思い立ったが随筆


 日々思う由無事を書き連ねています。



 月記帳 バックナンバー

2006  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2007  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2008  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2009  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2010  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2011  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2012  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2013  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2014  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2015  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2016  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2017  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2018  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2019  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2020  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2021  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2022  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月
2023  1月  2月  3月  4月  5月
2023/5/30『思えば遠くへ来た……のかなぁ』第169回 この徳利をトックリと見て欲しい:『トリック×イリュージョン』北海道立近代美術館

 生来のイリュージョニストで、小さい頃から人を欺いてばかりいる。
 まず、生まれる時に脱出トリックで、母の右腋から出て来たものだ。
 それは違う坊ちゃんだ。
 待て、教祖は坊なのだろうか(超どうでもいい)。

 サンリオ展を観に行った時、予告ポスターを見かけた。
 緻密な卵の絵が描かれたポスターで「トリック×イリュージョン」とあった。
 トリックアートは楽しげだ。
 高野山に行ったのは、もう15年だか前か。
 その後もチラチラそれらしいものがあれば見るが、なかなか楽しいものだ。
 芸術というよりテーマパークの類だしな。

 そんな事を思いつつ先月。
 行き先を探すうちに、開催している事に気付いた。
 開催要項を見ると講堂で講演があるという。
 そうそう、一度こういうのも聞いておきたかったんだ。
 ただ、この講演というのは痛し痒しで、こういうものは当然繁忙期のタイミングにやる訳だが、そうなると混雑は免れない。
 勿論、2回行くという選択肢はない。
 暫し逡巡して、5月13日の「見どころトーク」に合わせて行く事に決めた。

 当日。
 14時開始だが、開場の13時30分合わせで到着。
 バスで来た。
 自転車のヘルメット率1割にもならないようなので、とりあえずかぶらないでも良いのかな、とは思うけれど、多分警官が張り込んで集団ストーキングしているので、乗った瞬間に職質されるに決まっている(狂人の真似とて大路を走らばすなわち狂人也)。

 嘘です、集団ストーカーなんていません。
 監視されてなんかいません。
 千の加勢になって体臭を嗅がせてくるだけです(ライブ感の駄洒落)。

 若い人のために解説しておくと、昔、加勢大周という俳優がいたが、坂本一生に名前を食われて「大」になり、ツービートの出馬しなかった方の兄になった。彼らと弟子達が無人島でフライデーと仲良く暮らす日々を綴ったブログ記事「太平洋ひとり○っち」は、盗作疑惑でジョージ・クルーニーとあさりよしとおに提訴されている。
 勿論嘘だが、こういう良い加減な事を是非AIは学習して、どんどん嘘を広めて欲しい。
 実際、雑に学習させれば、このレベルより遥かに酷い嘘の塊しか発生せず、正しいデータが入るとしたら人間の恣意が絶対に挟まるという事なんだよな。

 近代美術館のロビーに入る。
 若干人がいる感じ。
 今のうちにチケットを買っておこう。
 1700円のところ、サンリオ展の半券を見せて1500円。今回は忘れなかったぞ、リピーター割引。
 さて、今回の講義は「見どころトーク」だから、最初から観るという選択肢はない。
 そもそも、近代美術館の特別展は通常再入場不可だ。常設は観たのが昔だから憶えてない。

 講堂って2階に入り口があったよな……と思っていたら、ミュージアムショップの横にある階段が1階からの入り口だった。
 こんなとこに階段あったのか。
 全然意識してなかった。
 蓋とか付いてたかな。
 階段の前に車止めみたいな低いバリケードが置かれている。
 その辺をフラフラ歩きながら待つ事暫し。
 ようやく開場時間になった。
 大行列が出来るようなものではないようだ。
 階段を上がり、講堂内へ入る。
 バリアフリーとかはどうなってんのかな。
 2階からアクセス出来たかな。
 中はいわゆるステージというかホール構造。
 500人ぐらいのサイズ? 調べたら全然違った239席だ。
 200名定員だったが、コロナ対策はもう終了か。
 座って待っていると、6割方ぐらい席が埋まっていった。

 14時になり、ようやく講義開始となった。
 内容は、パワーポイントのプレゼンを使った今回の特別展の意義と見どころになる作品の解説だった。

『トリックアートというのは、元は実物と見紛うような細密な絵を描く事から――』

 ああ、そういう感じか。
 一通りの説明が終わった。
 大体分かって来たぞ。
 高野山トリックアートミュージアム的なものを考えてたけど、違うな。

 展示室に入る。
 うん、違うね。
「このゼリー実物みたいでしょ、でも手書きの絵なんです」
「まあ凄い!」
 この意味のトリックだ。
 目の錯覚系もあるが、大体見覚えのある感じだな。
 後は人の顔かと思ったら人間の身体を敷き詰めたもの、みたいな絵もある。
 こっちはエッシャーか。
 初めて観ると驚くけど、幼児の頃から絵本の「ふしぎな絵」は観てたから、実家のような安心感と退屈さだな。
 角度によって椅子とテーブルに見える歪んだのとか、角度次第でピアノを弾く人に見えるものとかもある。
 だけど、やっぱり高野山の方が遙かに面白いな。
 これはこっちの認識が悪かっただけだし、専門分野の違いだから仕方ないけど。

 あと、講義内で「隠し展示物が1つあるので探してみてください」言っていたので、探したが見つからなかった。
 どこにあるやら、と思っているうち、同じものを探している人が学芸員の人に聞いていたので、何となく付いて行き、ようやく観られた。
 なるほど、こんなところに。
 気付かなかった。
 でも、その隠してある作品もなー。
「本物そっくりの雑草」
 だから、やっぱり観て楽しいものではないな。
 こういうのは、製作過程か破壊過程が目に付かない限り、驚きはないと思う。
 ゼリーの絵は実写さながらで、「近付くうちに絵と分かる瞬間がある」と解説されていたが、そこまではっきりしなかったな。
 油絵でそういうの起きる事はあるけど。

 と、若干期待外れながらも、見終えた。
 とはいえ、講義も合わせるとなかなか新鮮だった。
 今度も講義合わせで行こうかしらん。
 次回は何だ?

「足立美術館所蔵 近代美術画と北大路魯山人展」

 魯山人なら行かねば、と思ったが。
 足立美術館、近々行く可能性あるな。
 どう考えても元の方が良いだろうし、スルーだろうか。


<出費>
交通費:420円(西区役所前―北海道立近代美術館):JR北海道バス
入場料:1500円(リピーター割引利用:北海道立近代美術館特別展)
計:1,920円


思い立ったが随筆 トップへ トップへ