の週末、混雑は目に見えている為、何かを食べる系でどうにかしたいと考えていた矢先の事である。

 多くの店がテイクアウト対応になりつつある。
 そんな中、ついにあの店までが!
 そう、北海道のソウルフードの一角、餃子カレーで有名な「みよしの」である。
 説明が非常に難しいが、ここで出すメニューは主に二つ。
 餃子とカレーである。
 更に、店舗面積、材料、価格などの制約の中、たゆまぬ企業努力によって開発された新たなメニューが、餃子カレーである。
 餃子の具材がカレーなのではない。
 餃子がトッピングになっているカレーである。
 通常、イートインにて提供されるこの北海道名物が、なんと、テイクアウト可能であるとの情報を掴んだ。
 始発列車に乗り込み幾多の路線を乗り継ぐのと同じぐらいの意気込みで、琴似本通りを北上すると、そこにみよしのはあった。
 そこに記載されたメニューには。
 持ち帰り商品が!
 なんという事だ、事実だったのだ!
 店頭だけのものではなかった!
 疑念を払拭出来ぬまま注文をする。
 餃子弁当と、みよしの弁当の二つ。
 餃子弁当と言っても想像が難しいと思うが、餃子にご飯が添えてあるという、中国人もびっくりな弁当である。
 そしてみよしの弁当。これは、一見みよしのの看板メニューである餃子カレーだが、その実、餃子定食要素と餃子カレー要素のコラボレーションを行った絶妙な弁当である。
 オーダー後、支払いを済ませ、店内のカウンター席の後ろにある腰掛けで待つ。
 あのみよしので持ち帰りが出来る時代になるとは、人生一寸先は闇とはよく言ったものである。
 他の客の好奇の視線を避けるように、無限にも思える時間を過ごした後。
「みよしの弁当、ぎょうざ弁当でお待ちの客様」
 来た、ついに!
 品物を受け取るや、脇目も振らず一切の寄り道もせず、店内から外へ出た。
 ミッション完了。
 未だかつて、これほどに困難なミッションがあっただろうか。
 疲労感に足を引きずりつつ、帰途についたのだった。
※一部表現に誇張があります。

 思い返してみると、みよしののテイクアウトは利用した事がなかったので、食べてみた。
 無論、テイクアウトは昔からやっている。
 さて、まずはぎょうざ弁当。
 うん、ぎょうざ9個に黒胡麻のかかったご飯がついている弁当。ぎょうざタレスペースもある。その他は何一つおかずはない、ストイックな構造。店内なら、キャベツの浅漬けが食べられるが、それもない。
 山岡さんが、ぎょうざは完全食になり得ると言っていたので、多分、これで正解なのだ。
 ぎょうざ、めし、ぎょうざ、めし、うむ。こういうのを食べたい時そのものの味。正直、久しく店に行けていなかったので、若干の感慨はある。
 みよしのブランドのぎょうざは、スーパーで売られているぐらいメジャーだが、皮の感じが違う気がする。スーパーのは皮がかなり薄く柔らかい。焼き方の問題とばかりも言い切れないと思う。
 みよしのセットは、一見ぎょうざカレーだが、ぎょうざが2倍の6個で別盛り、タレもついている。つまり、カレーのトッピングとして食べる事と、タレで食べる事、二通りを一つの弁当で実現できる、ひつまぶしのような弁当なのだ。その為だけにわざわざ二種類のメニューにしてしまう辺り、もう訳分からん。盛り付け方も二段重ねになっている本気度の高さが伺える。この二段、驚くなかれ、カレー部分が下になっている。当然上の段の底がカレーまみれに――ならないように、間に一枚フィルムが噛ませられている。逆でいいんじゃないか、そうでもないのか?
 ぎょうざを具にしてカレーを食べる。うん。合う合わないつーか、ご想像通りだ。カレーは具の主張は少なく、若干の挽肉入り。福神漬けは控えめに盛られている。店ではたっぷり入れたい方だが、実際にはトングがショボいものになっており、量を取る事が面倒になっている為、キャベツの浅漬けの方をメインで入れる事になる。欲しい要素はキャベツの浅漬けで足りているので、さほど不満はない。
 カレーに福神漬けをたっぷり入れるようになったのは、大学の頃からだと思う。
 安くて量はあるが、具がほとんどない学食のカレーで、会計後の調味料テーブルで好きに入れられる福神漬けは、かさましにうって付けだったのだ。或いは、時館で食べる時にもそうしていたかも知れない。その後、横浜のカレーハウスリオでも、福神漬けとラッキョウが具になるぐらいに入れるというパターンで食べていた。
 もう少し由来を辿ると、吉野家で紅ショウガをたっぷり入れるというのをやっていたから、というのもある。当時かわいがって貰っていたOBの先輩と吉野家に行った時、先輩が全体にまぶされるような量の紅ショウガをかけていて、真似をしたらハマったというもの。うむ、あれで、カウンターにある取り放題系の漬け物をそこそこたっぷり使うようになったんだった。

 よし、食べた。
 久し振りだがやはり原寸大に旨い、という感じ。
 でもやっぱり店で食べておしまいにするのがスマートなものだよなぁ。冷めるのを気にしながら手に提げて帰るというようなものでもない。
 やれやれ。
 
<出費>
食費  1,120円(みよしの弁当570 餃子弁当550 内税)
計   1,120円


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