思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2022/5/30『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第157回 「だあああああ!」「むぅ!」:定山渓ダム

 アニメのスパイファミリーが思いの外面白かったので、電子版を全巻買ってしまった。
 途中から少年漫画的引き延ばしエピソードとか、アーニャがよつばみたいな喋りになったりとかあったが、概ね面白く読んでいる。
 並べて見ると、アニメの方がアーニャを可愛く描写してるのが分かる。
 こういうのは、今後の展開を予測したくなるのが人情で。

 ドノバン・デズモンドは恐らくアーニャと同じ研究所で改造されたテレパスだろう。
 頭の傷は、漫画表現では脳手術を意味するものだし、ロイドに言った「人はわかり合えない」という言葉にも辻褄が合う。人嫌いについても、自分という読心型のテレパスの存在を知っていればこそ、不特定多数と接触出来ない。そもそも、自国で行われていたアーニャの実験について、知識はあるに決まっている。そしてこれが一番大事だが、ロイドとドノバンが会ったシーンでは、アーニャは傍観的立場ですらない。
 それから改めて調べたら、製薬会社を1つ買収している。


 だとすると、
・ロイドが00ナンバーのサイキッカーの1人と戦う
・ロイド、00ナンバーの情報を推定、研究の情報に到達
・001〜006までの死亡が確認
・ドノバン相手の作戦が上手く行きそう
・だが、すんでのところで裏切られ窮地に陥る(直接の敵がいばら姫かも知れない)
・別ルートでロイドと接触しようとしたアーニャとデズモンドが交信(ここでネタばらし)
・ドノバンは000または007(重複)。ナンバーは実験番号であって、個体番号ではないとかなんとか。
・相打ちでいばら姫を制圧したが、無力化されたロイドにドノバンが止めを刺そうとする
・アーニャがロイドの考えを伝える等のファインプレーでドノバンの殺意を殺ぐ
・ドノバン、毒気を抜かれ、大規模蜂起の計画とかを破棄
・完全な和平が達成され、東西の壁が崩れる
・スパイ組織も暗殺組織も解体され、ロイド、ヨルは裏の仕事を引退、アーニャを実子にする
・2人の子として成長したアーニャは、親に内緒でスパイ組織に入り、伝説的なスパイの噂話をニヤニヤしながら聞く。
・「人は誰にでも秘密がある」
 って感じになりそう。

 どこか行くかなぁ、でもあんまり遠出はしたくないし、無闇に混雑しているところも新型コロナとかで嫌だし、並んだりとか嫌だし、食べ物屋もこう、視界に誰かがずっと入っているような状況も落ち着かないし。
 イベント情報を見るが大体花見だよな。
 ただただ純粋に花を見るだけの花見はどうもパッとしない。

 等と思いつつ地図を眺めていて、ふと、「ダムってこっちで見てないな」と思い至った。

 こちとらダムの水で産湯を使ったぐらいのダムっ子だ(多分本当)。ダム好きは生まれついてのものと言える(これはハッタリ)。
 証拠に、一度宮ヶ瀬ダムに行った事があるし、丹沢湖の三保ダムにも行った事があるような気がするし、奥多摩でもダムをみた気がするし、黒部ダムには行きたいなぁと思う事があるし、ルパン三世のレギュラーではダムダム弾を使う次元(勘違い)の事が3か4番目ぐらいには好きだ。

 Googleマップで、キーワード「ダム」で検索してみたところ、最寄りで定山渓ダムが出て来た。
 OH!
 札幌の奥座敷定山渓。
 言われてみれば、周囲の散策コースで湖があった。
 調べてみると、バス停から徒歩で2.5キロぐらいの距離にある。

 ……2.5キロか。
 と、路線検索をしたところ、10分以内に出れば11時30分ぐらいには定山渓に着けそうだったので、行ってみる事にした。
 片道1時間30分って、結構な時間なようで、そうでもない。でもこれが通勤時間だったら、人生損していると言われても仕方がないかもなぁ。本を読めだの何だのを差っ引けば、18時間か17時間かの覚醒時間のうち、2割近く取られるんだからな。

 地下鉄で真駒内まで行き、定山渓温泉行きのバスに乗る。
 行き先が目的地の名前なので、旅行者でも迷いにくい。
 でもまあ、北海道旅行の拠点に定山渓は選ばれないんだろうな。札幌市街はやっぱり都市の印象が強いし、各地の起点としての強みがあるし。敢えて1時間余分にかけようと思わないよな。結局、道外よりも札幌市民が来てそうだな。

 山がちになって来た。
 遠くの山に雪が残っている。
 え。
 まだそんなか。
 そうかそんなか。
 シャツに薄手のジャンパーだが、寒くないだろうな。
 窓の外の外気に少し手を曝してみるが、そこまででもなかった。

