思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2021/11/27『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第151回 紅葉観に、行――かないかい(北海道訛り):滝野すずらん公園

 観光都市である札幌は、中心部にかなりの観光名所がある。
 観光スポットを探すと、大体、大通公園、時計台、北大、少し離れて藻岩山のロープウェイ、更に離れて羊ヶ丘展望台など。概ね、地下鉄か市電で網羅される。

 世界随一の積雪に見舞われる大都市は、その厳しさに耐えるべく明治期から政府主導で計画的に作り上げられた。
 太平洋戦争時、北海道へ米軍の攻撃はあったが、攻撃が激しかったのは室蘭、釧路、根室等で、札幌は比較的破壊を免れ、死者は丘珠の1名のみであったという。
 そして戦後、新たな発展の波が押し寄せ、札幌冬季オリンピックなどを経て近代から現代へ街が作り変わってはいった。
 とは言うものの、一度作り上げられた街の新陳代謝は緩やかで、現代にそっくり差し替わる事はなかった。これにより札幌は、今も所々明治大正期を思わせる建物等が残り、それより昔のものは、アイヌ文化に切り替わるという、独特の雰囲気が、観光資源となっているであろう。

 そんな中、札幌の観光名所でネット検索すると、大体高い評価で現れるが、あんまり行く思い切りが付かない遠い場所、それが、地下鉄の南の終点、真駒内の更に先、滝野すずらん公園である。
 ロケーションの面倒さに比べ、妙に評価ポイントが高いそこに、行こうかと思った事は時折あったが、もっぱら植物のコンディションに左右される事から、時期を外し続けていた場所である。

 紅葉の時期が終わりかけだが、これを逃すと冬期営業に切り替わるので休みになってしまう。
 ならば、と、行く事に決めたのであった。
 よし、行こう、行こうよう(タイトルで我慢したのに)

 当日。天気がやや曇りだったり何たりするが、こういう時は思い切って行く方が良いだろうと出発。

 地下鉄で大通で南北線乗り換え、終点の真駒内まで行って、北海道中央バス一本。
 乗り場だけ押さえておけば、何の迷う要素もない。
 ただし、片道1時間以上かかる。って、そこまで遠くはない感じだな。
 で、思い出したんだけど、これ、前に芸術の森に行く時に使ったのと同じ路線だな。あの時も、すずらん公園がこの先か、と思ったような、そうでもないような。

 真駒内の駅前も、よく紅葉しているが、公園はどうだろう。
 進むうちに、すぐ山に入っていく。
 それなりに色づいているが、完全に葉が落ちてボウズになった樹も多い。
 落ち葉が絶え間なく降り続くのは悪くない。
 途中、涅槃像のでかいのがあった。あんなのあったのか。「日本一のパワースポット」とか書いてあったが、そういうの書くとうさんくさく見えてしまうが。
 滝野霊園の横も通る……モアイが並んでる。どういう趣旨だかさっぱり分からん。何かしら理由があったとしても悪ふざけにしか見えんが。ひょっとすると、イースター島の住人が移住した集落があったとか、なんか理由があるのかも知れないので、徒に否定するのは良くないな、うん。

 30分ほど走ってから、公園口に到着。
 公園というワードに油断していたが、大体山だこれ。国定公園とかそっち側の属性だ。
 中で停留所2つだか過ぎて、ようやく東のゲートに到着。

 降りる人は自分以外1組だけ。平日はこんなものか、それともコロナか、はたまた、オフシーズンか。
 自動券売機で450円でチケットを買い、職員の人に渡してもぎってもらう。
 半券で出入り出来ると説明を受ける。
 さて、中は。

 客の姿が全然ない。

 まあいいや。
 まずはこっちの坂を下りてみる。
 坂というか丘陵というか。下まで良い感じに見渡せる。
 花の頃だと綺麗だろうな。ちょっとだけラベンダーがあるけど、ほとんど土だな。
 降りきって中央口。
 そこから、森に続く道に進む。
 子供用の何たらと書かれているが、結構山歩き感がある。
 この表示はふむ、吊り橋があるのか?
 この脇道っぽいところで……あ、あった。
 ネットが主な吊り橋があった。そんなに高くはないが……。
 うわ、足がぐんにゃり入る感じで、かなり心許ない。
 落ちても1メートルあるかないかの高さだけど微妙に怖かった。

 更に進んで行くと、急に広々とした丘陵に出た。
 ゲレンデのような? すり鉢のような? 非常に広く、芝が刈り揃えられている。
 下の方で遊具があって、ここで初めて遊んでいる子供達を見かけた。
 これは見晴らしが良いな。
 そして上がり切ったところに展望台がある。
 塔があれば登るタイプなので、行ってみる。
 灯りが点いていないようだが、入っても良いらしい。
 階段を上がって、上がって、上がって、最上階到達。無料の望遠鏡も設置されている。
 元々が高いところにあるので、向こうの山まで見渡せる。

 なるほど、歩くのにそこまで苦にならない割には山の中っぽい道も歩ける。札幌観光名所ランキングにいつも上がるだけの事はある。

 それから、あまり疲れない程度のところで切り上げ、カントリーハウスというレストランに入る。
 店員さんが1人いて、「決まっていたら食券買って下さい」と説明される。
 メニューを事前に見られない筈なんだがと思いつつも、券売機を直接見る。
 ピザやらカレーやらだが、一応公園の名前の付いた「滝野カレー(750円)」を頼んだ。
 案内されたシートは、半分がコロナ対策で区切られていた。
 ああ、ここにメニューがあるから、これ一旦座って選んで食券で頼むという形になってたの、かな? 変な導線だが、ひょっとしたらコロナで客が減った時に食券制度にしたとか? よく分からん。
 待つ事暫し、カレーが来た。
 妙に細長い、潰したアーモンドの種みたいな形をした器にカレーが盛られている。付け合わせに壺漬けみたいなのと、サラダ豆、ブロッコリー。
 カレーは、ふむ、柔らかく煮た肉の小さいの。豚か牛かよく分からん。
 まあ、何というほどうまくもまずくもないかな。
 付け合わせもそこまで意外性のあるものでもない。
 ちなみにすずらん要素はない。あったら死ぬし。
 でもすずらんの毒性って、食べたら死ぬ系なので、ヴァルキリー・プロファイルにあったような、花畑にいるだけで死ぬみたいなのはないと思うけどもね。

 食べ終えてから、バスが来るまでの30分ほど時間を潰しがてら、中央口にまわる。人工の滝があったが、まあこれはそこまでのものではない。厚別の滝とかいうのがあるようだが、それを観に行く程の元気はないので、今日はここまで。雪解けしたらまた見ても良いかも知れない。
 来た時と大体同じルートのバスに乗って帰った。
 繁忙期だと福住に行くバスもあったようだ。

<出費>
入場料:450円
交通費:1560円(琴似――真駒内 真駒内――すずらん公園東口:往復)
昼食:750円(滝野カレー)
計:2760円


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