思い立ったが随筆


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2021/4/30『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第144回 端っこになりました:札沼線 北海道医療大学駅

 札沼(さっしょう)線は、札幌から小樽に至る函館本線から桑園で分岐して北へ延びる鉄道路線である。
 戦時中、不要普及線として線路の供出等の目的で一部区間が休止したものの、戦後に復旧した、地方輸送の毛細血管である。

 ……大動脈ではなく?

 なので、乗車数が振るわなかったのか何なのか、2020年度にやっぱり当該区間辺りが廃止になったものである。

 葬式鉄にして廃墟マニアである自分としては、廃線との区切りは是非見なければならない。
 そのそぞろの虫が抑えきれなくなったので、見に行く事にした。
 葬式鉄であるのは嘘、それから廃墟マニアという程でもない、コロナ自粛でそぞろの虫がアレなのは割と本当。

 当日。
 9時前のJR琴似駅にて札幌行きに乗車。
 札沼線は本数が少なめで桑園まで自転車で行ってから乗る方が乗り換えの手間や待ち時間ロスはないが、折り返しでどこに行こうという気になった時に足を引っ張られるので、琴似乗車とした。

 桑園に到着し30分程改札内で待つ。
 桑園駅は改札内には何もない。ホームにはベンチはあるが吹きさらして寒いのでエスカレーターを降りた中段ぐらいのところで待つのがセオリー。
 ぼんやりする間に、スマホでウマ娘をプレイする。

 正式には「ウマ娘 プリティーダービー」で、PC版もあるがスマホ風縦長画面(アカウント同期で、同じデータでどっちでもプレイ可能)。
 競馬馬を擬人化(美少女化)した競馬系育成ゲーム。恋愛ゲーっぽい見た目だが、その要素は薄く、熱血スポ根物である。育成パートの記号としてパワプロっぽいものが使われている様子。基本はデビューから3年ぐらいの育成期間でどれだけ強いウマ娘に成長させられるかだが、各々のウマ娘は元ネタに応じたストーリーが付いており、育成目標もバラバラになる。
 元ネタがあると言われるとその態勢で向き合う感じになるのと、ストーリーに何だかんだ整合性が生まれるので、良い感じ。アニメ版も良い感じのスポ根ものだった。
 それから、キャラクタを疑似(Live2Dという、平面絵をやや動かす技術)ではない3D表現できており、ギャルゲー的立ち絵が、細々ヌルヌルと動く様は凄まじいの一言。他にも同じようなものがあるのかは知らないので、唯一無二かは知らないが。

 通常PCでやっているが、待ち時間で暇なので。育成するのはメジロマックイーン。
 基本強いが、色々な要素が絡むので簡単に行くとは限らない。

 程なく列車が来たので乗車。北上する。
 住宅地を抜けて、いかにも北海道という農場風景になる。
 乗客はまばら。
 人家はかなり少ない。
 廃線になっていく理由も分かる。
 本数が減って営業範囲が減るから当てに出来ず、自家用車に流れるという悪循環が、百万都市のこれほど近くで発生しているというのが何ともかんとも。

 更に進んで行くと、雪が見え始めた。
 え、雪?
 まだ相当残っており、畑をすっかり覆っている程だった。そうか、北か。
 琴似周辺は雪が見えなくなって久しい四月初旬だが、この程度の緯度差で変わるか。
 程なく終点、北海道医療大学駅に到着した。
 下車する人達は皆大学生だろうか。

 車内からホームへ出て見渡す。
 高架にはなっていない吹きさらしのホームである。
 周囲は大学と僅かな人家の他は、雪に覆われた畑地が広がっている。寒いかと思ったが、そこまで寒くはなく、雪解けの気温だ。
 ホームの終端から線路の終わりを見ようと思ったが、こちらのホームではなく、反対側にはもう行けない構造のようだ。
 外から回り込んでみる事にする。下車した乗客は、そのまま大学直結の渡り廊下というか通路というかそれに入って行く。通路にはセイコーマートが入っていて、これがこの周辺の唯一の商店になっている。実にセイコーマートっぽいとも言える。

 敷地から出てぐるりと線路の反対側に回り込もうとする。
 向こうに見える幹線道路っぽいものとこちらの道路に挟まれているのが線路だと思うがよく見えない。というか、多分、雪に覆われている。
 幾らか歩いてようやく線路を渡る支線に繋がる交差点に来た。
 ここがかつての線路。
 ……やっぱり雪に覆われていて、さっぱり分からない。ただ、JRの立ち入り禁止の柵が雪から顔を出しているから、多分そうだろうと推測出来るだけだった。
 雪がとけたらまた来ないと収まらないな。
 その後はぐるりと一回りして、滞在時間三十分ぐらいで帰りの列車に乗った。
 何もないところだが、ここに通う学生はどんな気分なんだろう。
 家自体は札幌中心部にあるパターンも多そうだな。

 帰りの列車内で、メジロマックイーンは最終目的まで完了してクリア。
 スマホの電池は70パーセント切っていた。ここまで減る事は珍しい。
 本を読む時はそこまで減らない気がするが、アプリの処理の重さでよく電気を喰うのか、何だかんだ乗車時間が長かったのか。

 
<出費>
交通費 1500円(琴似―750―北海道医療大学)


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