思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



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2022/8/31『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第160回 この手の、大体人間を混ぜる説:ざんねんないきもの展 札幌

 新型コロナの感染者数が、過去最高になったりする今日この頃。
 折り返すかと思ったら全然だった。
 けど、症状がイマイチ重くならないせいで、かかると隔離だけが面倒みたいな妙な事になっている。
 でも匂いや味が分からなくなるとかの症状は健在だと岡田斗司夫が言っていた。これは結構QOLを下げるので、予防に越した事はない。

 外出自粛とか緊急事態制限はさっぱり話題にならなくなったので、付和雷同して出かける事にする。
 まあワクチン接種後だし、人との接触数少ない方だろうし、良かろう。

 イベント情報で行き先について軽く調べてみたところ、「ざんねんないきもの展」が札幌に来ている事に気付いた。
 確か、前に地下鉄で見かけた気がする。
 8月一杯で北海道博物館の昆虫展もあるらしいが、あそこはやっぱり少し遠いし、何よりバスの本数に問題がある。
 あまり遠出をしたい気分でもなかったし、ざんねんないきもの展の方に行ってみよう。

 地下鉄で一路大通り駅――ではなく、バスで。こっちの方が安い。帰りは地下鉄で乗り継ぎ割引が出来ると良いのだが、どこで繋がるか未だによく分からない。調べてみると、結構な路線が対象になっているが、印象とは違うな。はてさて。
 安上がりという話なら自転車移動が一番だが、マスクの扱いが思い切れないので難しい。有酸素運動の自転車は、マスクの影響が大きすぎる。しかも夏では、とても乗る気になれない。自転車で着けてても意味はないと思うが、端から見て何やら言うヤツが出そうな事は敢えてやる気にならない。空気を読む日本の面倒なところだ。

 大通りに到着。
 会場はパルコ。
 前も毒の生き物展をやっていたような気がするので、イメージは出来上がっている。
 市電の線路を渡り、パルコ前に到着した。
 何かしら掲示があるかと思ったら全くない。
 こういうのは集客のためにやるんじゃないの? パルコのイメージとかか、それともこの入り口はない、って事か。スマホで階を確認してからエレベーターで上がった。
 到着。
 ええと……ああ、こっちだ。特設会場風の白い仕切り壁が立っていて、こっちから入る事ができる。
「いらっしゃいませ」
「大人1人でお願いするよ(ステッキをまわし、タップを踏みながら)」
「850円です」
 チケット売り場ともぎりとミュージアムショップ的なものが一緒くたになっている。中の狭さが伺える。

 では順路に向け進もう。
 撮影は可能だけどフラッシュは禁止。後者はまともに頭蓋に脳が詰まっていれば当たり前だと思う。
 以前に行った海遊館だかでは、ばしばし焚きまくってたっけな。それが関西人の気質だとしたら……まあ主語を大きくするのはやめよう。馬鹿は馬鹿ですね(トートロジー)。
 まずはタラバガニ。
「足が長すぎて、脱皮で死ぬ」
 ざんねん! ざんねん! ざんねん!(ガッテン風に)
 説明書きが低い所と高いところ2ヶ所ついている。身長差への配慮だろう。上の方の字が大きいのは助かる。
 それからこっちはアホロートルか。
「水分が少ないと可愛くない」
 んー。
 ざんねんと言えば残念。
「カブトガニの脳はドーナツ型」
 余計なお世話だろう。
 でもこのちっちゃいカブトガニ、超可愛い。
 何と言うか、ある程度の面白味はあるものの、驚きはないな。
 これは恐らくなんだけど、動物園とか水族館とか図鑑とか、へんないきものチャンネルとか観すぎたのかも知れん。
 先ほどの脱皮の話だって、そもそも脱皮はハイリスクな行為なので、そこで捕食されたり何たりで死ぬのはタラバガニの専売特許ではない。人間もソフトシェルクラブと言って捕食するぐらいだ。脳の話も昆虫ならそもそも塊としての脳は存在しない。人間の常識で観れば異様だとしても、人間とは違うんだからそれはそういうものとしか考えられず、その程度の事でざんねんとは思いがたい。
 つまるところ、知識が薄ければ薄いほど、驚きを持てるし、笑ってしまえるんだろう。
 自分が考えるところの一番ざんねんな生物と言えばなんだろう。
 蚕辺りはまあそうかも。蚕は人間の手がないと生きられない。捕食という意味ではなく、機能として誕生から生殖までの輪を繋げる事ができない。生物として非常に異様な形に品種改良されている。芥子も確かそんなだっけ。

 しかし、予想はしていたが狭い。
 平日なのでそこそこ空いているのだが、通路が狭い。2人すれ違う程度の幅だから、まばらな観客でもすぐに詰まる。
 人が観ているものは追い越して、先へ進んだ。
 そして最後に戻ってから折り返し。
 2巡目で全部見終えて、出口に辿り着いた。
 ざんねんないきものの書籍も売られていたが、買うほどとも思わなかったので何も買わずに会場を出た。
 想像した範囲内のものだったが、カブトガニの子供は可愛かった。何より、ここまで手頃な場所でやってくれるのは有り難い。
 まだ昼前ぐらいだったので、メロンブックスだけ覗いてそのまま家に帰った。

<出費>
交通費:470円(琴似―210―大通り―260―琴似)
入場料:850円(ざんねんないきもの展)
計:1,320円


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