 定山渓の手前の錦橋停留所到着。
 定山渓の市街だが、ダムへの道に近いとも遠いとも取れないぐらいの距離。
 降りてみると、別に寒くはない。
 近くの山には雪も特に目に付かない。遠くの雪は、標高差で残っているのだろう。
 雪はプラスになれば融け始めるが、マイナスのうちは残る訳で、標高差の数度が境目になっている時期なのだろう。

 では歩く。
 歩く。
 これが錦橋か。
 って、この近くにもバス停あるじゃん。何故こっちを錦橋停留所にしなかったのか。
 この橋の架かる川、切り立った断崖の渓谷だ。
 あ、ウグイスの声。
 なんだよ、絶景かよ。
 映画のセットか。
 錦橋って名前はつまり、紅葉の時期に赤や黄色の色が様々になるって事か?

 定山渓市街の端っこなので、温泉街ではないが、ぽつぽつ宿やパン屋なんかがある。
 食事はどうするかだが、多分、連休の観光地の混雑で、寄る気にはならないであろう。
 ダムの近くが公園になっていて資料館なんかもあるようだから、何かしら買えないだろうか。あまり期待はしていないが。
 ダム行きの表示を見つけ、右折からの直進。
 橋を渡る。
 ここも何とも良い川の風景だ。
 もう少しからりと晴れていたらと思うが、それだと暑そうだしな。

 この先は市街から離れて川沿い、森の中。
 この舗装道路、Googleマップのストリートビューでは、先が途切れた1車線にしか見えない細い道だったが、実際に来てみると普通に片側1車線だった。ストリートビューはそういうとこあるよな。

 誰も通らないな。

 結構お手軽な観光スポットだと思うけど、まだ観光客の数は戻ってないのか。
 歩く。
 歩く。
 歩く。
 あ。
「熊出没注意」
 札幌の森でお馴染みの赤いプレートだ。
 目撃情報部分が白く空いたままだが、これは色が落ちたの? それとも注意喚起でつけっぱなだけ?
 熊か。
 熊鈴なんか考えてなかったな。
 大した距離ではないし、そこまで心配する事もないのだろうが、後悔先に立たず、要心に越した事はなし、要心を嘲る者は物語中盤までに死ぬ法則。ぼちぼち歌など口ずさみ、声を出しつつ進む。
 と、遠くに何か見えて来た。
 ああ、ダムだ、多分ダムだ。
 道の先に門がある。17時に締めます、と。
 何となく、立ち入り禁止感あるよな。
 昔、山梨のこどもの国でも思ったけど、こういうひとけのないところの扉って寒々しく怖い感じがする。広くて静かで暗いところに1人取り残されるイメージ。

 さて中に入って坂を登ると。
 見えた、

 ダムだ。

 手前は公園になっている。
 「定山渓ダム下流園地」が名称か。

 ダムだ。

 コンクリートのでかいヤツ。
 これは凄いな。
 こういう角度で見る事はあった筈だが、その時よりもスケール感がある気がする。
 この大きさは八百万の神の一柱に数えても良いよな。
 大体大魔神のような見た目だし、水流という水神の御業を制御するのだから別の神であろう。
 なるほど、親父が熱中する訳だ(注:父は元建設会社社員)。
 後から調べると堤高は117メートル。
 ダイターン3と同じぐらいだ。
 波乱万丈、乗る時超怖そう。
 足元に人とかいても気付かず踏みつぶす可能性しかない。
 マジンガーが18メートルというのは、肉体感覚が残る感じとして手頃なのかも知れないな。ビルの街でガオっても全然見えないけど。

 大体見たいものは見たし、そこそこ歩いて疲れたけど、ああ、上に資料館があるのか。
 階段を上がってみる。
 急で段が多くてどうも怖いな。後ろに転げ落ちそうな重力感がある。
 よし、ダムの記念モニュメントに来た。
 お、ダムの中に入って行けるダム内見学通路というのが空いている。
 中に入ってみる。
 寒い。少し涼しいどころではなく、がっつり寒い。
 壁沿いにパネル展示がしてあり、ダムの構造や役割の説明がある。
 ふむ、定山渓ダムは重力式か。
 アーチ式なんかだと、こういう穴は出来そうにないな。
 漫画のパネルもあった。地元の作家さんとかだろうか。
 歩く事どれぐらいか、100mかそこらか? 行き止まりになった。
 温度計がかけてある。
 ええと、9℃。
 寒い訳だ。
 その先は、左右に上がる道と下がる道があるが、関係者以外立ち入り禁止になっていてドアで仕切られている。下がる方は闇に沈んでいく感じで怖い。
 大体、沈む系は怖いものだ。水族館の深い水槽で薄暗いヤツとか凄く怖い。幼稚園ぐらいの時にしばしばその感覚を味わったものだ。あれは江ノ島水族館だったろうか。

 一通り見て、更に坂を上がって資料館へ。
 いい加減疲れたな。
 ようやく資料館到着。
 ダムの上からってこっちからだと見られないの、か、あった。
 資料館の横から階段が伸びている。あの感じ、上まで行きそうだが、長いな。エレベーターが欲しいものだ。片道はともかく往復はきついな。
 登り口まで行くと、片方は登山道になっており、もう片方が恐らく最短距離の階段だ。登山道はガチ登山道で、入山のカードを入れるポストも用意してあった。うへぇ。
 この軽装で、というか、ヒグマの出没する北海道の山で登山をする趣味はないので、階段の方を進む。
 登る、登る。
 コンクリート丸太の階段と、樹脂板の階段が混ざっている。樹脂板の方は、足の下部分に隙間が出来ているせいで、浮いている感が強くて高所恐怖症気味の自分は足がすくむ感じだ。
 登ったは良いけど、降りられるだろうな。
 途中、展望台があるので少し足を停めて、水筒でもって来た水を飲む。出発前の思い付きで突っ込んで来たが、自販機もないし丁度良かったな。
 さて、更に登る登る。

 ようやく堤の上に到着した。
 30分もしないぐらいだけど。
 やれやれ。
 堤の上は車道になっていて、歩道は狭め。トンネルから出てトンネルに入る構造なので、ドライバーを信用出来ず横断が少々怖い。
 横断歩道でもあれば良いが、そういう風には出来ていない。人もそうそう通らないのだろう。
 湖側は断崖絶壁だな。ここから落ちたら、水面はコンクリートと一緒だろう。
 道向こうの先に展望台があるので、もう一息歩く。
 展望台から、見晴らしが良いと言えば良いが、断崖方向に見晴らしが良いとやっぱり足がすくむばかりだな。崖っぷちよりも尚崖っぷちだものな。
 ダイターン3のコックピット視点がこんな感じか。

 さて、見るもの見たから降りよう。
 下りの階段は……あ、全然怖くないな。
 角度的に隙間が見えないからか。良かった。
 降りきって、資料館に入る。
 入場無料で、パネル展示や何か。ダムに関するあれこれと、周辺の動植物。ダムカードにも言及していた。
 薄暗さやメンテ中がぽつぽつある事など合わせて、そこまでの興味は惹かれなかった。疲れてもいたし。
 資料館から出て、傍らの椅子に座り、念のためで突っ込んでおいたトップバリュのライトミールブロックを片方200kcalだけ齧る。腹が減って力が出ない、というのは普段はないが、疲れる事をした時には実感が伴うよな。
 しかし自販機1つなかったか。かなり良い観光スポットのようだけど、そうでもないのかな。

 じゃあ。
 帰るか。
 熊鈴、アプリでないかな。
 1つ見つけたのでダウンロードして使ってみる。WIFIじゃないけど、どうせこんなアプリ大したデータサイズでもなかろう。
 使ってみると、確かに鈴の音がするが、ポケットに突っ込んでいると程なく止まってしまう。ただ止まるのではなく、別のスイッチが押されてる感じで止まる。
 なんだこりゃ。
 3、4回繰り返して嫌になったので、YouTubeなど流しつつ帰った。
 岡田斗司夫がエバーのQか何かの話をしていたが、エバーはシーンありきの作品だから、物語の整合性は二の次になっている、との事(個人の感想です)。
 自分はテレビ版の最終回で切った側だが、まあそんななのかもなぁ。あさりよしとおは、シンジ君の成長物語と言っていたが、それも見当違いではあるのかな。無論、岡田斗司夫が公式のスポークスマンという訳でもなんでもないし、あれ以降何も観ていない自分に語る言葉はないのだけれど。

 市街に戻り帰りのバスに乗ろうと時刻を確認する。
 結果、14時発があったので、やや周辺をフラフラしつつ時間を潰す。雨がぽつぽつ降り出して、やっとバスが来た、と思ったら、かっぱライナーという全席予約の路線だった。もう少し分かりやすく書き分けてくれませんかね!

 30分ほど時間が空いたので、もう少し温泉街を覗く。
 ああ、鯉のぼりがあちこちに飾られている。
 毎年イベント情報で出てたが、こういう感じなんだな。
 遠目からは一本しか見えなかったが、近くだとなかなか。
 営業休止している場所も多いが、ぼちぼち息を吹き返していくだろうか。

 その後、バスの時間になり、真駒内経由で帰った。

<出費>
交通費:1,880円(琴似―330―真駒内―610―錦橋/定山渓温泉)

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